なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

小脳出血?

2015年11月30日 | Weblog

 内科再来を診ていると、内科新患担当の先生(大学病院から応援)から、めまいの患者さんの入院をお願いしたいと依頼された。84歳女性で、当院循環器科に心房細動・高血圧症で通院している。4日前の先週の木曜日に回転性めまいと嘔吐で内科新患(大学病院からの応援医師)を受診していた。外来で点滴して帰宅になっていた。昨日の日曜日にも救急外来を受診して点滴を受けて帰宅していた。その時診ていないのでどの程度の症状だったかわからないが、症状は軽快していないはずだった。

 もっとも私も再来を診ていたので、頭部CTをオーダーして、もう少しで終わる再来を診ていた。外来が終わって放射線科に行こうとしたら、ちょうど放射線の技師さんから電話がかかってきた。小脳に出血がありますという。そのまま患者さんをストレッチャーに載せて救急外来に回すように指示して、CT画像を見に行った。左小脳に出血があるが、木曜日には発症していたので少し吸収されてきて、周囲の浮腫が目立つ。小脳梗塞が発症して出血性梗塞になったのかもしれないが、よくわからない。抗凝固薬としてイグザレルトを内服していた。

 基幹病院の脳外科に電話で依頼すると、快く(たぶん)引き受けてくれたので、救急車で搬送した。それにしても回転性めまいだと、BPPVだと思っても大抵は頭部CTかMRIを撮影するはずだが、2回の受診していずれも撮らなかったのは意外だ。

 

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PICCハンズオンセミナー

2015年11月28日 | Weblog

 昨日は大学のクリニカル・スキルラボのPICCハンズオン・セミナーに参加した。エコーガイドの内頸静脈穿刺のセミナーに参加したのが最初で、今回は2回目の参加になる。末梢挿入型中心静脈カテーテルperipherally inserted central venous catheter(PICC)は、当院の外科医のひとりが使っていると聞いていたが、症例数は多くないようだ。どんなものか見て、使いやすいようなら試してみたいと思った。

 エコーガイドで尺側皮静脈にカテーテルを挿入する。穿刺専用のエコー(サイトライト5)を使用した。上腕動脈を触れると、その尺側に尺側皮静脈がある。駆血して静脈を適度に張らせる(10mmくらいに。橈骨動脈は触知できる程度に駆血。)。血管を短軸で描出するか、長軸で描出するかだが(講師は長軸でしているという)、穿刺には短軸描出の方が楽だが、穿刺針の先端の位置を確認するには長軸で描出したほうがいい。短軸で穿刺して、その後長軸にして確認するのもアリかもしれない(穿刺用のニードルガイドを使用しない時)。

 セミナーに参加して、ぜひ当院でも使用したいと思った。まずは描出(穿刺)しやすい尺側皮静脈の患者さんを選んで行いたい。当院には穿刺専用のエコーの器械がないが、専用だけに小型で皮下の浅い組織がかなり見やすい。他の先生方にも相談して購入したい。

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カンピロバクター腸炎

2015年11月27日 | Weblog

 23日の日直の時に、下痢(水様便)・腹痛・嘔吐・発熱で49歳男性と30歳男性が(別個に)受診した。外来で点滴をしていたが、症状が続き、短期入院となった。水様便なので便培養はでないかもしれない(特に前者は前日に当番医からクラビット処方あり)と思ったが、3日後に両者ともカンピロバクターが検出された。翌日に49歳男性の息子さん(16歳)が同症状で入院した(内科の若い先生担当)。こちらもカンピロバクターが検出された。原因となった食品は不明だった。

 49歳男性はCTで上行結腸から横行結腸口側までの腸管壁が腫脹していた。30歳男性はCTでは所見なしで、人によって違うものだと思った。16歳の息子さんの回復が一番早く、今日退院になった。父親はまだ下痢が少しあり、時々腹痛があった。入院期間はどうしますが、と聞いたら、退院は自信がなさそうだった。食事摂取は5~8割ある。点滴もやめてホスミシンとミヤBMの内服をしているだけなので、入院していても自宅静養でも同じですと伝えると、息子さんと一緒にきょう退院するという。会社に提出する診断書を記載した。

 30歳男性は軽快したものの、まだ下痢があり、食事摂取が進まなかった。一昨日に点滴をやめていたが、もう少し点滴してほしいという。入院期間をどうするか訊いたところ、来週の月曜まで入院希望だった。

 両者とも入院後は点滴(500ml4本)とホスミシン点滴静注で開始して、翌日には解熱した。カンピロバクターは検査室で感受性試験ができないのでどの抗菌薬が効くのかわからないが、臨床的にはホスミシンが効いているようだ。菌種が判明してからジスロマックに変更すべきなのだろうか。

 毎月のICT会議で、月3~4名の患者さんでカンピロバクターが検出されたという報告が出る。細菌性腸炎ではやはり一番多いのだった。

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多発性筋炎?

