菅総理は経済浮揚のためにはまずは雇用だと言われていますが、パイが縮小している現在、雇用数を増やせば、当然、一人当たりの所得は減ります。ワークシェアリングなどが叫ばれていますが、それはその発想を具体化したものです。事実として、日本人の所得は減り続けているのです。巷間の雑誌には年間所得300万円時代という文字が躍っています。でも、これは日本のことばかりではありません。アメリカでも、所得の減少が続いています。2008年世帯所得の中央値は5万303ドルでした。07年のそれは5万2163ドルでしたから3.6%の下落です。これは何も08年のことだけではないのです。07年~10年にかけて、典型的な世帯で9.3%減となっているのです。一方、中国やインドでは所得の増加が続いています。先日、中国の深圳で経済特区30周年式典がありましたが、その例で言えば、この30年で、一人当たりGDPは935元から9万2770元と約1億倍になっていて、その地の平均年収は5万元にもなろうとしています。現在100円は8元程度の交換比率ですから、年収が62万5000円程度と言うことになります。つまり、世界は従来の先進工業社会がデフレと所得の減少。そして、新興工業国がインフレと所得拡大という緩やかな平準化への道を進んでいるのです。ただ、中国国内にも新たな所得格差のひずみが生まれ、また、アメリカのような武器を手にした国が黙って、この状況変化を見ているとも思えません。
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