Yoz Art Space

エッセイ・書・写真・水彩画などのワンダーランド
更新終了となった「Yoz Home Page」の後継サイトです

一日一書 13 春と修羅(序詩)

2013-02-26 17:23:43 | 一日一書

 

宮澤賢治「春と修羅」の「序詩」の冒頭部。

(半紙)

わたくしという現象は

仮定された有機交流電燈の

ひとつの青い照明です

(あらゆる透明な幽霊の複合体)

風景やみんなといっしょに

せはしくせはしく明滅しながら

いかにもたしかにともりつづける

因果交流電燈の

ひとつの青い照明です

この後に、50行ほど続く長い詩です。

賢治の詩は、童話に比べて、極めて難解で(童話もけっしてやさしいわけではありませんが)

意味するところをちゃんと説明することはできません。

言葉で説明できないからこそ、ぼくは何度も賢治の詩を授業などで朗読したり

自分でときどき唱えるように音読したりして味わってきました。

賢治の研究というよりは、単なる愛読者、それも極めて偏った愛読者にすぎませんが

「書」に表現することを覚えてから、朗読とはまた違った詩の味わい方を知ったような気がします。

この作品は、2009年の「第2回 書を楽しむ麗川会展」に出品したもの。

初めての詩文書の作品でした。

 

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 一日一書 12 色即是空 〈... | トップ | 一日一書 14 春と修羅(序... »
最新の画像もっと見る