ある若い会社員だが、寮生活をしている。寮と言っても、各自の部屋にユニット式のバストイレがついているタイプだ。そして、この本格的な寒さが近づいてきたある日に、突然、給湯器が壊れた。彼は管理人にすぐに連絡し、修理を頼んだのだが、管理人の顔はさえない。この寮は建築されてからかなり経つ、給湯器も当然老朽化が進んでいる。そして、管理人は寮に住む何人かから、これまで、給湯器の不備を訴えられていたのだ。当然、最初は業者に連絡して、すぐに直してもらう手配をしたのだが、業者からの連絡は修理も交換も今はできないというものだった。事情を聞けば、給湯器と部品の在庫不足が深刻化しているのだそうだ。部品の製造工場があるベトナムで、新型コロナウイルスの感染者数が急増し、ロックダウンが実施されたことで、日本に輸入できなくなったことが主な要因なのだそうだ。国内シェアトップのリンナイも自社サイトで支障が出ていると発表し、11月5日の時点で、入荷の見通しは立たないという。こういうわけで、かの若い会社員もお風呂にも、温かいシャワーも浴びることができない日々を過ごしているのだというのである。(くちなし亭、2021.11.30)
Y-FP Office Japan トップページ