い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

百小節

2019-03-29 | レッスン
雲が背負った光の道が
無数に飛び散り地上に降りる

地中に眠る新芽を起こし
薄桃色の魔法をかける

数えきれない繰り返しの中で
いつでも初めてがあるのなら

その手でつかむ次の始まりは
すでに目の前で待っている


九十九小節

2019-03-27 | レッスン
明るくなった空は
淡い水色に染まる

春の温度が包む朝に
屋根の上に白が浮かぶ

夜の月光は透き通り
雲に隠れて光を閉じる

目に映る姿は
形を変え色を変えても

無限の空で
いつもそこにいる

九十八小節

2019-03-22 | レッスン
その瞬間は自分だけのものだから

何を言われようと
どう思われようと

すべては自分にある

こんなに明確に支配された今を

誰かのせいにする必要はなく
過ぎた時間を探す努力もいらない

ただ
成長した自分を認め
過去を味方につける

その先その次
自分だけの今は必ずあるのだから

九十六小節

2019-03-15 | レッスン
風の温度が香りを誘う
舞い上がる春のあけぼの
明日の予感を称えあう

上昇気分の眼差しは
開花の弾みに促され
地軸に寄り添い天を指す

さあ 今から
そう この時
目の前にある
自分を見つける

九十三小節

2019-03-07 | レッスン
結果が違う
過程が大事だと言われても
納得できない

そもそも始まりがいけなかったのか
どうにかなると片目をつぶったのか
あの言葉に惑わされたのか
柔らかな決意に居眠りしたのか

考えても過去には戻れないなら
違う道を探ってみる

反省と後悔は難問に見えても
無駄と言う言葉を正解にする


九十二小節

2019-03-05 | レッスン
草に乘る風の足音に誘われて
素足のまま飛び出せるなら

地球の重力をなだめ追い越し
時差に逆らう

磨かれたガラス越しには
そのままの景色が映るのに
反射の影が本当を隠してる

見破る力はないけれど
恐れず見つめた先にあるもの

連写のメモリで保存した


九十一小節

2019-03-03 | レッスン
春の匂いを誘いに来た風が

灰色の冷たい粒に捕まった

太陽の光にも負けない温度差に

凍える指先が泣いている

どうしたの?
ここにおいで
話をしよう

拭う滴が溶かした冬は
せせらぎになって流れて行くから