川塵録

『インテグリティ ーコンプライアンスを超える組織論』重版出来!

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フランクル本も最初は売れなかった

2024年08月30日 | 社会・時事など
世界的ベストセラーの『夜と霧』。

いや。

「世界的ベストセラー」なんて陳腐な形容をしてはいけない。

人類の遺産。
人類の古典。
人類の財産。

不朽の名作。
空前にして絶後。
永遠の古典。

いくらでも形容しようがある。
今後300年、いや500年、いや1000年、色褪せない。

それくらい価値のあるのが、『夜と霧』。
日本人が書いたどの文学よりも、永続性がある。
日本語で書かれたどの文字よりも、世界史的に、人類史的に、意義がある。

そんな「人類の古典」の『夜と霧』も、最初は、売れなかった。

著者のフランクルが自腹で買い取って、余りが、断裁された。

いい。

こういう歴史を知るのが、いい。

ある時代の、ある場所における「真実」は、別の時代の、別の場所では、「真実」ではない。

今の時代で「当然」と思われていることが、歴史的、空間的に広げて考えて見ると、全く「当然」ではない。

まさに、最近話題になった映画『関心領域 The zone of interest』で取り上げられていた、モチーフ。

ナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺の、あの当時、あれが「正義」だった。

あの時代の、あの地域では、あれが「正義」だった。

しかし。

80年後の今。

「正義」どころか、「人非人」「極悪」「醜悪」「人でなし」…

いくらでも形容しようがある。

対岸の火事ではない。

今の令和日本の「正義」が、80年後、30年後、果たして本当に「正義」であり続けるのか。

そういう「空間的」「歴史的」な広い視野を持つ。

それが「知」ということでしょう。



 
『夜と霧』を分析した、この勝田茅生さんの以下の本、かなりオススメです。


 
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