12の楽しみ!

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一つの秋

2015-10-10 09:46:00 | 随想
ここしばらく天気がいい!
秋晴れが続きあちこちで秋祭りや運動会が開催されている。

スポーツの秋、食欲の秋、仕事の秋・・・。
色々ありますがこの季節いつも思い起こす詩があります。

とても有名な中原中也の詩。


一つのメルヘン

秋の夜は、はるかの彼方に、
小石ばかりの、河原があって、
それに陽は、さらさらと
さらさらと射しているのでありました。

陽といっても、まるで珪石か何かのようで、
非常な個体の粉末のようで、
さればこそ、さらさらと
かすかな音を立ててもいるのでした。

さて小石の上に、今しも一つの蝶がとまり、
淡い、それでいてくっきりとした
影を落としているのでした。

やがてその蝶がみえなくなると、いつのまにか、
今迄流れてもいなかった川床に、水は
さらさらと、さらさらと流れているのでありました……


高校の教科書に載るので多くの人が一度は読んだことがある。
4つの部分に分かれているが自分が関心を持ったのは最初の2つ。

2つ目、『硅石か何かのようで』と言う『硅石』と言う単語に引っかかっていた。
砂と言う単語ならば身近なものになるが硅石って普通の生活ではピンとこないのが理由。

それが陶芸をするようになってとっても身近なモノになり
ホントに『さらさら』していると実感するのです。(笑)


そして1つ目は陽が『さらさらと射している』という表現。
秋の乾いた空気にさす日はまさにさらさらと言う音がぴったり。


その自分なりのイメージがこちら。




これが白壁や障子などに映るともっと風情がある。
今回は残念ながら写真がない。




しかし最初の2つは自然を詩的に描写した部分。
水の少なくなった石の多い川原で秋の日が射せばまったく同じような情景があり
すんなりとそれこそ自然に理解できた。


核心は残り2つの部分。
ここがメルヘンたるところだと思うのだが難しい、分からないということになる。
詩の解説は色々あるのでそちらに任すとする。(笑)


どちらかと言うと理科的、自然好きの自分はもうこの時期蝶はいないよなと思うので余計に難解になる。(笑)

それでも前半部分だけでも魅力があり、ずっと記憶に残るのだからすごい詩である。


硅石たっぷりのすりガラス越しに秋の日が射すとその影と相まって・・・







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