イギリスのガーディアン紙は、ディーゼル車だけでなく、テレビでもフォルクスワーゲンのようなインチキが行われている疑いがあることを10月1日に伝えた。
Samsung TVs appear less energy efficient in real life than in tests
具体的には、互いに無関係の複数の検査機関がサムスンのテレビを検査した所、検査の時だけ通常の使用時よりもエネルギー消費量が少なくなることが確認されたという。そのため、そのテレビには製品テストを感知し、テストの時にだけ画面を暗くするなどの省エネモードが自動的に起動するようなプログラムがインストールされている疑いが持たれている。
これに対し、サムスン側は完全に否定しており、テスト時だけでなく実際の使用においても様々な種類の映像に応じて画面の明るさを調節し、エネルギー消費を抑えるようなシステムになっているからインチキはしておらず、フォルクスワーゲン車のインチキとは「比べ物にならない」と答えているらしい。
しかし、サムスン社のテレビを検査したComplianTVという試験機関は、現実的な使用環境を用いた1年前のテストで、エネルギー消費が減少しないことを発見した、と答えている。
ただ、仮にサムスンが製品テストを誤魔化すプログラムを本当にインストールしていたとしても、その行為自体は現行のEU制度のもとでは違法では無いらしい。そのため、EUの行政機関である欧州委員会は、疑いのあるケースをすべて調査するとともに、省エネ法制を厳しくすることで、そのような行為をテレビにかぎらず他の製品でも違法化していくことを約束しているという。
サムスン社の見解
テレビのメーカーが製品テストの時にインチキをしているのではないかという疑いは、複数のEU加盟国の監督機関から欧州委員会のもとに報告されたというが、上記のガーディアン紙の記事は、その一つがスウェーデンのエネルギー庁だったと報じている。スウェーデン・エネルギー庁は「(問題が疑われる)テレビに、EUで標準化された検査用映像を映したところ、画面の明るさが直ちに変化し、エネルギー消費が減少した」と、今年1月に欧州委員会に報告したという。しかし、報告書ではメーカー名は明記されておらず、報告の目的はむしろそのようなインチキ行為が製品テストでまかり通る可能性があるのに罰することができない現状の見直しを求めることだったようだ。
私はこの記事を読んだ時、スウェーデン・エネルギー庁が疑いを持ったテレビもサムスン製かと思っていたが、スウェーデンの今日の報道を見てみると、そうではないらしい。「サムスンではなく、別のメーカーのテレビだった」とエネルギー庁の職員が答えているからである。
エネルギー庁によると、昨年秋に複数のメーカーの製品を検査したところ、ある1社の生産するテレビにおいて異常が見つかり、今年の1月に欧州委員会に先述の通り報告したという。しかも、疑いが持たれたのはそのメーカーの2モデルであり、両方ともスウェーデンで一般的に流通しているという。ただ、このメーカーはサムスンではないという。
しかし、ガーディアン紙の記事でも書かれていたように、製品テストの時だけエネルギー消費を抑えるような行為そのものは現行制度のもとでは違法ではないため、エネルギー庁はそのメーカーがどこかを明かすことはできないらしい。(だから、ガーディアン紙がサムスン社の製品を記事で名指ししているのは、EUもしくは検査機関の内部筋によるリークなのではないだろうか?)
つまり、不正の疑いのあるメーカーはサムスン社以外にもあるということなのである。
スウェーデンの報道1
スウェーデンの報道2
Samsung TVs appear less energy efficient in real life than in tests
具体的には、互いに無関係の複数の検査機関がサムスンのテレビを検査した所、検査の時だけ通常の使用時よりもエネルギー消費量が少なくなることが確認されたという。そのため、そのテレビには製品テストを感知し、テストの時にだけ画面を暗くするなどの省エネモードが自動的に起動するようなプログラムがインストールされている疑いが持たれている。
これに対し、サムスン側は完全に否定しており、テスト時だけでなく実際の使用においても様々な種類の映像に応じて画面の明るさを調節し、エネルギー消費を抑えるようなシステムになっているからインチキはしておらず、フォルクスワーゲン車のインチキとは「比べ物にならない」と答えているらしい。
しかし、サムスン社のテレビを検査したComplianTVという試験機関は、現実的な使用環境を用いた1年前のテストで、エネルギー消費が減少しないことを発見した、と答えている。
ただ、仮にサムスンが製品テストを誤魔化すプログラムを本当にインストールしていたとしても、その行為自体は現行のEU制度のもとでは違法では無いらしい。そのため、EUの行政機関である欧州委員会は、疑いのあるケースをすべて調査するとともに、省エネ法制を厳しくすることで、そのような行為をテレビにかぎらず他の製品でも違法化していくことを約束しているという。
サムスン社の見解
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テレビのメーカーが製品テストの時にインチキをしているのではないかという疑いは、複数のEU加盟国の監督機関から欧州委員会のもとに報告されたというが、上記のガーディアン紙の記事は、その一つがスウェーデンのエネルギー庁だったと報じている。スウェーデン・エネルギー庁は「(問題が疑われる)テレビに、EUで標準化された検査用映像を映したところ、画面の明るさが直ちに変化し、エネルギー消費が減少した」と、今年1月に欧州委員会に報告したという。しかし、報告書ではメーカー名は明記されておらず、報告の目的はむしろそのようなインチキ行為が製品テストでまかり通る可能性があるのに罰することができない現状の見直しを求めることだったようだ。
私はこの記事を読んだ時、スウェーデン・エネルギー庁が疑いを持ったテレビもサムスン製かと思っていたが、スウェーデンの今日の報道を見てみると、そうではないらしい。「サムスンではなく、別のメーカーのテレビだった」とエネルギー庁の職員が答えているからである。
エネルギー庁によると、昨年秋に複数のメーカーの製品を検査したところ、ある1社の生産するテレビにおいて異常が見つかり、今年の1月に欧州委員会に先述の通り報告したという。しかも、疑いが持たれたのはそのメーカーの2モデルであり、両方ともスウェーデンで一般的に流通しているという。ただ、このメーカーはサムスンではないという。
しかし、ガーディアン紙の記事でも書かれていたように、製品テストの時だけエネルギー消費を抑えるような行為そのものは現行制度のもとでは違法ではないため、エネルギー庁はそのメーカーがどこかを明かすことはできないらしい。(だから、ガーディアン紙がサムスン社の製品を記事で名指ししているのは、EUもしくは検査機関の内部筋によるリークなのではないだろうか?)
つまり、不正の疑いのあるメーカーはサムスン社以外にもあるということなのである。
スウェーデンの報道1
スウェーデンの報道2