2015年11月26日 | Weblog

 今日は整形外科クリニックから、76歳男性が先月初めからの両下肢の疼痛・筋力低下で紹介されてきた。肩~両上肢の疼痛と筋力低下もあった(下肢よりは軽度)。両下肢(下腿)に浮腫もあった。気管支喘息で内科医院に通院しているが、足の痛みということで、整形外科を受診した。炎症反応上昇があり(CKの上昇もあった)、リウマチ性多発筋痛症/RS3PEを疑って、ステロイドを投与してみたが、改善しないのでということだった。微熱があったが、自覚はしていない。

 プレドニゾロンを最初5mg/日投与して、改善しないので10mg/日に増量して、改善しないのでまた5mg/日に戻してという処方だった。紹介を決めた数日前からは12.5mg/日にしていたが、患者さんは内服していなかった。投与量としては疑問だが、検査値が少し反応して改善していたが、症状は変わらないのは、診断の参考になる。

 紹介状を見て、最初は診断は合っていてステロイドの投与量の問題かとも思ったが、そもそもCK上昇があれば診断が違う。紹介先の検査ではCKのみの上昇で、AST・LDHは正常域だったが、当院の検査では全部上昇していた。しゃがんでから起き上がってもらおうとしたが、しゃがみ込むこと自体が辛くてできない。浮腫の原因としては、低蛋白血症があった。心不全・ネフローゼ・肝硬変・甲状腺機能低下はない。明らかな皮膚症状はなかった。

 肺の聴診で両側下肺野にVelcroラ音を聴取した。胸部X線で両側下肺に陰影があり、胸部CTで確認すると、両側下肺の背側から腹側にかけて胸膜直下に目立つ間質性肺炎の所見があった。2008年に当院呼吸器科を受診した時の胸部X線・CTは異常がない。毎年胸部X線の健診を受けても異常がなかったが、先月の健診で初めて要精査となった。なったが、精査の結果大丈夫と言われたという(患者さんの話)。軽度の変化のみで経過観察になったと推定される。ということは、間質性肺炎は最近出現してきたと判断される。筋症状と同時期の出現ということになる。

 抗核抗体・抗Jo1抗体は外注検査なので、すぐには結果で出ないが、多発性筋炎疑いとして、リウマチ膠原病科に紹介することにした。2か所の病院を提案して、希望する病院のリウマチ膠原病外来の予約をとった。CEAとCA19-9は正常だった。

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血糖が改善した人、しない人

2015年11月25日 | Weblog

 今日は内科再来を診ていた。糖尿病の患者さんが多い。いずれも肥満のある40歳代男性2名はなかなか血糖が改善しない。1名は超速効性インスリン+GLP1受容体作動薬(+SU・メトホルミン)で思ったほどの効果が出ない。もう1名はとにかく注射は拒否で、GLP1受容体作動薬のいい適応だが(Cペプチドは過分泌相当)同意しない。後者は腎症があるので、早急に血糖コントロールを付ける必要がある。

 逆に血糖が改善した患者さんもいる。体重150Kgの40歳台女性は、Basal supported oral therapy(BOT)として持効型インスリンを開始したが、DPP4阻害薬をGLP1受容体作動薬にすべきだったと思っていた。しかし、前回・今回と血糖は改善してきた。今日は同じ処方にして、次回改善が頭打ちになったら、DPP4阻害薬をGLP1受容体作動薬に変更する方針とした(メトホルミンも女性としては多めの1500mg/日)。もう一人50歳代女性は、家族の説得でやっと精神科を受診した。精神科病院からの紹介状の返事には、統合失調症と診断されていた。いやいやながら通院を継続しているようだ。インスリン混合型を朝夕注射している。インスリン導入にも苦労したが、肥満があり、GLP1阻害薬も使用したいが、なかなか変更に同意されなかった。それが精神通院後から、血糖が改善してきた。HbA1c10%から9%になり、今日は8%まで下がった。この方としては画期的だ(何度も教育入院していた)。

 今日は大学医局の同門会(の支部会)があった。国内はもとより外国も飛びまわっている教授が、学部長としての豊富、医局からの新しく2名の他大学教授が誕生したこと、学会理事長(なんと国内学会2つと世界の学会で1つ)としての多忙さなどを話された。これまであまり出てなかったが、当地域の同門会会長から「出ないのか(出ろということ)」と言われていたので、とりあえず顔だけ出した。

