半年前に執行草舟(しぎょう・そうしゅう)さんの一連の著作に出逢った。関連本を30冊近く全部読んだ(紙だけで25冊、冒頭画像)。
クリスマスに彼に会いにも行った。こちら
それで受け取ったのが「欲はヨコ」。縦(精神)と横(世俗・物質)に分けて考えると、欲はすべて唾棄すべき、警戒すべき、ヨコ。
こちら(縦と横)
執行草舟さんは「急ぐのもヨコ」とまで仰る。けっして急ぐな、と。
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その執行草舟さんの影響を受けて、性欲もヨコだよな、と改めて思う。肉欲・物欲・物質・世俗の象徴が、性欲。ヨコの象徴が性欲と言える。
『フランクリン自伝』で「健康のためなら性交してよろしい」と書いてある。
これを自分に都合よく、「そうか、性欲が嵩じて気が狂いそうになったら性欲を発散していいのか」と解釈してきた、惰弱な私、、、
違う。
フランクリンより執行草舟を信じよ。
日々の性欲との戦いは、自分の弱い心との戦いという人生一般を象徴する。
だから吉田松陰は一生、不犯(童貞)で頑張っていたのかもしれない。
宮沢賢治も一生童貞だった。性欲を抑えるために野原を歩いた的な日記も残している。
性欲との戦いは人生における戦いを象徴する。
そう思うだけで、日々の生活に変化が生じます。変化の具体的内容はまたおって。
ベンジャミン・フランクリンはアメリカの父。最高額紙幣の100ドル紙幣の顔。
その自伝『フランクリン自伝』は、世界の自伝で最も売れた自伝では。
勤勉、倹約などの13の徳目を、リストにして、毎日埋めていくみたいな、道徳修練法。
先日も、たしか日経の書評(賢人の読書)みたいな欄で紹介されていた。
なかでも、性欲処理が印象に残っている。
成功は、子作りか、健康のためだけにするべし。
この「健康のため」ってのが曲者。
健康のためなら性欲を発散していいのか。
性欲が嵩じすぎてなんだか不健康だなと思ったら、性欲を発散していいのか。
このフランクリンの「健康のため」を拡大解釈して、好き放題に性欲を発散する人は、、、いないか。
禁欲の代名詞のようなフランクリン。マックス・ウェーバー『プロテスタントの倫理と資本主義精神』でもフランクリンは禁欲の代名詞として登場する。
禁欲の代名詞のフランクリンも、「健康のため」の性欲処理を認めた。
そう拡大解釈して、私も誘惑に負けたことがあったことを告白する。
日暮れて道遠し。
昔、雇っているスタッフに
私に寄り添ってくれないんですか
的に言われたことがある。
社長(法律事務所代表)の私は
(私はキミの感情の奴隷にはならないよ、、)
って思った。そう口には出していない。
社長は社員の感情の奴隷になってはいけない。
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家庭で、配偶者が不機嫌になって、
(私はキミの感情の奴隷ではないよ、、、)
って心の声を叫ぶ方も多かろう。
いや、ここは家庭だ。会社ではない。
配偶者の感情の奴隷になる。
そんなことがあってもいい。
自分で選んだ配偶者なんだから。
(常に奴隷になっていいかは程度問題)
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「寄り添う」のと、「感情の奴隷になる」の線引きは、かくも難しい。
執行草舟を読んで、欲ってヨコだなと。
欲、欲望、性欲、肉欲、食欲、金銭欲、名誉欲、睡眠欲、、、
およそ「欲」と名の付くものは、ことごとく「ヨコ」すなわち世俗的な誘惑。
って考えて、私も私自身の性欲との向き合い方も、齢50にして、変えている。
どう変えたかはさすがにプライベートなので決して言いませんが、そうやって思春期以来に35年ぶりに性欲と格闘し直している中で、思う。
男の方が性欲という誘惑に強く晒されている
のでは、と。
男の方が女より性欲が強いのだとすれば(私が体験する限りでは、そう思う。自分の性欲と、交際してきた女性のそれとを比較すると、、)、男の方が多く女性より誘惑に晒されている。
もちろん男より性欲強い女もいますから、「女より男の方が」的に一般的に性欲の大小を言うことはできない。ChatGPTもそう回答する。
それは分かっていますが、男性の身体が一日に1,500億個(一秒に1,500個)精子を製造し、女性は一月に一つしか卵子を製造しないことからしても、また、何より私の体験からも、女性より男性の方が性欲が強そう。
そうだとすると、男性は女性より、欲望との戦いに日々多く悩まされている。多くの試練を与えられている。
そんな言い方もできるのかもしれない。
今まで何度も欲望に屈服しておいて、何を偉そうに、ってことなんですが、こう思い至ったのは初めてなので、取り急ぎ記録しておく。
カジュアルな身の回りのことで恐縮です。
でもすっごく嬉しいことがあったので、備忘のため。
妻が乗るクルマのメンテナンスを私が担当していたのですが、私がメンテナンス方法を忘れていて、次男が受験の直前の、めっちゃセンシティブな時期なのに、ちょっと家族に迷惑をかけてしまった。
オレの責任で迷惑をかけてしまって… って自責モンスターになって、私には珍しく凹んでいたら、妻も全く私に他責せず、
人生っていろんなことがあるからおもしろいね!
