今日も損切り!徒然なる列車

損切続きの人生ですが、そんな事は忘れて鉄道旅や鉄道模型とかの話、日常生活での発見や思い浮かんだ話とか書いてみます。

31年前の北海道旅行52

2009-01-12 21:24:52 | 鉄道旅行
  山小屋には3時30分ごろ到着。だが、小屋の中は先客でいっぱい。仕方なく外で待つ。しばらくして、山小屋を出て行く10人ほどのパーティーがあり、空いたので小屋に入る。元々狭いところに50人近いメンバーが入ろうというのだから、上下二段になっているとはいえ、たちまち小屋は足の踏み場もなくなる。先客にはシュラフで寝ている者もいる。3合目で食ったにぎり飯の包みに残った一個をおかずのソーセージとともに食う。一個食うのがせいいっぱい。その後、4時前まで目をつむっている。
 4時前、あたりが明るくなってきたため出発。ただし、ここからはリーダーなしの自由行動である。我々の前には、さっきのうるさい東京のグループが名古屋の方の女と一緒にいる。小屋を出るとゆるやかな下りとなる。道は、石ころが転がっていないのだが、所々木の根が張り出しており、引っ掛けそうになる。明るくなってきたので電灯は使わなかった。とは言え足元はまだ薄暗く、電灯がないと危ないのだが。
  先ほどの小屋は、この利尻岳の中腹のこぶの様なものの上にあったので、下りの道も再び急な上りとなる。前にいる東京のグループのペースが遅いので追い抜く。木は低くなり腹ぐらいの高さのものばかり。道は火山性の軽石がごろごろした急坂で、まわりの木の幹、地面に突き出た岩石を持ちながら登らねばならない所が多くなる。そろそろ夜が明けそうなので、できれば頂上で御来光をと思い、Sを後にして登りだす。頂上はまだまだ上のほうにあるようだ。
  頂上に近づくにつれ大きな軽石は少なくなり、比較的細かい赤茶けた礫の道となる。こういう道はキャラバンシューズが威力を発揮する。どこか北海道の山野を歩いて見たいと思い履いて来たのだ。Sもズックで必死で後からやってくる。ところが、9合目ぐらいだろうか。眼下に宗谷の陸地が見えるが、陸地にかかる東の空の雲間からポッと真っ赤なものが顔を出した。それは次第に丸く大きくなる。私は、「日の出だ」と言って急いで写真を撮った。真っ赤な太陽は、その姿を見せてもすぐにはあのまぶしい光を発さなかった。しばらくの間、赤い姿をはっきりと我々に見せてくれている。