い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

百四十九歩

2017-12-30 | 道しるべ

いちにちを 「まで」と「から」決め 明日を見る

毎年抱負が変わらないのは
達成できないからか
続ける価値があるからか

どちらにせよ
年末の忙しなさは
カウントダウンも
走り抜ける

百四十八歩

2017-12-29 | 道しるべ

砂利の中 踏まれ転がり 玉になる

傷つけあう毎日も
痛みを知り
相手を思う心が生まれる

蹴とばされ
はみ出した道端に
花びらの傘があったなら

身を寄せて
陽射しの笑みを
待つのもいい

百四十七歩

2017-12-23 | 道しるべ

雪誘い うたかたの夢 湯気に咲く

生まれたばかりの初雪は
川に飛び込み流れとなる
枯草に着地した結晶は
光る小さな粒になる

冷たさと美しさと
試練と安らぎと

静寂の中
溶ける音が
聞こえる

百四十六歩

2017-12-21 | 道しるべ

図らずも 天と海さえ 線を引く

初めから混ざることなく
全く違うものでも
同じ匂いの塊の中
それだけで
息ができる

それが
生きると言う事なら

太陽と雨
水と空気
違う恵みの中
生き物は
知らず知らずに
自分の周りに
孤独の線を引く

百四十四歩

2017-12-13 | 道しるべ

会いたくて はしゃぐ涙と 届く息

さよならの視線のすぐ後に
会いたくなって
メールも電話も飛び越えて
駆け出す心

並んで歩く帰り道が
ひとつの灯に
照らされて

凍るような
白い息も
溶かす熱さを
知っている

百四十三歩

2017-12-07 | 道しるべ

わけもなく 一気に冷める 氷点下

心も冬を迎え
拒絶のつららが
すべてを隠してしまう

四季の美しさに逆らって
気ままに訪れる景色は
わがままとか
自己中とか
 
付いてくる言葉さえ
マイナスの響きに
飾られる