29日、スペインの画家パブロ・ピカソから寄贈され、9年前に所蔵先の国立美術館から盗まれた絵画「女の頭部」が回収されたそうだ。この絵画はギリシャが1941〜44年のナチス・ドイツ占領に抵抗したことに敬意を表し、ピカソが1949年に同国へ寄贈したものである。国立美術館で2012年、別の2つの絵画と一緒に盗まれていた。当局の発表によれば、絵画はアテネの南東約45キロの農村部にあるケラテアで見つかった。警察によると、建設作業員の男(49)が窃盗を自白したことで発見につながったようだ。男は当初、盗んだ絵画を自宅に隠していたが、最近になって地元の峡谷の草木の中に隠していたという。貴重な絵画が雑草の中に放置されていたのである。一緒に盗まれた2点のうち、オランダの画家ピエト・モンドリアンによる絵画も無事見つかったが、16世紀のイタリア人画家グリエルモ・カッチャの作品は盗難時に損傷し、捨てられたという。残念なことだ。それにしても、この窃盗犯は何のためにこの絵画を盗難したのだろう。通常なら、好事家に闇で売却するのだが、それもできなかったようだし、一人で、絵を見て楽しんでいた風情もない。この馬鹿な行為のために、一つの貴重な絵が損傷し、無くなってしまったのだ。無意味な窃盗である。(くちなし亭、2021.06.30)
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