って、、、
うう、、結婚して15年、一番嬉しい言葉かも。
他責しないって美しい。
今読んでいる、袴田巖さんの「世界一の姉」秀子さんも、他責しない。
警察・検察が、証拠を偽造・捏造したって裁判所に認定されている。
それで愛する弟の巖さんが48年も収監されていて、58年ぶりに雪冤して、無罪に。
でも姉の秀子さんは、けっして検察を責めたりせず、「まぁ彼らにも立場がありますから」的に、あっけらかんとしている。
神か。
そんな秀子さんの「どうってことないよ」ウィルスに感染しつつあるんですが、、
妻は秀子さんのことをしらないのに、自責ウィルスを持っているかのように、私を励ましてくれる。
これからも、自責ウィルスを蔓延させるように頑張る。
不犯というのは童貞ということ。
歴史上、童貞で死んだ二大偉人は、吉田松陰と宮沢賢治。
- 吉田松蔭29歳、
- 宮沢賢治37歳。
宮沢賢治の場合、童貞として性欲を浪費しなかった(懸命に自慰も我慢していた)そのエネルギーを、妹トシとの、官能的とも言える関係に昇華させた。
私も、齢50歳にして、執行草舟の本を読んでいると、吉田松陰とか宮沢賢治的な、欲望に対して抑制的になった自分に気づいた。
そのため、その私のリビドーが、家族への愛情に向かったように感じている。
歴史に残る人も、性欲を抑制することで、マグマのように溜まりに溜まった衝動を、革命的な行動とか、ほとばしる詩情とか、驚天動地の思想とかに、昇華させ、爆発させてていたのでしょう。
伊達政宗の名言
「朝夕の食事旨からずとも褒めて食うべし」
ここから我々が学ぶべきは
「不機嫌な妻ムカつけども好きと言うべし」
じゃないか。似たようなことはずっと(20年くらい)考えてきたけど、今日ようやく言語化できた。
実際の夫婦生活では、「好き」ではなく「いつもありがとう」という感謝の言葉で表れます。
今日は妻がご機嫌なのでこんなこと書けます(笑)
克己修養とは要するにやせ我慢です。
妻に花を贈れ。
物理的な、花でなく。
夫婦の細かい諍いにおいて。
常に、妻に花を持たせよ。
花を贈れ。
物理的な花ばかりではなく。
妻を立てよ。
妻に譲れ。
妻を崇めよ。
妻をおだてよ。
妻の機嫌を取れ。
妻にかしづけ。
妻に土下座せよ。
妻に屈服せよ。
それが男の度量であり、男の器量であり、男の痩せ我慢。
それが男の道である。
それが家庭を明るくし、それが世界を平和にする。
夫婦喧嘩の勝者は、先に謝った者である。
常に勝利せよ。
妻が不機嫌になったのは、お前のせい。
お前がもっと器量が良く、カッコよく、甲斐性があったら、妻は果たして不機嫌になったであろうか。
あの、うら若く、美しく、この世の幸せを一身に集めたような、あの輝かしい花嫁を、思い出せ。
あのエンジェルを、不機嫌にしたのは、お前のせいである。
全部お前のせい。
だから一歩引け。
引き下がるのでない。
引き上がれ。
妻より引き上がって、優しく、柔和に、英国紳士のように、ニコリと、花を差し出せ。
Grin and bear it.
