【執筆コラムから抜粋】
消極的なカルチャーが不正の原因
最近の組織的な不正につき、多くの調査報告書を読んだりして主原因を調べたところ、以下の2つが主原因であることが分かりました。
- 誤った正当化
- 消極的なカルチャー
の2つです。
1 誤った正当化
この「誤った正当化」は、要するに「下手な・醜い言い訳」です。
どんな事例でも不正の必要性・根本的な動機はあり、それは要するに売上を立てたいということです。ゼニカネを儲けたいということです。
その動機があるから、下手な言い訳をこしらえるのです。
ただ、営利企業では多かれ少なかれ営利の動機はあるため、私は殊更にその「誤った正当化」要因を責めようとは思いません。
問題は、なぜそのような「醜い言い訳」を許したかということです。
2 消極的なカルチャー
醜い言い訳を許した原因が、②消極的なカルチャーです。
上記表の最右列に列挙したような、「消極的」「自己中心的」「閉鎖的」「同質的・閉鎖的・硬直的で昭和的」な風土です。
フジテレビの事案では、シニアな男性ばかりの経営層が「オールド・ボーイズ・クラブ」(OBC)という言葉を用いて、旧態依然の「昭和的」という言葉で批判されました。
昭和が終わって36年経ちますが、調査報告書のようなシリアスな文書で、ネガティブな意味で「昭和的」という表現が使われたのは初めてではないでしょうか。
昨年からJTC(Japanese Traditional Company)という言葉が使われ、「伝統的な日本企業」の消極的で官僚的な姿勢が批判されるようになりました。
そのうち、オールド・ボーイズ・クラブを表す「OBC」も使われるようになるでしょう。政界もOBCですね。
私は、JTCのOBCの昭和的な風土を打開するために、10年くらい前から白スーツを着ています。
みなさまも、JTCのOBCの昭和的な風土を打開するために、何か始めませんか。
OBCが作る昭和的で消極的なカルチャーを変えるために、現在拙著『インテグリティ』の続編にあたる、『インテグリティが浸透するコンプライアンス・カルチャーの創り方』という本を執筆中です。
ご期待下さい。