なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

陰嚢腫瘍

2024年01月29日 | 糖尿病

 1月23日(火)の時間外になってすぐに、コンビニで一過性意識消失(眼前暗黒感・失神)をきたした55歳男性が救急搬入された。店員さんがあわててかけよって、救急要請していた。

 当直は小児科医だった。搬入時は意識清明で会話は普通にできた。血糖が380mg/dlと高値だった。健診で高血糖を指摘されていたが放置していたそうだ。尿ケトン体は陰性だった。(時間外は簡易検査しかできない)

 昨年同居していた母親が死去して、一人暮らしをしている(妹さんの話では、生活が乱れているようだと。)そのまま帰宅とし難かった。入院で点滴をして翌日、その日内科当番の先生に引き継ぐ方針となった。

 

 頭部CT・頭部MRIでは両側の大脳・小脳に小梗塞が多発していた。心電図は洞調律で心房細動はなかった(発作性は否定でできず)。会話は普通にできる。

 HbA1cは10.8%だった。(Cペプチドは十分出ていて、抗GAD抗体陰性)通常ならば脳梗塞と糖尿病の治療を開始してとなるが、そうはいかなかった。

 陰嚢に腫瘍があり、自壊していた。これも放置していたのだった。CTで右肺に軽度肺炎様(瘢痕?)があり、肝右葉に腫瘍か膿瘍を疑う低濃度域があった(体温は平熱~微熱で肝膿瘍らしくはない)。

 また入院時から血圧が80~90mmmHg台と低下していた。肺うっ血・水腫や胸水はなく、浮腫もない。心電図では前壁中隔梗塞の既往があるような形だった。食事摂取は進まず、持続点滴を行っていた。

 担当医が皮膚科医に依頼して、陰嚢腫瘍の生検が行われた。睾丸由来なのか、皮膚由来なのか自壊していてわかりにくい。組織診待ちになった。

 問題が多数あり、高次医療機関に紹介するにしても何科になるのかわからない。目につくところから対症的に治療をしていいたが、週末に急変してしまった。

 腫瘍によるトルソー症候群を来したのかなど、可能性を考えてみたが、確定はできなかった。

 

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