日本のバブル経済がはじけようとしていた時代、私たちの所得は他の世界の人たちに比べて上昇していた。しかし、物価も同じように上昇していたのである。物価の上昇を先導していたのはもっぱら不動産価格の上昇であった。所得も確かに上昇したが、物価も同じように上昇していたので、私たちの暮らしは以前とと比べて、格段に良くなったわけではない。バブルの恩恵にあずかった人以外の多くの人たちの暮らしはさほど変わらぬものだったのである。唯一変わったものは所得の上昇で、豪華な海外旅行が可能になったということくらいであった。さて、現在、その逆転が起こっている。日本は所得も、物価も変わらない。しかし、外国の多くは物価と所得の同時上昇が起こっているのだ。その先導をしているのが不動産の高騰である。アメリカのシリコンバレーでは雨漏りのする家が1億円もするそうだ。もちろん、それに伴う所得も稼いでいる。不動産バブルは世界中に起きている。顕著なのは中国と韓国だ。この不動産バブルを起こしているのは人口の都市部への集中だ。ソウルの人口密度はNYの8倍、東京の3倍と言われるほどの都市集中なのである。この物価と所得の層の違い、断層差は日本へ多くの観光客が流れ込む要因の一つだ。だが、過去は日本だけが不動産バブルであったが、今や、世界中が不動産バブルだ。これがはじけ散った時の惨劇は計り知れない。(くちなし亭、12月31日)
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