なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

最後に難問

2019年06月30日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ていた。昨夜午後10時に心窩部痛が発症して、嘔気・嘔吐と軟便が3~4回あったという訴えで、68歳女性が受診した。

 受診時には心窩部痛は治まっているが、胸骨裏面の違和感があるという。バイタルはまったく問題なかった。意識清明で冷汗もなく重症肝はなかった。症状からは胃腸の問題として受診したらしい。

 心電図でⅡ・Ⅲ・aVFに異常Q波・ST上昇様の変化を認めた。血液検査でCK(CK-MB)・AST・LDHがすでに上昇していて、トロポニンが著増していた。急性心筋梗塞として地域の基幹病院に搬送させてもらった。

 

 81歳男性は、何度目かになる虚血性腸炎で昨日の救急外来を受診していた。量は少ないが血便が続いて、今日も受診した。貧血はなく、CTでS状結腸の壁肥厚を認めた。バイタルは問題ない。これまでの虚血性腸炎と比較して、軽度というので経過をみて明日通院している消化器科の外来に来てもらうことにした。(これまで虚血性腸炎では入院したことがない)

 94歳の女性は、今年の初めに気管支喘息発作で入院して、その後施設に入所していた。昨夜から咳・喘鳴が続いて、入院希望で連れてこられた。肥満があり、ふだんでも労作時に息が切れる。入所後もさっぱりやせていなかった。1週間の見込みで入院とした。前回もそうだったが、症状が軽快するまで動くのが大変なので、自ら尿カテーテル留置を希望した。

 97歳男性が風呂掃除をしていて、脱力で起き上がれなくなった。同居の妻が息子などに連絡してようとしたが、なかかなできず、結局3~4時間そのままになって低体温も併発してから救急搬入された。

 発症は不明だが、おそらく骨格筋の炎症を来す疾患があったらしい。原因を特定できるかどうかわからないが、経過をみることにした。以前にも同様の高齢者がいて、多発筋炎の診断が確定しなかたが、ステロイドで軽快した方がいた。CTで膵臓に腫瘍もありそうで、なかなか難しい症例だった。

 

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

偲ぶ会

2019年06月29日 | Weblog

 少ない人数の内科系医師が土日祝日に入るので、外科医系医師が平日の当直に入ることが多い。水曜日の外科医の時は、山の斜面で写真をとろうとしている時に、転倒して腹部を打撲した66歳女性が救急搬入されていた。CTで小腸あるいは腸間膜からの出血を認めた。数時間後のCT再検で出血量が増加していたため緊急手術になった。

 木曜日は別の外科医の時は、まず自宅でヨーグルトを食べていて喉(気管支?)に詰まらせた83歳が救急搬入された。血圧低下・酸素飽和度低下で気管挿管をして人工呼吸を開始していた。

 餅だったらアウト(窒息死)だが、ヨーグルトでもそんなに悪化するものなのかと思ったが、画像を見るとちょっとちがうようだ。搬入時のCTで両側肺背側に浸潤影ができている。直前の誤嚥で起きたとは考えにくい。すでに誤嚥性肺炎を来していて、そこに食べたものを誤嚥したので悪化したのかもしれない。

 その後に89歳女性の心肺停止が救急搬入されていた。その方はまった治療にく反応がなく、死亡確認されていた。お疲れ様です。

 

 今日は、今年1月に亡くなった病理の教授を偲ぶ会があって、出席してきた。学位研究で3年間出入りさせてもらった。これまでも傘寿を祝う会などがあったが、関係者が集まるのはこれが最後になるだろうか。

 当方などは教室の末席を汚すという程度だが、教授になった先生がたや大病院の院長になった先生など、病理で学位研究をされた主だった先生がたが来ていた。

 インパクトファクターがほとんどないような専門誌だが、英語論文を2編出して、医学博士をいただいたのはいい思い出だ。

 

