い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

七十八番

2021-10-31 | 順番
前向きが見た後ろ姿

面と向かっての声援に後ずさり
これから向かう先を遮られ
その一歩が結果を左右した

10センチの怖さが道に迷う
1秒の焦りが判断を変える
その先はいつも未来

いつも見ていたい後ろ姿

泣いているのかもしれない
悔しさに息をつめ
それでも前を向こうと頬を叩く

背中は押せないけど
声援は送れないけど
見つめる未来の中に見つけた

七十七番

2021-10-30 | 順番
今日の出来事を思い出しながら
気付いてしまった手本の清書

書き順を間違わない様に
跳ねるところ止めるところ
見た目の重視とバランスの良さ
精神統一の極意まで

すべてに未を付けた所で
繰り返される悲劇と成長
明日があるからこの先があるはずと
これまた未定の見果てぬ夢でも

大丈夫さと呪文をかけて
万の神に祈りを捧げ
唯一無二の存在を武器に
ミクロの土台で今日を作る




七十六番

2021-10-29 | 順番
もうすぐだからいい人になる

避けて通れるなら遠回りもした
見ない振りして歩数を数えた
逃げている訳じゃなく
慎重にその時を待つつもりで

言い訳は自分をもろくした
薄い嘘が本当を蝕んでも
磨き直した秘密の箱は
ばれないように人目を避けて

時間にしたらどれくらい
日数にしたらどれくらい
善と悪を分ける答えに
決まり事も順番も役には立たない

七十五番

2021-10-28 | 順番
最新のナビがあったなら
たどり着けるのだろうか

たった一日の温度差に
心まで疲れてしまうのに

時代遅れの最新技術が
錆びることなく動き続ける
永すぎる研修期間が
心まで大人にする

慎重な無邪気さが
地図のない場所で見つけたもの
緩やかなだらだら坂と
誰もいないケモノ道

どちらを選んで進んでも
知らずに終わる場所がある

七十四番

2021-10-27 | 順番
雨が手を繋ぎ形を変える
空と地上を結んだり
葉っぱの調べを奏でたり
絶え間なく水たまりを跳びはねる

傘が隠してくれたのが
泣き顔の愚かさだとしても
涙の痕を伝いながら
洗い流す恵みとしよう

向こうで出番を待っている
雲一枚の壁でさえ
優しく包む光があるから
傘を閉じて雨上がりを知る


七十三番

2021-10-26 | 順番
順番待ちのドキドキ感が
背中を押しても足を引っ張っても
10分後の立ち位置が
何処になるかは分からない

無駄に過ごした時間も集め
360度を描き切る

今考えてもいいことや
今思ってもいいことを
あれこれ悩む暇を見つけ
泡立つ心を押さえ込む

修業が足らないと嘆くより
今の自分を信じてみる
一番前で見えた景色は
これから始まる今だから


七十二番

2021-10-25 | 順番
横向きの笑顔

誰に向けられたものであっても
しあわせそうな頬の高さが好き

絵描き歌でなぞった様な一本線の笑い顔
単純な素直さが謎に包まれあくびした
昨日と今日の間違い探しが笑い話のオチになり
明日の始まりの言葉を模索する

決められなくてもいいんだよ
間違ったってかまわない
やり直す際どさと止める怖さの間には
崖っぷちに立たされた覚悟の力があるのだから

七十一番

2021-10-24 | 順番
10まで数える

鬼ごっこでもかくれんぼでも
ひとりだけ目をつむる
遊びという戦いの中にも
それぞれの役割がある

敵という肩書を付けるのは
自分自身の価値観であって
見た目や話し方や仕草など
些細な違和感でさえ悪になる

頭で解いた難問を
そのまま心に教えても
幼いままのやわらかさが
沈みながらもはね返す

ひとつふたつと数えながら
鬼の立場で目をつぶる



七十番

2021-10-23 | 順番
顔も洗わない

出直した方がいい場面で
吸い込んだ空気を
噛みしめて飲みこんで
分析しすぎた

クリアに澄み切った能力は
天然の100を知る威力で
余計なことに範囲を広げ
なぜかしら窮地に陥る

ポジティブに頑張りを認め
自己満足も素直に受け止めたら
サッパリと化粧を落とし
鏡に映る素顔と対面する


六十九番

2021-10-22 | 順番
嫌な事違う事

嫌だなと思ってもやらなくてはいけない
違うなと思っても従わなくてはいけない

この世を回すための決まりごとは数多く
生きるための手段もままならない

唯一
思うことは何処までも自由で
誰も傷つくことがないなら

嫌なことは結果オーライに誘ってみる
違うと思ったら反対側に回ってみる

案外
嫌と違うの重なる部分に
初めて見る景色がある