生きる力になれば

ペンネーム良寛地蔵。70代のブログです。言葉で生きる力になればと綴って15年が過ぎました。

別れの袖振り

2016-07-12 01:33:03 | 日々の暮らし
現代では別れの時は、

さようなら!

と手を振りますね。

しかし、万葉集を読んでいると、

万葉の頃は

袖(そで)振り

というようです。

「白波の

寄そる浜辺に

別れなば

いともすべなみ

八度(やたび)袖振る」

(大舎人部祢麻呂・おおとねりべのねまろ)

白い波が寄せる浜辺で別れてしまったら、

もうどうしようもない。
だから、何度も、何度も、何度も、何度も袖を振るのです。

栃木県足利市の大舎人というひとが、防人(さきもり)として九州に派遣されて旅に出る途中に詠んだ歌。

きっと恋しい人と、

いつ会えるか

分からない

別れの歌なのでしょう。

私どもの施設でも、親しい人達との別れが続くので、この気持ちが伝わって来ます。


万葉の頃の袖は、手よりも長い筒袖でした。


「袖を振る」とは、

人の魂を鎮(しず)め
たり、

親しい人に自分の

気持ちを伝えることが

できると信じられて

いたようです。

袖振り合う仲


というのでしょうか。

愛してるよ!

の気持ちが込められて

いたのでしょうね。


古典はロマンがあって


いいですね。


新たに旅立つ人に


頑張って!


と袖振りますよ。


合掌
コメント
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