阪神淡路大震災と東北関東大震災（東日本大震災）の違い

ようやく東北関東大震災の被害状況が明らかになってきています。

ところで、気象庁はこのたびの地震を 『平成23年（2011年）東北地方太平洋沖地震』 と命名しましたが、
過去の大地震で、「＊＊地震」と「＋＋震災」と名前が違っています。
・関東地震 と 関東大震災
・兵庫県南部地震 と 阪神・淡路大震災

現時点では、色んな名前がついています。
「東北関東大震災」：ＮＨＫ
「東日本大震災」　：朝日新聞、時事通信社、ウェザーニューズ、共同通信社と
　　　　　　　　　　　産経新聞、フジテレビ、毎日新聞、東京新聞、中日新聞、TBSなど共同加盟社
「東日本巨大地震」：読売新聞、日本経済新聞、テレビ朝日



さて、本論の阪神淡路大震災と東北関東大震災の違いですが、
以下の５つが代表的なものでしょう。

１．被害規模が阪神淡路大震災の５-１０倍
２．広範囲に被害地が拡大している
３．大規模津波が発生し、陸地だけでなく、海底にも影響が出ている
４．原発の人災、大トラブルが発生
５．働く場所が一瞬で無くなった


まず、１の規模ですが、死者行方不明者数だけでなく、住宅、事務所、工場等の損壊など
実際の被害規模が特定できないくらいです。

２の広範囲という面でも、岩手、宮城、福島の３県以外に他の都県で死者が出ています。
また、地震発生時の首都圏を中心とした「帰宅難民」の発生、二次災害の「計画停電」による
経済活動、生活への大打撃など、空間と時間的にも被害が拡大しています。

３の津波、、、陸地に漁船や大きな船が押し上げられています。どうやって撤去するのでしょう？
瓦礫の山の処分もあります。燃やしたらたくさんの有害物質も出るでしょうし、
アスベストなどもあると思います。解体撤去時の健康対策が気になります。
そして、引き潮で多数のクルマや家屋、漁船などが海底に沈んでいます。
その中には、ご遺体もあることでしょう。。。。
それらの撤去回収はどうするのでしょう？

４の原発はやっかいです。短期的には、福島発電所のトラブルの沈静化がありますが、
長期的には、今後のエネルギー政策に大きな課題が課せられました。
今後の原発建設は計画通りにすすまないでしょう。また、既存の原発の安全チェックのために、
稼働率は大幅に落ち込んでいくでしょう。
電気は産業の血液そのものです。これから、産業復興をしなければならないのですが、
肝心の動力がなければ、前にすすみません。
「計画停電」も夏本番になると大変なことになります。周波数６０サイクルの西日本から
現在３箇所の中継所を経て、合計１００万キロワットしか融通できません。原発わずか１基分です。
早急に中継所の増設や発電所そのものの周波数変換などの対策が必要でしょう。

そして、一番の違いが５の「働く場所」です。
阪神淡路大震災の時には、避難所から大阪や兵庫のオフィスなどに
たくさんの方々が出勤できました。
すなわち、働き場所、仕事があったのです。

しかし、、、、
今回は、田んぼや畑は瓦礫や海水に浸ってしまいました。
土が塩害で、まともに農業ができないでしょう。
原発の放射能が降り注いだ農地で栽培ができるか、安全検査が必要でしょう。
抜本的な土地改良が必要です。機械化ができる大幅な農地整備が望まれます。
漁船が陸に打ち上げられ、海底に沈み、また、養殖場も跡形もなくなってしまいました。
直ちに漁船を建造して海で出られる漁師さんはどれだけいらっしゃるのか？？？


いまこそ、第２次世界大戦後のヨーロッパ復興計画として有名な
マーシャルプランの東北版を計画すべきでしょう。
ぐずぐずしていたら、マーシャルプラン同様、アメリカが漁夫の利を得るかもしれません。
中国や韓国も狙ってくるでしょう。

思い切った発想で、日本の未来を築く壮大な計画を練り上げてもらいたいです。
申し訳ないですが、農業や漁業の世界は高齢者の方々が多かったと思います。
先祖伝来の土地を愛する思いは理解しますが、この際、一度国が土地を買い上げて、
広大な土地で効率的な農業を展開できるようにするとか、発想の転換で、
ビジョンを示してもらいたいです。

何もなくなってしまったからこそ出来る事。。。
夢やビジョンを示して、被災された人たちが少しでも
将来に希望が持てるようにしてもらいたい。