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マーサの幸せレシピ


監督 ザンドラ・ネッテルベック
出演 マルティナ・ゲデック、セルジオ・カステリット、マクシメ・フェルステ

 マーサは天才的な料理人。レストランのシェフをやっている。自分の料理には絶対の自信を持ち、このレストランのキッチンは自分が仕切っているという自負がある。料理に文句をいう客にはくってかかる。料理人仲間でも浮いた存在で、店のオーナーにも全幅の信頼は得てない。料理の腕は抜群なのだが。
 そんなマーサが8歳の女の子の預かることになった。交通事故死した姉の子リナの面倒を見る。母の死にショックを受けリナはものを食べない。マーサの料理さえ食べない。登校拒否もする。合わない二人にマーサは気づく、この子は私と似ている。
 店にイタリア人料理人マリオがやってくる。「このキッチンは私のもの」と思っているマーサは気に食わない。二人は対立。ところがものを食べないリナがマリオが作ったパスタを食べ、マリオになつく。マーサのストレスは貯まる一方。とうとう客にかんしゃくを爆発させてしまった。とうぜんクビ。そしてリナは父親に引き取られることに。
 このタイトルからは、美しき女性シェフがおいしい料理を提供して、人々を幸せにするという映画と思うだろうが、マーサはそんなできた料理人ではない。お客にあわせて料理するのではない。お客が私の料理にあわすべきだ。気に食わなければ食うな。そんな料理人である。マーサVS海原雄山という対決を見てみたい。「いやなら食うな」VS「こんなもの食えるか」どっちが勝つか?
 マーサは何かが欠けている。だから回りも迷惑だし本人も苦しい。時々倉庫にこもって一人になる。精神科医のカウンセリングも受けている。
 自分に何が欠けているかマーサ自身も気がつき始める。ラストは落ち着くべき所に落ち着くが、めでたしめでたしとなるかどうかは、これからのマーサの心がけしだい。
 主演のマーサ役のマルティナ・ゲデックが大変にチャーミング。きれいな女優さんだが、マーサというキャラクター設定を考えるときれいすぎる。

 
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