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後天性血友病

2015年11月24日 | Weblog

 先週の土曜日に内科医院から貧血の70歳女性が紹介された。その日日直の内科の若い先生が主治医になって入院した。1週間前に顔面を打撲して血腫を形成していた。Hb5.8と貧血を認め、濃厚赤血球6単位(2単位ずつ3日間)を行った。この患者さんは、他の病院から大学病院に紹介になり、血液内科で後天性血友病と診断されたそうだ。原因検索で直腸癌と診断されて、手術を受けた。すでに5年経過していて、癌としては治癒している。血友病はステロイドと生物学的製剤を使用して、これも患者さんの話では治癒(寛解?中断?)したという。

 しばらくは問題なく過ごしていたらしいが、最近打撲あるいは打撲がなくても皮下血腫を形成して、貧血が進行していった。受診時のAPTTは64.9(25~33)と延長していた。血小板数とPTは正常域。これまでの詳細な経過(後天性血友病の)が不明なので、大学病院をまた受診してほしいところだが、遠くて?行きたくないという。大学病院血液内科に経過を問い合わせて、当院で治療を開始するしかないようだ。相談されたが、病名を知っているだけで、治療について考えたことはなかった。当院でプレドニゾロンを使用してみて、改善しない時は何としても大学病院を受診してもらう方針にした。

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咽頭痛で唾が飲み込めない

2015年11月23日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。多数ではないが、朝から外来受診が切れ目なく続いた。60歳女性は1週間前からの咽頭痛で受診した。1週間前に内科クリニックを受診して、抗菌薬を処方された。処方はパンスポリンT3錠・クラビット(100mg)3錠・パセトシン3Capを分3というものだった。その次の日に当院の内科新患を受診した。担当は大学病院からの応援医師で、SPトローチだけが追加処方された。咽頭の所見がたぶんほとんどなかったと思われる。

 その後も咽頭痛が続いて、しだいに飲み込みにくくなたそうだ。唾を飲み込むのもひどいという。熱感はあったが体温測定はしていなかったそうだ。今日は37,6℃だった。前頸部リンパ節が腫脹している。咽頭は右側が腫脹しているが、口腔粘膜自体には異常がない。扁桃炎とはいえない。白血球数増加とCRP経度上昇がある。急性喉頭蓋炎を疑って、頸部X線(軟部組織に合わせて)を撮影したが、喉頭蓋炎はない(呼吸苦はなく、横臥できるので違うとは思ったが)。胸部X線も異常はない。

 頸部~胸部CTで確認すると口腔底が右側に寄って腫脹している。診たことはないが、これが口(腔)底蜂窩織炎(Ludwig's angina)と思われた。休日に診てもらえる耳鼻咽喉科は大学病院しかないので、大学病院へ救急搬送した。だった)。縦隔には炎症は(たぶん)及んでいない。

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サイエンス漢方処方セミナー

2015年11月22日 | Weblog

 昨日の午後に漢方の講演会(サイエンス漢方処方セミナー)を聴きに行った。講師はおなじみの井齋偉矢先生。

 「サイエンス漢方処方概論」

 漢方薬は病因そのものに作用するものではない(作用できない)。病因から引き起こされた身体のシステムの変調(病態)に作用して、その変調を自力で修復する応答を引き出して、身体のシステムを正常化させる。漢方薬は1種類の化合物ではなく、数十種類の化合物(個々の化合物の量は少ない)の集合体が生体の応答を引き起こす。薬が効くということは、薬そのものが病気を治すということではない。降圧薬は降圧システムが働く引き金を引いているだけで、あとは自力で降圧システムを働かせて、血圧を下げている。肺炎では、抗菌薬を使用すると細菌は死滅するが、あとは自力で炎症を修復して治っている。

 現代医学は診断までは素晴らしいが、さて治療はとなると、それほど大したものはない。整形外科では、MRIで診断が高度に進歩した。ただ診断は何であっても、手術以外では治療は全部ロキソニン(今時だとセレコックスか)になってしまうという。確かに整形外科の処方は、NSAIDs・リリカ・トラムセット(・オパルモン)くらいしかない。

 漢方薬は、いわゆる西洋薬が苦手とする、1)免疫賦活系/抗炎症系、2)微小循環系(血管平滑筋弛緩反応)、3)水分調節系(アクアポリン促進/阻害反応)、4)熱産生系、に効く。