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

類白血病反応

2019年06月28日 | Weblog

 月曜日に肺炎球菌肺炎で入院した82歳男性は、内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)が担当していた。肺炎はセフトリアキソンで解熱して、患者さんも元気いっぱい(本人の言い方)になっていた。このまま順調に治りそうだ。

 相談されたのは、貧血についてと、白血球数が多すぎることについてだった。入院時は赤血球数278万・Hb8.5g.dl・Ht27.5・MCV98.8だった。27年前に胃全摘術を受けている。また血清クレアチニン2mg/dl台の慢性腎臓病があった。

 血清鉄・血清フェリチンが低下していて鉄剤補充を要した。血清ビタミンB12低値もあって、大球性+小球性を想定したが、ビタミンB12の低下はなかった。鉄欠乏性貧血+腎性貧血ということか。

 入院時の白血球数29200とかなりの高値で、両側肺炎で炎症が強いのだろうくらいに思っていたが、翌日に再検で白血球54300とさらに上昇していた。骨髄球1%以外に白血球分画に異常はなかった。

 昨年腎臓内科の外来(大学病院からのバイト)を受診した時の結果が残っていて、白血球数は6700と正常域だった。今回の肺炎に伴う類白血病反応と判断された。肺炎が軽快治癒した時の白血球数がそこまで戻れば問題がない。翌々日の結果は白血球数29900と下がってきて、左方移動も軽快している。

 年齢の割に元気な患者さんなので、要するに免疫力がある(戦闘力充分)ということ?。

 

 今日は午後から地域の基幹病院に感染管理の相互評価で伺う予定になっている。感染管理の認定看護師さんに任せているので、いつも先方の係りである呼吸器内科の先生の顔を見て、細菌検査担当の女性検査技師さんにからかわれて帰ってくるだけだ。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

癌性髄膜炎?

2019年06月27日 | Weblog

 外科医が神経内科医に相談していた。患者さんは乳癌術後(5年経過)の60歳代半ばの女性だった。外来化学療法を行っていたが、運動失調で歩行できなくなって外科に入院していた。

 神経内科外来(新患担当の外部の先生)にコンサルトして、頭部MRIが行われた。脳血管障害はなく、乳癌脳転移も認めなかったが、両側小脳脳回に沿って造影像があった。大脳の脳溝に複数の造影像もある。診断は癌性髄膜炎相当だった。

 神経内科医は腫瘍随伴性神経症候群の可能性もあると言っていた。髄液検査を行ってみることになった。少なくともひどい頭痛はなく、意識は清明で、麻痺や新規の感覚障害はないそうだ。年齢がまだ若いし、当院では診れないので、大学病院紹介を考えるようだ。

 初めて診るMRI像だった。

 

 

 当方は、誤嚥性肺炎を繰り返す高齢者、尿閉で尿カテーテル留置されていて、希望で抜去してものの、また尿閉になった高齢者、施設からの胃瘻造設依頼で造設したものの、栄養剤注入すると肺炎になる高齢者など、相変わらずの診療をしている。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いつから肺炎だったか

2019年06月26日 | Weblog

 昨日の夕方に救急当番の外科医から連絡が来た。85歳男性が高熱と食欲不振で救急搬入されて、右肺炎があるので内科で入院にしてほしいということだった。

 検査結果は、白血球17000・CRP13.4と炎症反応が上昇している。胸部X線・CTは、確かに右肺(S2・6・10)に浸潤影を認める。患者さんと話をすると、案外ハキハキと答えた。2年前に軽度の肺炎で入院した既往があり、その時担当していた。内科病棟に連絡して入院の手続きをした。

 外科医の現病歴では先週から調子が悪く食欲もなくなったとある。クリニックを受診して、エンシュアリキッドが出されていた。最初、肺炎は先週から始まっていたのかと思った。

