い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

百日

2020-03-11 | 日めくり
好きから始める恋占い

一目でわかる花びらの反則
奇数と偶数の結論がほほ笑む
伝わらない一か八
届かない自己満足
あふれそうな涙をぬぐい
笑い顔を習得した

箇条書きの言葉を見つめ
暗記するまで繰り返す
身に付ける愚かさも
塗りつぶす非情さも
飛び越えられる
希望にかけた

九十九日

2020-03-10 | 日めくり
一枚多い日めくり

考えもせず
変わった事もなく
過ぎただけの24時間
4年に一度の記念日なら
違う思いがあったのか

気付けない時のズレを
合わせてくれた優しさに
精いっぱいのわがままと
気まぐれな微笑み添えて
さよならを言った



九十八日

2020-03-09 | 日めくり
固められた平均

無難な道を行く
はみ出さない人生を選ぶ
平凡に安堵する
しあわせの意味は問わない

平均の枠に入ろうとする
定まらない範囲の中
基準のない普通を作る
それ以外を上下にして

見下ろす優越感と
見上げる劣等感に
善悪のレッテルを貼る
けれどそこに解答はない

九十七日

2020-03-08 | 日めくり
見える範囲のコントロール

いつも近くにいる人
わがままを無条件で受け入れ
叱ってくれる人
それがすべてだった時を過ぎ
自分で選んだ分かれ道

責任を負うということ
自分以外も認めるということ
世の中の無数の生き方に出会うため
立ち止まらずに前を向く
その先が見えてくるまで


九十六日

2020-03-07 | 日めくり
昨日と違う今日

見た目では分からない
気持ち的にも変わらない
同じ匂いの布団を跳ねのけ
冷えた朝の準備をする

説明書通りの時が過ぎ
規則正しい設計図をなぞる
書き直す技術と書き足す才能
自ら望まなかった後悔は

今日の自分で証明する


九十五日

2020-03-06 | 日めくり
賞味期限のある嫌い

口にすれば威力を増しそうで
苦手という言葉からはみ出しそうで
三猿の教えを守った

時間をかけて回数を重ねて
ゆっくり浸透した情ならば
受け入れる覚悟も生まれる

はずだった

年月の流れは
大人の範囲を変えてくる
思い出のフタを取り払い
不可能な後悔を見せつける


九十四日

2020-03-05 | 日めくり
あふれそうな満タンの直向き

前髪が目にかかり鬱陶しければ切ればいい
瞬きの間ほんの少し見えた透き通る視線

見つめた先を振りほどき
カゲロウよりも淡い姿で
現実を曖昧な空間に変えた

手を伸ばす勇気はなく
声を出す息もつけない
ならば 今は 今を


九十三日

2020-03-04 | 日めくり
あらすじに夢を見る頃

細かい描写を思い出してみる
何かを見つめて足早に歩く
向かう先に挑むような狙うような
視線の矢を跳ね返し
突き進む戦士の勢い

見えない敵に囲まれた
ままならない世界を生きる
窮屈なモガキの中で
オアシスが現れた時は
幻の揺らめく夢を摑まえる


九十二日

2020-03-03 | 日めくり
円で決まる中心

同じ距離を保ちながら
見守ることの難しさ

一瞬の見え隠れに
追いかけてしまう未熟さ

頭の片隅に居座る
平穏を傾ける引力

歪んだ円を直すために
必要なもの

思い込みも
勘違いも
わがままな自己中も
ナダメすかして受け入れる



九十一日

2020-03-02 | 日めくり
射手座が放った矢の行方

突然目の前に現れた花畑
画素数を超える彩に心奪われる
月明りさえ眠る満天の星
空を覆う光の川が降り注ぐ

生まれたての感情に
名前を付けるなら 画数を調べるべきか
枠で分別するのなら 丈夫な境界線を選ぶべきか

すべてに理由がないように
誰も知らない矢の行方