 1)免疫賦活系/抗炎症系。 漢方薬は、迅速な免疫系の立ち上げ、過剰になった炎症の抑制、障害された組織の修復促進、によって炎症を制御する。西洋薬で炎症を抑制するのは、糖質コルチコイドとNSAIDsしかない。両者は免疫を抑制してしまい、前者は微小循環障害、後者は肝・脳・心を障害する。漢方薬とは抗炎症薬である。

 2)微小循環系(血管平滑筋弛緩反応)。微小循環の症状は、目の下の隈、しみ、皮膚の乾燥、唇・歯肉・舌が暗赤色、毛細血管の拡張、青タン、手掌紅斑など。漢方薬は血管平滑筋弛緩に関与するNO、EDHFに作用して微小循環障害を制御(改善)する。桂枝茯苓丸は程度・部位を問わず第一選択。

 3)水分調節系(アクアポリン促進/阻害反応)。水分分布異常は、水分過剰(浮腫)と水分不足(乾燥)があり、それぞれ全身性と局所性がある。西洋薬では全身性の浮腫に効く利尿薬だけで、局所性の浮腫には効かず、まして乾燥に対して潤わせる薬はない。漢方薬は全身のアクアポリン(細胞にある水の出入口、13のアイソフォームがある)に作用して、細胞内に水を導き入れたり(乾燥を改善)、水の侵入を防いだり(浮腫を改善)する。乾性咳漱に麦門冬湯を使用すると、アクアポリン5を開いて細胞内脱水の気管内皮細胞が潤って咳が鎮まる。脳浮腫に五苓散を使用すると、アクアポリン4をブロックして脳細胞内への水移動を抑えて脳浮腫が消退する。

 4)熱産生系。西洋薬で身体を温める処方はない。漢方薬は脂肪酸燃焼(非ふるえ熱産生)を促進して、身体を温める。どの部位が冷えるかで方剤が変わる。

 「急性期病棟での漢方薬の使い方」

 1)市中肺炎。抗菌薬は細菌をコントロールしても、肺の炎症自体には何ら介入せず、炎症のコントロールは患者さんまかせ。漢方薬は速やかに炎症をコントロールする。したがって、抗菌薬と漢方薬の併用で治療する。肺の炎症の第一選択は小柴胡湯で、4時間おきに2.5gを服用して最長7日間使用する。気道の乾燥(夜布団に入ると乾性咳漱)には滋陰降火湯、湿性咳漱には竹茹温胆湯、炎症軽快後の仕上げには柴胡桂枝湯を使用する。

 2)急性期脳梗塞。脳梗塞に併発する浮腫と炎症に漢方薬を使用する。炎症は小柴胡湯、浮腫は五苓散で治療(併用)する。4時間おきに2.5gを服用して7日間使用する。

 3)急性ウイルス性胃腸炎。現代医学ではノロウイルスなどウイルス感染には無力で、脱水には補液をして、炎症が収まるのを待つしかない。漢方薬は、桂枝人参湯を初回5gを服用して、2時間おきに2.5gを服用し続ける。ほとんどの症例で12時間以内に症状が改善して経口摂取可能となるそうだ。

 4)がん治療(抗がん剤・放射線照射)による口腔粘膜炎。半夏瀉心湯を含み飲みすると改善する。

 5)発熱を伴うかぜ、インフルエンザ。熱感のあるかぜの初期に(東洋)桂麻各半湯、冷えのひどいかぜに麻黄附子細辛湯、無汗の重症のかぜ(インフルエンザ)に麻黄湯、身体中が痛いかぜには、無汗(背中さらさら)では麻黄湯+越婢加朮湯、背中しっとりでは桂枝湯+麻杏甘石湯を使用する。

 

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糖尿病の講演会

2015年11月21日 | Weblog

 昨日は当地域の糖尿病講演会があり、座長を頼まれていた。講師は秋田大学大学院内分泌・代謝・老年内科学の成田琢磨先生で、糖尿病腎症の話だだった。透析導入になると平均寿命は7~8年になる(当院はもう少し長い)。糖尿病患者数(HbA1c6.5%以上)は950万人で、糖尿病予備軍は同程度の数だが意識の高まりもあり、少し減少しているという。糖尿病腎症からの導入は16000人で2012年から少し減少している。

 腎機能低下を抑制するには、A 血糖HbA1c<7.0%、B 血圧<130/80mmHg、C 脂質LDL-C<100~120mg/dl、D 禁煙・体重是正。アメリカではコレステロール値によらず45~75歳ではすべてスタチンを処方するそうだ(内服後の検査は内服しているかどうかの確認のため)。

