証券化住宅ローンの今後の課題と展望
第1節 流通市場の整備
(1)不動産投資市場の形成
わが国の不動産投資市場は不動産証券化を進める上で、十分に整備されているとはいえないのである。飛行機産業を発展させたくとも、飛行場が十分に整備されていない状態であるといっても過言ではないのである。その点を指摘した松村徹・篠原二三夫・岡正規(2005年)によれば、「不動産の証券化が注目され具体的なストラクチャーが検討される過程において、先行する米国の考え方や実務を日本の事例に適合させようとした結果、日本の不動産市場では近代的な投資市場として必要な条件が整備されてないことが明らかになった」と述べられている。
すなわち、金融資本市場に参加している外資系投資銀行および株式 債券等々の金融商品に投資する一般投資家においては、日本の「不動産市場」は、透明性、流動性、多様性に劣り、金融資本市場とはまったく異質な市場なのである。
例えば、松村徹・篠原二三夫・岡正規(2005年)によれば、によれば、「地価や賃料など市場実態や物件の現況を正確に把握できるデータや情報が整備されていない。オフィスビルの賃貸借期間が短く将来の収益確定が難しい。不動産税制が頻繁に変更されるなど市場の透明性の低さが証券化組成上の問題となる」として指摘されている。
松村徹・篠原二三夫・岡正規(2007年)は、「もともと、不動産は売却が簡単にできない資産だが、取引抑制的な不動産税制、コーポレート・ファイナンス中心の融資制度、抵当権や短期賃貸借権など不動産に設定される権利関係の複雑さも不動産の流動性を阻害しており、証券化コストを引上げたり、出口戦略を難しくしている」と述べている。
このような不透明性と流動性の低さは、一般の投資家または、不動産取引の経験のない投資家にとっては、かなり大きなリスクであり、取引の障害でもある。
第1節 流通市場の整備
(1)不動産投資市場の形成
わが国の不動産投資市場は不動産証券化を進める上で、十分に整備されているとはいえないのである。飛行機産業を発展させたくとも、飛行場が十分に整備されていない状態であるといっても過言ではないのである。その点を指摘した松村徹・篠原二三夫・岡正規(2005年)によれば、「不動産の証券化が注目され具体的なストラクチャーが検討される過程において、先行する米国の考え方や実務を日本の事例に適合させようとした結果、日本の不動産市場では近代的な投資市場として必要な条件が整備されてないことが明らかになった」と述べられている。
すなわち、金融資本市場に参加している外資系投資銀行および株式 債券等々の金融商品に投資する一般投資家においては、日本の「不動産市場」は、透明性、流動性、多様性に劣り、金融資本市場とはまったく異質な市場なのである。
例えば、松村徹・篠原二三夫・岡正規(2005年)によれば、によれば、「地価や賃料など市場実態や物件の現況を正確に把握できるデータや情報が整備されていない。オフィスビルの賃貸借期間が短く将来の収益確定が難しい。不動産税制が頻繁に変更されるなど市場の透明性の低さが証券化組成上の問題となる」として指摘されている。
松村徹・篠原二三夫・岡正規(2007年)は、「もともと、不動産は売却が簡単にできない資産だが、取引抑制的な不動産税制、コーポレート・ファイナンス中心の融資制度、抵当権や短期賃貸借権など不動産に設定される権利関係の複雑さも不動産の流動性を阻害しており、証券化コストを引上げたり、出口戦略を難しくしている」と述べている。
このような不透明性と流動性の低さは、一般の投資家または、不動産取引の経験のない投資家にとっては、かなり大きなリスクであり、取引の障害でもある。