川塵録

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ヴィクトール・フランクルのロゴセラピー

2024年08月30日 | 人間心理・心理学
アウシュビッツに収容されたユダヤ人精神科医の、ヴィクトール・フランクル。

『夜と霧』で不朽の哲学者となった。

しかし。

彼の開発した「ロゴセラピー」(人生の意味を考えるカウンセリング)は、フランクルがアウシュビッツに収容される前から、開発していた。

このロゴセラピーの「ロゴ」ってのは、ロゴスつまり「意味」のこと。

フランクルは、心理学の巨匠のフロイトやアドラーから旅立って、自らのセラピーを開発して、著書の草稿まで作っていた。

その草稿は、収容所で取り上げられて、戦後に書き直した。

そのロゴセラピーは、端的に言うと、「コペルニクス的転回」。

彼自身も、コペルニクス的転回という言葉を使っていた。




子供から大人になるためには、コペルニクス的転回が必要。


人生に意味を求めるのではなく、
自分が、人生に、意味を与える。

天動説ではなく、地動説。


自分は、地球。
意味が、太陽。


太陽が自分に意味を与えてくれるのではない。
自分が太陽に(人生に)意味を与える。


受身的ではなく、能動的に。
他責的ではなく、自責的に。


自分が人生に対して何をできるのか。
自分が人生に何を与えることができるのか。

毎日、我々は、我々の人生に、「意味を与えて」いる。

その一挙手一投足に、人生の意味がある。
その刹那の一呼吸に、人生の意味を与える。

それが、フランクルの言う、「コペルニクス的転回」。


我々が人生の意味を尋ねるのではない。
我々はいつも、人生の意味を問われている。

その表情でいいのか。
その姿勢でいいのか。
その言葉でいいのか。
その行動でいいのか。

それがお前の人生の意味なのか。


私たちは常に人生から何かを期待されている。
人生が私たちから何かを期待している。

その「期待」に答えるのが、我々の人生。
その「期待」に答えるのが、我々の人生の意味。


人生にそうやって意味を与えていくから、意味があると思うから、我々は生きることができる。
母や妻と別れて、収容所の孤独で、そうやって、フランクルは自殺への誘惑を断ち切った。

人生に、自ら能動的に意味を与えることで、自殺から免れた。


そんなフランクルは、とっても宗教的だった。
敬虔なユダヤ教徒だった。

後にクリスチャンと再婚して、物議を醸したのですが。

ーーーーーー

大人になるってことは、人生に意味を与えること。

大人になるってことは、他責しないこと。自責すること。

私はフランクルからそう受け取っています。

他責ばっかりしている「お子様」の方は、自責する「大人」になるために、フランクルを読むといいと思います! 


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