「奥の細道」より
半紙
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玉田、よこ野、つゝじが岡はあせび咲(さく)ころ也。
日影ももらぬ松の林に入(いり)て、爰(ここ)を木の下と云(いふ)とぞ。
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「玉田」、「横野」は、歌枕で、いずれも仙台市の東北にある。
「つゝじが岡」は、宮城野原の東にある。
「あせび」が咲くのは春なので、ここでは実際に咲いているのではなく
この地にちなんだ歌に「あせび」が出てくることによる。
「木の下」も地名で、今の「仙台市若葉区木ノ下町」でしょう。
こんな地名が、「奥の細道」に出てくるなんて、いいですね。
地名は、歴史を背負っているので、勝手に変えて欲しくないものです。
「地名こそ文化」だと言うべきでしょう。
それなのに、それを守ろうともしない昨今の状況は、ほんとに嫌になります。
こんなエッセイを過去に書いたことがあります。
よろしかったらお読みください。
「100のエッセイ 第5期 46」「後で後悔するぞ」