私たちの社会は画期的なイノベーッションの時代を迎えようとしているようである。これまでのイノベーッションの多くは生産手段のイノベーッションであったが、これからしばらくの間は、生産者と消費者を直接的につなぐイノベーッションになるだろう。これまで、私たちの暮らしを支えるうえで、生産者と消費者との間にいてくれる人たちを必要とした。商店もそうだし、問屋やデーラーなど、様々な業種で、メーカーに代わる働きをしていたのである。そこには、商品に対する信用度も低かったし、安心して買えるお店の存在は私たちに必要だった。しかし、商品の信用度が高まり、むしろ、個人商店を通さずに、大型のスーパーなどで買った方が、鮮度もよく、最新の商品を、さらに言えば、より安価で手に入れられるようになったのである。だから、多くの街でシャッター街が生まれた。そして、代わりに大型のスーパーが人を集めていたのである。だが、未來は、その大型スーパーでさえ、不要なものとするかもしれないのである。保険業界や金融業界では、商品の質が劣化しないし、商品の配送の必要もないので、真っ先に、中間の代理店や生保のおばさんたちの人数が減少している。早晩、これらの職種では、自宅のパソコンで、すべてを済ます時代が来るかもしれない。商品の配送の必要な分野でも、このような傾向は強まっている。それは商品への信頼度が飛躍的に高まっているからである。もう、誰も、八百屋の店先で、真剣に、西瓜を叩いて、糖度を推定するなどはしない。機械が糖度を図ってくれるからである。(2015.7.31)