アメリカのFRB議長ジェローム・パウエル氏が昨年の12月に行った基調演説では、「アメリカ経済は力強く、2019年も2回の利上げは正当化される。」と述べたのですが、昨年末から、今年初めの株価の暴落で、この発言がトランプ大統領からも批判されて、1月4日には「市場は世界経済を不安視しており、金融政策も柔軟に見直す必要がある。」と軌道修正しました。そして、30日のFOMCで、金融政策の現状維持を決め、利上げを見送ったのです。会合後の声明で、「政策金利の調整は忍耐強く行う。」と利上げペースを遅らせることを表明したのです。利上げと共に注目されていた保有資産の縮小についても、「経済活動や市場の動向に合わせて、調整する用意がある。」としました。これまで、FRBは市場の動向よりも、実体経済を重視してきたと思うのですが、ここにきて、トランプ大統領や市場、つまり巨大金融資本の意向も尊重するというスタンスに変え始めています。(1月31日)
Y-FP Office Japan
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