 今月初めの6月2日(日)にも当院救急外来をめまいを訴えて受診していた。日直は神経内科医だった。発熱はなく、バイタルサインとしては問題がない。めまいはふらつくということのようだ。その時に5月30日から食欲がないと記載されている。要するに、食欲がなくて、動くとふらふらするということだった。頭部CTが施行されて、有意な異常はなかった。セファドール・アデホスが処方されていた。

 その日は胸部X線が施行されていて、右下肺野内側に陰影を認める。位置的には中葉の陰影のようにも見えるが、下葉の陰影なのだろう。血液検査もされていて、白血球7200・CRP6.6と炎症反応が上昇していた(この方のふだんの白血球は4000~5000なので、軽度に白血球増加がある)。この時から肺炎があったことになる。

 すると経過としては、5月30日ごろから食欲不振・ふらつきが始まり、あまりその症状が目立たずに経過して(実際は痰が絡んでいたあり、微熱があった?)、1か月弱経過したところで発熱が出現した肺炎ということなのか。

 聴診所見でcoarse cracklesもなく、痰も出ない(喀痰培養が出せない)のかと思ったが、そのうち痰が絡み始めた。喀痰を出してもらうと培養に最適な黄土色の喀痰がけっこう排出された。

 経過が長いので通常の細菌性肺炎ではない可能性も考えたが、セフトリアキソン点滴静注で今日は解熱して、本人も楽になりましたと言う。水分摂取に問題がなく、昼から食事を開始したが、半分は食べられた。

 

 救急外来の看護師さんは、2L/分程度の低流量の酸素吸入でも酸素マスクを使用してしまう。この患者さんでもしていたので、鼻カニューレに替えてもらった。酸素マスクを5L/分未満の酸素流量で使用すると、マスク内にたまった呼気ガスを再吸入してしまうのでまずい。何度か言っているがまだ定着していない。

 

 

コメント (1)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

脳転移変わらず

2019年06月25日 | Weblog

 86歳男性はがんセンターから緩和ケア目的で転院してきて、現在入院治療を継続している。左肺癌で全摘術を受けたが、その後に多発性脳転移が判明した。積極的な治療はできないので、緩和ケアのみとなっていた。脳圧亢進にはデカドロン内服が効いているようだ。

 食事摂取も良好で、ベットから自分でポータブルトイレに移動したり、車いすに移乗して自力で動き回れるので、本来ならば自宅静養になる。そうできない家庭の事情があった。

 娘さんと二人暮らしだが、娘さんは発達障害(?)があるそうだ。なんとか福祉の仕事をされているが、患者さんのわがままな性格もあり、一緒にいるとパニックになるという。また患者さんの問題で自宅はごみ屋敷状態という話だった。病院でも自分のベットの周りにかなりの荷物を置いていた。注意すると怒る。

 がんセンターからは、療養型病床のある病院に入院するまでのつなぎで貴院に転院をお願いしたいとあった。あったが、それは無理だろうと判断された。がんセンターの入院費を、少しずつ分割して支払っている状態で、当院の入院費は支払っていない。療養型病床のある病院は私立なので、そういうことではまず受けない。介護保険は申請したが、施設入所費用は出せないので申し込めない。

 結論としては最期まで当院入院継続になる。当院では一般病棟と地域包括ケア病棟を使用して、3か月弱は入院継続ができる(収益にこだわらなければ長期も可能は可能)。肺癌脳転移はDPCの点数が高いので、2か月一般病棟入院にして、その後地域包括ケア病棟に移動することにした。60日の期限が過ぎてまた一般病棟に戻ると見込まれる。

 病院としての大人に事情はあるが、患者さん自身は快適な入院生活を過ごしていて何よりではある。頭部MRIを撮影して、転院前の頭部MRIと比べてみたが、ほとんど不変だった

 

 

 昨日の夕方58歳女性が急性腎盂腎炎で今後病棟に入院していた。内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)が外来で高血圧症の治療を開始していた方で、最初に診た新患担当の先生(大学病院からバイト)から引き継いで主治医になった。培養検査を提出して点滴と抗菌薬投与を開始した。

