浅草にクジラ屋という店がある。クジラ肉を扱う店だ。日本はこれまで捕鯨に関して、IWC(国際捕鯨委員会)の規制の中にあったので、おいそれとクジラの肉を食べることができなかった。戦後の一時期、給食にも出た鯨肉は懐かしい。尾の身の脂肪分は酒のつまみのあう。先日、友人と入った店に、鯨肉の大和煮の缶詰が売っていて、思わず購入してしまった。おいしいとか、栄養になるとかという前に、何とも懐かしいのである。IWCが議論の場から捕鯨反対の場に変わって久しい。日本は幾度も科学的な根拠を示して、捕鯨再開を求めたが、捕鯨反対運動が牛肉販売など、利権と重なってなされている以上、話し合いの余地は無くなったのである。そして、日本は昨年末にIWCからの脱退を表明し、6月30日に効力が発生した。今日が正式に脱退日となったのである。そして、下関や北海道の網走などから、日本の近海へ捕鯨船団が出港した。商業捕鯨の再開である。アメリカも昔はクジラの油でランプをともして時代には、捕鯨も活発に行っていたのだが、石油が採掘されるようになって、下火になり、さらに牛肉を世界中に売り始めて、捕鯨反対に回った。白鯨という有名な小説もノンヒクションの世界に閉じ込められたのである。(くちなし亭、6月30日)
Y-FP Office Japanトップページ
Y-FP Office Japanトップページ