い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

百十五小節

2019-04-30 | レッスン
雨粒が線になりその先を消していく

洗われた空気を吸い込んでため息を生む

どうしたかったんだろう
どうすればいいのだろう

ひとつの答えに辿り着く前に

分かれ道で迷い
後ろ姿を見失い
汚れを払う手のひらに
血がにじむ

それでも
立ち上がる100センチ上の世界は
いつでもそこにある
いつまでも待っている

百十三小節

2019-04-24 | レッスン
心が動かない時
無理やり理由を探してみる

朝だよの合図が無い日
灰色の空のせいにした
忘れたしまった明け方の夢を
思い出すふりをして
無駄な時間の中にいた

追い越す努力も
置いて行く冷たさも無く
漂う流れの確かさだけが
積もる孤独を包むまで

百十二小節

2019-04-21 | レッスン
春の日差しが輪を作る
黒髪の冠光に揺れて
見つめる視線が
桜色に染まる

四季の神様
あけぼののうたた寝
まぼろしの夢さえ
優しくほほ笑む

平行線の等しい距離さえ
手を伸ばせば届くかもしれない

百十一小節

2019-04-19 | レッスン
見つけてしまった夢の続き

風に乗る綿毛のダンスに見とれ

初めての景色に触れた

水彩の幻より可憐な世界で

透き通るしぶきと
引力の挑戦

力強さは痛みを伴い
孤独は感謝を育む

見つけてしまった今の続き

同じ時の流れの中
呼吸のリズムが交差する

百十小節

2019-04-18 | レッスン
自由と言う言葉の意味さえ知らずに

我儘を我慢の衣で覆い隠す

北風に耐え熱い涙で濡れようが

立ち止まる事無く歩いてた

幸せと不幸の割合が

運命も努力も超えて決まっていたとしても

過去を積んで昨日を乗り越え 今日に立つ


百九小節

2019-04-15 | レッスン
仲間を求めて集まる風が

行き止まりの中で渦巻く

自由の羽で飛び立つ瞬間を

渦の威力に引き込まれ

同じ流れに安堵する

ぶつかる角の平等を

見慣れた円でなぞっても

変わらぬ空間にハマるなら

上に向かって大空を目指せ

百七小節

2019-04-10 | レッスン
瓦屋根が透明な黒になる日は

約束通り過ごしましょう

白に溶けた甘いカフェで

湯気のベールに目を閉じる

部屋を満たす音符の中で

心躍るリズムに揺れる

そう それでいいのだと
最後のしずくが屋根に落ち
陽射しを導くしるしになった