札幌農学校時代からの友人・ライバルの新渡戸稲造と内村鑑三の対比は、とても興味深い。
新渡戸稲造は記録に残り、内村鑑三は記憶に残る。
国際連盟事務次長、帝大教授、一高校長、『武士道』が世界的ベストセラー、修養本をたくさん書いて、お札にも載った新渡戸は、功成り名を遂げた。
本も売れて、アメリカ人の奥さんとも仲良く暮らして幸せに死んだのですよね。
一方、内村鑑三は、妻や娘に死なれたり、弟子には怖がられ、貧窮のときもあり、不敬事件で干されたり、無教会主義で既存キリスト教からは異端視され、、、現世では必ずしも「幸せ」とはいえなかった。
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でも100年経ってどうか。
※ 今年は新渡戸没後92年、内村没後95年。
今は新渡戸を慕う人は少なく、内村を尊敬する人はとても多い。
新渡戸の研究本よりも、内村の研究本の方が、圧倒的に多い。
社会に貢献した新渡戸と、
精神に貢献した内村。
記録に残った新渡戸と、
記憶に残った内村。
人格者だった新渡戸と、
人格者であることを拒否した内村。
そんな鮮やかな対比ができると思いますがいかがでしょうか。
そしてこういう対比ができるとして、みなさんは新渡戸の道と、内村の道の、どちらに進もうと思いますか。
※ 弟子筋の矢内原忠雄さんが2人を書いている。読まねば。