スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

妙なお節介!

2007-02-11 18:31:26 | スウェーデン・その他の社会
久しぶりに熱を出して寝込んでしまった。風邪を引くことなんてあまりなかったし、引いても微熱程度で済んでいたのに、今回のは思った以上に長引いた。この時期のスウェーデンの流行りはvinterkräkssjukanというウイルス性の腸感冒らしく、外から帰ったら手を洗おう、といろんな人が口にしているが、明らかにそれではなかった。

今一番忙しい時期なのに・・・! 反面、家で寝込んでいる間、滞っていたブログの更新ができる!と僅かながら期待したが甘かった。熱がドンドン上がり、一文字でも考えようものならすぐに頭痛が酷くなるという始末。かといって、食べることはせねばならず、うちからほんの数百メートル先にあるスーパーが遥か数キロ先にあるように思えて、「なんでスーパーの真上のアパートを選ばなかったのか?」とくだらない事を、熱の枕で何度も考えた。
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それはさておき、最近あった小ネタから。

ある停留所で路面電車を降りて、バスを待っているときのこと。ある母親が小さな二人の姉妹を連れて、同じくバスを待っていた。二人の姉妹は停留所の待合ブースの周りを駆けて「鬼ごっこ」をしていたのだけれど、ある時からなぜか、ブースから少し離れて立っていた私の周りで「鬼ごっこ」を続けたのだった。私には何だか可笑しくて笑えた。電柱のように扱われて、自分の周りで「鬼ごっこ」をされたことなんか、生まれてから一度もなかったから。

さて、こういう時、そばにいるお母さんはなんと言うのか…?
しばらくして横から母親のこんな声が聞こえてきた。
「あんたたち! やめなさい! そんなにクルクル回っていると、その人(私のこと)の目が回ってしまうでしょ!」

見っとも無いから、でもなし、その人に迷惑になるから、でもなし、その人の目が回ってしまうから、という妙なお節介を「やめなさい!」の理由付けにされたことに、これまた笑ってしまった。

マナーやエチケットといった「形式にこだわる」のではなく、目を回して困らせてしまうという「具体的・実際的な影響」に着目しているのは、いかにもスウェーデンらしい気がした。ちょっとした出来事なので、一般化しすぎてもしょうがないが、スウェーデン的なプラグマティズムはここにも現れているのかな?と思ったりした。

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2 コメント

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大丈夫ですか? (iwachi)
2007-02-19 10:57:21
風邪はもう治ったのですか?
でもゆっくりできるいい時間と考えて
有意義に(?)過ごしてくださいね。

かわいい光景ですね。私も自分を中心にして鬼ごっこされた経験はないかも、、、普通あんまりないよね!

そしてその母親のコメントもすてきだね!

日本ではよく、「みっともないからやめてちょうだい!」「お母さんに恥ずかし思いをさせないで!」「面倒をかけないで!」と子供をしかっている光景を目にします。

「叱り方」にも地域性/民族性/国民性がでるんだよね!と思いました。経済的な問題ももちろん関係していて、いろんな意味での「余裕」が例えば「叱り方」にもでてくるんだな!っと一人で納得してしまいました(^O^).
すてきな小話をありがとう。

体大事にしてね!
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Unknown (Yoshi)
2007-02-20 10:02:11
いつも「お体に気をつけて」なんて、言われると自分だけは大丈夫と過信しているのですが、いざ倒れてしまうと、健康丈夫のありがたさが身にしみて分かりました。

こちらの国じゃ、あまりしつけをしないらしく、子供が公の場で騒いでいても、親はあまり気にしないみたいです。

最初のうちはびっくりしたものです。
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