生きる力になれば

ペンネーム良寛地蔵。70代のブログです。言葉で生きる力になればと綴って15年が過ぎました。

音を観る力

2018-11-16 03:53:40 | 日々の暮らし
音は聞くもので、見るものではない。
そう思っていませんか。

そのような、とらわれた概念から離れてみると、音は見えてくるものです。

私はまだ見えるまでの悟りはありませんが、感じることがあります。

海やプールで潜って泳いでいると、水のささやく音を感じることがあります。

アメリカの宇宙飛行士が講演会で、月の裏側に行った時、神秘的な音を感じたと述べていました。

聞こえるはずがない音を聞く、感じる、それを見るのでなく観る。

そんなことを考えていたら、観音菩薩も音を観る仏様と書きます。

人には音を観る能力があるのかもしれません。


音を観るという話に
江戸時代に千利休の孫に千宗旦(せんのそうたん)がいました。

自分の子供たちを分家させて、表千家、裏千家、武者小路千家を作った人です。

宗旦の所に仲良しの京都の安居院(あぐいん)の住職が珍しく咲いた椿の小枝を小僧に届けさせました。

所が小僧はつまずいて転んでしまい、花が落ちてしまいました。

宗旦はその枝と落ちた椿を使って生けました。

それを、見せたいからと小僧に住職に来て欲しいと伝言しました。

楽しみにやって来た住職は生けた小枝の下に椿の花を置いてあるのを見て

いまポトリと落ちた音を観ました。

と言って感動したそうです。

二人には


音が観えるのです。


これから、椿の落ちる

音は

ポトリ。

牡丹が落ちる音は

ボタン。

といわれるようになったといいます。

また、音について


「隻手(片手)の音声(せきしゅのおんじょう)」
という教えがあります。
欧米人にもよく知られています。  

『両手を打てば音がするが、片手では音は出ない。

片手の音をどのように聞くか、

音のない音は

私達それぞれが自らの経験から生み出すもので、自らの肌でしか感じとることができません。』
 (白隠禅師)

この意味は自らの心の耳を研ぎ澄ませ、本音を聞くことといわれています。

見えない音を観る

心の音(本音)を聞く。
古代の教えに何かを感じて頂けたらありがたく思います。

昨日は姉の見舞いに東京に行きました。
脳梗塞で右手右足麻痺と言葉を失いました。
私が誰か分からない。
じっと見ています。
声掛けても意味が分からないのでしょうか。
食事介助に口を開けて食べてくれました。

言葉が分からなくても、心が通じるものです。

合掌






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霧の中の道

2018-11-16 01:25:49 | 日々の暮らし
心理学か、宗教学か定かではないが


『雪の夜の旅人』とい

う物語を思い出した。

旅人が夜中に道に迷い

、雪の大地を歩いて

一軒の家にたどり着き

門を叩いた。

家の主は

こんな夜更けに、

誰だろう?

門を開けて旅人の歩い

て来た足跡を見て驚いた。

『あんたはよっぽど

運が強いお人じゃ』


『あそこは薄く氷がは

った所に雪が積もった

だけの底なし沼地なん

だ。』-

地元の人間は絶対に歩かないと驚いたという物語。


この物語のいわんとしたことの結論はなかったと思う。

それぞれが思い考える内容だった。


僕はこれを、人生と考えるとすると

旅人は僕達です

人生に迷い苦しみながら旅をしています。

やっと見つけた光明にたどり着いた。

回りは沼か崖かもしれなかったのに

落ちずに
歩いて来たのです。

光明に導かれたからか。

またそこが沼地と知っていた人は、

絶対に歩こうとしない。

例え後ろから狼がきたとしても、沼を回って行こうとするだろう。



しかし、人生は未知なのだから信じて歩いて行くしかない。

光明を頼りに。

光明がご先祖様だったり、

守護神だったり、


勇気を貰える

言葉だったりではないだろうかと考える。


僕も振り返れば、しっかりした大地を踏みしめて歩いて来た人生ではなかったし、これからも、悩み苦しみながら行くだろうから

気にしないで歩く事が
正解なのでしょう。


必ず導きの光が見えるものだ。

この物語は聖書にイエスキリストが湖を歩いていて、驚いている弟子たちにも歩いて来るように招いていた章があった。

それを題材にしたのかもしれない。

私なら、

旅人よ振り返って

ごらんなさい。

あなたが歩いて来た

道の霧が晴れてきたから。

旅人は振り返った。


深い谷を一本のロープが

揺れていた。


「人生とは霧の中の

ロープを渡るが如し」

神の導がないと不可能と気づくのです。

合掌
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