山梨のワインのブログ

山梨の酒屋の4代目が、ワインを中心に、山梨の酒を、愛を込めて書き溜めます。

いいちこ 西の星パックの話

2020-02-04 10:44:01 | お酒の話(ワイン以外)

一升瓶ワインバカの私が、「いいちこ」の西の星の話をしますが、実は「いいちこ」と一升瓶ワインは共通の問題があります。

こちらはご存知、いいちこパックの20度、1.8ℓです。

いいちこは、麦焼酎で最も売れるブランド。

麦焼酎は、いいちこと二階堂が2強。

二階堂はパック焼酎を発売していないので、家庭用はいいちこが圧倒的です。

20度と25度の2種類が発売させていますが、売れ行きは3割7割で、25度の方が売れます。

麦焼酎や芋焼酎の本格焼酎は、以前25度しかなかったのですが、健康志向で20度もよく売れるようになりました。

そして、いいちこ製造の西の星のパックです。

こちらは、20度しか発売していません。

25度の方が売れるのに、20度しか発売していない?

不思議ですね。

訳がありそうです。

ブランド名の西の星は、麦の名前です。

美味しい麦焼酎の為に、産官共同で開発された大麦とのこと。

いいちこと西の星は、同じ価格です。

いいちこの原料は、ほとんど(多分100%。)外国産です。

カナダ産、オーストラリア産などでしょうか。

以前、いいちこはHPでその点を公表していました。

いいちこは、大分麦焼酎で、下町のナポレオンですね。

大分麦焼酎ですが、麦は外国産。

つらいところです。

日本の麦は高い、少ない。

さらに、日本製の麦で麦焼酎を作っても、美味しくないかも。

でも大分麦焼酎なので、地元の麦を使った焼酎が欲しい。

それが西の星です。

無名です。

宣伝を見たことが無い。

多分、量が少ない。さらに麦の価格も高い。

だから、20度しか作れない。

みなさん、どう思いますか。

美味しければ、原料は外国でも良い。

いや、麦焼酎は日本伝統のものなので、国産の麦100%にするべきだ。

この話は、日本のワインの話でもあるのです。

山梨は葡萄の産地なので、ワインの原料は、県内産100%であるべきだ、という議論は、ずっと続いています。

今の風潮は、外国産の葡萄を使っているワインは、認めない傾向です。

そのため、ワインの価格は上がっています。

将来はもっと上がるでしょう。

このままでは、山梨のワインを飲む人は、所得の高い方のみ、または贈答品だけになります。

1億人も人がいるので、所得の高い方のみ相手にしていても成り立つかもしれません。

でもその世界は、今の山梨のワインの現状とは、まったく異なるものになっていると思います。

30年間、山梨のワインを売っている私も、正しい意見が判りません。

西の星は、いろいろと考えさせる焼酎です。

 


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