 血圧<130/80mmHg・HbA1c<7.0%・RAS阻害薬投与の治療で、蛋白尿の消失(寛解)を目指すことができる。第3期からの予後は、寛解28.1%、蛋白尿0.5~3g/gCr40.3%、蛋白尿3g/gCr31.6%で、ざっくり言うと1/3ずつになる。第2期でも微量アルブミン尿量を低下させると、腎・心血管イベントによる死亡や入院を低下させることができる。尿蛋白・尿アルブミン以外の腎機能低下予測のサーrゲートマーカーを探しているが、難しいそうだ。抗酸化作用があるBaldoxoloneはeGFRを上がるが、実際に臨床で使用できるかどうか、まだ分からない。第1期の正常アルブミン尿(30mg/gCr)でも、15未満では腎機能が変化しないが、15以上では悪化する。低蛋白食の厳守は実際には難しい。蛋白の中でも、卵白や植物蛋白(豆腐)は腎臓の負担にならない。

 低血糖は心疾患や認知症のリスクになる、高齢者ではHbA1c<8.5%、平均血糖<200mg/dlにして、感染・脱水・昏睡を避ける。血圧も150/90から可能であれば140/90、さらに130/80と段階的にゆっくり下げる。

 DPP4阻害薬は使用するとすぐに効くので、併用するSU薬は最低量にする。SGLT2阻害薬は心血管死を低下させるが、血圧低下が効いている。α-GIはGIPを低下させ(小腸上部)、GLP-1を増加させる(小腸下部)ので、DPP4阻害薬と併用すると血糖のさらに低下させ体重を減量する。

 会場からの質問がすぐに出なかったので、糖尿病腎症と他の腎疾患併発の鑑別について質問した。血尿があったり、網膜症や神経障害(いずれも腎症より早期に発症)がない時は、他の原因があることが考えられるという答えだった(これはテキストに載っているのでお約束の質問)。さらに糖質制限の可否を質問した。腎症がなければいいでしょうということだった。山田悟先生は第2期までは大丈夫としてますがと聞くと、これは賛成しかねるという。その後、循環器科の若い先生が質問してくれたので、何とか形になった。

 最後に、講演前に聞いた腎臓でもわずかに糖新生していることを確認した。腎症が進行すると、使用している薬剤の濃度が上昇することで効きが良くなることとに加えて、腎臓の糖新生が低下することで血糖が改善するという。

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いつもの高齢者診療

2015年11月20日 | Weblog

 先月誤嚥性肺炎で入院した認知症の87歳男性は抗菌薬投与で治癒していた。何とか食事摂取できたが、家族は家庭での介護は困難なので、施設入所を希望された。老妻と息子(精神疾患らしい)との同居だった。すぐには施設入所できないが、仕方なく入所待ちで入院継続していた。昨日の昼食時に急に誤嚥して、酸素飽和度が急激に下がった。病棟の看護師さんが集まって、酸素吸入(10L/分)開始、喀痰の食物の吸引を行い、何とか90%以上になった。個室に移動させて点滴を開始しているうちに、やっと落ち着いた。やれやれ。今日家族(キーパーソンの長女)と相談したが、今回の誤嚥性肺炎が改善したら、また誤嚥する可能性が大いにあるが、それでも経口摂取をできる範囲で継続する方針となった。まず治癒しないと始まらないが。

 施設に入所して胃瘻による経管栄養を受けていた88歳男性(脳梗塞後遺症で寝たりきり状態)は、栄養剤注入後に一気に嘔吐して、呼吸困難となったそうだ。当院に救急搬入されて、内科の若い先生が担当した。高流量の酸素でも酸素飽和度が90%ぎりぎりだった。胸部X線だけなので判断が難しいが、ARDSと判断されていた(両側肺野が真っ白に近い)。昨日主治医が大学病院に行って不在だった。家族から、相談があると言われたので話を聞いた。「とにかく苦しんでいるのを見るのは忍びない。悪化した時は無理な治療はしないことに以前から決めていた。早く楽にしてやりたい。」という希望だった。認知症の妻は同じ施設に入所していて、長男長女は同じ考えだという(昨日は長男が付き添っていた)。はいそうですか、と治療をやめるわけにはいかない。酸素吸入・点滴・抗菌薬・ステロイドなどはそのままにして、呼吸状態を見ながら、塩酸モルヒネをごく薄く(低濃度で)開始した(病名として急性心不全)。少し穏やかになって、声掛けすると目を開けた。適切なのかどうかわからないが、それで今日まで継続した。入院当初のいかにも苦しそうに顔をゆがめたり体を動かすことは少なくなった。残念ながら今日の検査値をみると、きびしそうだ。失語症があって、会話はできない。

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