ジャカルタで行われているアジア大会のマラソン、昨日は男子マラソンが、今日は女子マラソンが行われた。昨日の男子マラソンが始まる前、私は姑息なことを考えたのだった。それはジャカルタの夏の暑さの中での大会である。2年後の東京オリンピックの開催時期と重なる。男子マラソンではその暑さを回避したのだろう、出場選手の少なさが目立ったのである。ならば、東京オリンピックでも、徹底的に東京の暑さを宣伝して、強力な選手の辞退を誘発させれば、自然、日本選手に有利になるのではないか。だが、ジャカルタでの日本選手の活躍に、自分の考えの姑息さを恥じたのである。男子の井上大仁選手が金メダル、女子は野上恵子選手が銀メダルを獲得したのである。特に、野上選手の闘志あふれる戦い方は、ついさっきまで続いていたことなので、感動が消えない。昨日の井上選手もそうだが、マラソンでは先頭に隠れるように走る選手に勝機は多い。だが、野上選手は違う。解説の高橋尚子さんがあきれるような戦い方をする。終始先頭に出ていき、自分の走りに徹するのである。そして、その走りについていけない選手たちが次々に脱落していく。涙が出るような快走であった。(2018.08.26)