急行[びんご2号] その2
この時の時刻表はないのですが、前々回の旅行の時に使ったと思われる昭和38年(1962年)8月号が出てきましたので掲載します。
一日か二日遅れて母と妹もやって来ました。家族揃っての帰省はあまり記憶になく、誰かの結婚式か法事でもあったのでしょう。
帰る日の前日、何に乗って帰ろうかと言う話になりました。時刻表は持って来ておらず、台所兼食堂の壁に張ってあった新聞の折り込みらしき「福山駅発車時刻表」を見ながら両親と時刻表オタクの私とで相談し、「びんご2号」に決めました。
帰りの日は運悪く中小私鉄のストライキと重なり駅へ行くバスが運休となったため、芦田川の対岸にある福塩線横尾駅まで歩かなくてはなりませんでした。今ではバイパス道路と化してひっきりなしに車が通る道も当時は時たま耕運機がのんびりと走る田舎道で、天気も良かったので歩くのも苦になりませんでした。荷物を持った両親はどうだったかはわかりませんが。
福塩線の電車は茶色に塗られた古い3両か4両の編成でした。バスのストライキもあって満員とまでは行かないものの、車内は立っている人も多く混雑していました。乗り込んだ車両は、京都駅で見かける同じ茶色の各停電車よりも長さが短く、ロングシートではなく快速電車と同じセミクロスシートだったのに少し興味を引かれました。