妻に花を贈れ。
心の花を。
毎日、贈れ。いつも、贈れ。
※ サマセット・モームの名作『雨』の一節(冒頭画像)にインスピレーションをいただきました。
男が、女性に、上から目線で語ること。
ChatGPT:
「マンスプレイニング」の英語のスペルは “mansplaining” です。
単語の構成
• man(男性)
• explaining(説明する)
この2つの言葉が組み合わさり、「(主に男性が)相手を見下すような態度で不必要に説明すること」を意味する造語です。
〜〜〜
なんだか違和感。
上から目線は、男が女にしようと、女が男にしようと、よくない。
それをわざわざジェンダー差別の文脈に持って行く、、、
全くこのマンスプレイニング現象がないわけではなかろう。
ただ、濫用は避けたい。慎重に使いたい。
私の昔の知人弁護士とか、私の妻とか、とても匂いに敏感。
ひょっとして、、と思って、「女性の方が匂いに敏感なのか」をChatGPTに訊いたら:
~~~以下引用~~~
一般的に、女性は男性よりも匂いに対して敏感であると言われています。これは、主に生物学的および進化的な理由によるものです。以下にその詳細を説明します:
1. 生物学的要因
- 嗅覚受容体の違い:研究によると、女性は嗅覚に関連する受容体の数が多い可能性があり、これが匂いの識別能力の向上に寄与しているとされています。
- ホルモンの影響:女性の嗅覚は月経周期や妊娠によって変化することがあります。特に妊娠中は嗅覚が鋭敏になることが多いです。
- フェロモンの感知:女性は生殖や母性に関わるフェロモンの感知能力が進化的に発達している可能性があります。
2. 進化的な理由
- 母性の役割:進化の観点から見ると、母親が危険な物質や食べ物を嗅ぎ分ける能力は、子供の安全を守るために重要でした。このため、女性の嗅覚が鋭く進化したと考えられます。
- パートナー選び:一部の研究では、女性が匂いを使って遺伝的に相性の良いパートナーを選ぶ可能性が示唆されています。
3. 科学的な証拠
- 実験では、女性は男性よりも多くの匂いを区別できることが確認されています。また、女性の方が匂いの濃度が低い状態でも感知できる場合があります。
- 女性は、特に生物由来の匂い(例えば汗や体臭)に対して感受性が高いことがわかっています。
4. 文化的・心理的要因
- 社会的に、女性は男性よりも匂いに関して注意を向けられることが多く、この習慣や意識が感受性の違いに影響を与えている可能性もあります。
ただし、匂いの感受性は個人差が大きいため、すべての女性が男性より敏感というわけではありません。
~~~引用終わり~~~
だそうです! 私の予想があたっていた。
子どもに、ChatGPTがどういうものかを教えるのに、こんな質問を入力してみた。なかなか良い回答だったのでシェアします。
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Q:私の妻の機嫌をよくするにはどうすればよいでしょうか?
ChatGPTの回答:
奥様の機嫌を良くするためには、彼女が何に喜びを感じるか、リラックスできるかを考えるのがポイントです。以下のいくつかのアイデアが役立つかもしれません:
- 心のこもったサプライズ
小さなプレゼントや、彼女の好物を用意するなど、サプライズは喜ばれることが多いです。手紙やメッセージを添えるとさらに効果的です。 - 家事を積極的に手伝う
奥様が普段の家事や仕事で疲れている場合、掃除や洗濯などを手伝うと感謝されます。何気なく「今日はゆっくり休んでね」と伝えるのも良いかもしれません。 - デートの計画
日常生活の中に特別な時間を作るのも効果的です。映画に行く、彼女が好きなレストランに食事に行くなど、一緒に過ごす時間をあらかじめ計画しておくといいですね。 - 彼女の話に耳を傾ける
時にはただ話を聞くことが一番効果的です。相槌を打ちながらじっくりと話を聞いて、彼女の感情を尊重していることを伝えると信頼関係も深まります。 - 日常に感謝を伝える
「いつもありがとう」というシンプルな言葉が、何よりも効果があることがあります。
渋沢栄一は、女子教育にも執心だった。
最晩年の90歳くらいから、半年だけ、日本女子大の第3代学長を務めているし。こちら
一緒に「帰一協会」を立ち上げた初代学長・成瀬仁蔵との縁による。
ちなみにこの「帰一協会」ってのは、仏・儒・神・基のあらゆる宗教を一つにしちまおうって豪壮なプロジェクト。今の家庭連合(旧統一教会)がやろうとしていることと似ている。
しかし。
そんな渋沢栄一も、当時の男性一般に漏れず、男尊女卑だった。男尊女卑的な発言をしていた。
彼が妻妾同居させたり、下半身に品がなかったことはよく知られている。
のみならず、
「女子が生意気になっては困る」
「学問をして日本女性の美徳を損なうのではないか」
などと言っていたらしい(渋澤研究会、1999)。
以下の本の90頁。
いろいろ本を読むと、人間を複層的に理解できますね。。。