なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性心不全

2024年02月17日 | 心血管疾患

 2月16日(金)の午前9時ごろ、病棟で指示出しをしていると心不全の入院が来ると看護師さんがいっていた。呼吸困難の81歳男性が午前7時過ぎに救急搬入されて、昨日当直だった先生が診ていた。

 現在3つの病棟のうち2つでCOVID-19の院内発症があり、急性期病棟だけ今のところ出ていない。ただ落ち着いている患者さんを地域包括ケア病棟やリハビリ病棟に回せないので、週明けまではできるだけ新規入院は避けたい状況だった。

 

 患者さんは急性心筋梗塞の既往があった(ステント留置)。当院の循環器科に通院していて、担当医が開業する時に自分のクリニックに紹介としていた。(当時は循環器科があったが、現在は閉科)

 酸素飽和度が60%台(室内気)で、酸素マスク10L/分投与で90%台になっていた。血圧は201/117mmHgと高値で、血管拡張薬や利尿薬が効きそうではある。

 救急隊も陳旧性心筋梗塞・急性心不全と判断したので、地域の基幹病院へ連絡したが、満床で受け入れ困難だった。当直の内科の先生は循環器疾患は嫌いではないらしい。急変の可能性は家族(兄弟)に伝えていた。

 胸部CTで見ると、両側肺に肺水腫を認めて(胸水も軽度)、教科書に載せたいような急性心不全像だった。

 

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心肺停止

2024年01月21日 | 心血管疾患

 20日の夕方に感染管理ナースから、コロナの患者さんが入院した、とメールが来た。その日の日直の内科の先生が90歳代女性を入院させていた。

 最近、入院が断続的にあり、患者数がじわじわ増えている。今回は中等症Ⅱ相当で、厳しいようだ。ずっとコロナの入院を専任で診てきたが、5類になってからは当たった人が担当となった。

 

 1月16日は腎臓内科の若い先生が当直だった。翌17日に、前夜に救急搬入された心肺停止の86歳男性の話をしていた。

 自宅の浴槽に入った状態で家族が発見した。反応はなかった。顔は浴槽のふちに乗っていて、お湯につかってはいなかった。救急隊到着時に、発見した孫が心マッサージをしていた。心肺停止(心静止)で、心肺蘇生術を行って搬入された。「

 心肺蘇生術にはまったく反応しせず、死亡確認がなされた。当院初診でこれまでのことはわからない。死因検索のためにAutopsy imaging(AI)が行われた。

 頭部CTでは死因につながる異常を認めなかった。胸腹部CTでは、明らかな所見があった。大動脈が解離して両側胸腔内に出血して、心タンポナーデを呈していた。下行大動脈は虚脱している。これでは心肺蘇生にまったく反応しないだろう。ほとんど即死だったと思われる。

 

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