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宅建・行政書士受験講座と資格勉強法
(主催:武井アカデミー)

不動産の登記には対抗力があるだけで、公信力はありません。

2012-11-02 07:20:10 | Weblog
生徒からの質問あり、

「登記には公信力がない」とは、どういう意味ですか。登記簿を信じて不動産を買っても所有権を取得できないならば、不動産を買おうとする者はどうすればよいのですか。


講師:回答

●不動産の登記には対抗力があるだけで、公信力はありません。

公信力とは、たとえ真実の権利関係とは異なる公示が存在したとしても、
その公示を信頼して取引した者には、公示通りの権利状態があったのと同様の保護を与える力のことです。
「登記には公信力がない」とは、
不動産に関する権利関係を登記してある登記簿を見ただけで不動産を買ったとしても、その所有権を取得できるとは限らないことをいいます。

これは、次の理由からです。

(1)土地や建物という不動産は、動産(不動産以外のもの)と異なり、一般に財産的価値が大きいので、取引関係に入った者の保護(「取引安全の保護」とか「動的安全の保護」といいます)よりも、真実の所有者等の権利者の保護(「静的安全の保護」といいます)を重視すべきですし、

(2)我が国の登記制度では、登記官には申請された登記の内容が真実の権利関係を反映しているかどうかを審査する権限がありませんから、
もしも「登記に公信力がある」とするならば、
あまりにも真実の権利者の保護に欠けることになってしまうからです。
 そこで不動産を買おうとする者は、
取引に際して登記簿を調べるだけでなく、
その不動産の存在する現場に行って、
自分の目で見たり周囲の住民に聞いて確かめる等をする必要があります。






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