生きる力になれば

ペンネーム良寛地蔵。70代のブログです。言葉で生きる力になればと綴って15年が過ぎました。

忍び恋

2019-02-02 03:30:08 | 日々の暮らし

もう2月ですね。 春近くなるといつも思い出すのです。 平安時代末期の皇女 式子内親王(しきしないしんのう)を。 詳しくは知らないが、政変で山深い小さな庵に幽閉され長い闘病の末に53歳で永眠した。 藤原定家と恋愛関係にあったという。 「山深み 春とも知らぬ 松の戸に 絶え絶えかかる 雪の玉水」 山が深いので、春になったこともわからないでいる。   粗末な松の戸にとぎれとぎれに落ちかかる雪どけの玉のような美しい水よ。 外に出ることができないので雪どけの音で春を知る。 この句にいつも心が 締め付けられて忘れることが出来ないのです。 百人一首に定家が選んだ彼女の句があります。 「玉の緒よ 絶えなば絶えぬ 長らへば 忍ぶることの 弱りもぞする」 私の命よ。 絶えてしまうなら いっそ絶えてしまえ。 もしこのまま生き長らえるなら、心に秘めて耐え忍ぶ気力が弱ってしまいそうだ。 そうなると、秘めてきた恋が外に現れてしまうかもしれない。 それでは困るから。 なんと情熱的な女性だったのでしょうか。 私は外に出て、 梅の満開を知り、 桜の咲くのも味わえる。 それだけで、幸せに感謝しなくてはと。 今日の佳き日に         合掌

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