 夜間に血圧が70台に低下して、急速輸液に反応が悪く、ノルアドレナリンの持続静注を使用して、朝には血圧100程度に戻ってきていた(下肢拳上を辞めるとまた血圧が下がるという)。

 当方は今日高速道路の事故でちょっと遅れて病院に着いた。受け持ちの肺癌の患者さんが早朝から高熱・酸素飽和度の低下(肺炎併発)があったので、検査と治療の指示を出していた。他の先生からそのショックの話を聞いて、早朝から来ていた若い先生がいる病室に向かった。

 画像上は尿路閉塞はない、昨日の検査では炎症反応と腎障害(脱水症による腎前性腎不全)だけだったが、今日は血小板l減少も呈していた(D-ダイマー上昇は前日から)。輸液増量とノルアドレナリンがけっこう入ってその状態なので安心はできない。

 結局年齢が若い(高齢者ではない)ということと、家族が医療関係者ということも考慮して、敗血症性ショックとして地域の基幹病院救急部に連絡して転送させてもらった(ありがとうございます)。

 昨日はwalk inで普通に内科外来を受診しているが、来院時のバイタルが血圧88・脈拍数122だから、すでに敗血症性ショックだったことになる(ふだん高血圧症)。脱水症とは判断していたので点滴は多目に入れていたが、結果的には不足していた。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

うまく流れました

2019年06月24日 | Weblog

 昨日は内科当番で、日直の消化器科医が脳梗塞の患者さんを入院させていたが、当直の外科医からは特に連絡がなかった。

 当直帯で66歳男性が救急搬入されて外科で入院していた。サイコロステーキを食べた(飲み込んだ)後に、胸骨裏面から心窩部にかけて詰まった感じがするという。

 胸腹部CTで確かに食道末端に食物らしい陰影があり、その口側に液体貯留があった。実際に食物(肉片)が停滞しているようだ。ただし完全な閉塞ではないように見える(隙間がある)。

 当院は現在時間外の消化器救急に対応していない。平日だったらすぐに内視鏡検査になるが、日曜夜間はできない。まあ翌朝まで待てると判断されて、経過観察入院となった。幸い今日の段階では自然に流れたらしく、食物はなくなって、内腔には異常を認めなかった。

 

 先天性の神経疾患を持つ71歳男性は、膿胸軽快後に当院に転院してリハビリ中だったが、土曜日にまた高熱が出た。転院後2回目になる。幸い絶食・抗菌薬再開(ABPC/SBT)で解熱軽快していた。日中嚥下調整食4を座位で食べる分には大丈夫だが、奥さんが置いていった食べ物を夜間にとり出して臥位のまま食べていて、それが原因になるのかもしれない。

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一発診断 第7回 ヒスタミン中毒 ベーカー嚢胞の破裂

2019年06月23日 | Weblog

CareNeTV

一発診断 第7回 左下腿に腫れと痛みがある74歳男性

Script illuness13

症例:75歳男性

現病歴: 夕食にサバの刺身を食べてから体中がかゆくなり、下痢もしたため受診

身体所見・検査所見: ・頭痛(+) ・めまい(+) ・呼吸器症状(ー) ・体幹部~四肢に膨疹を認める ・これまでサバを食べても同症状なし  

一発診断: ヒスタミン中毒

ヒスタミン中毒

病因: ヒスタミンが原因でⅠ型アレルギーに類似した症状を来す食中毒

サバ科(マグロ・サバ・カツオ・サンマなど) サバ科以外の魚(イワシ・ニシン・カジキ・ハマチなど) 魚以外:鶏肉・ハム・チーズ

不適切な温度管理でヒスタミン産生菌(ヒスチジン脱炭酸酵素作用をもつ)が増殖→ヒスチジンからヒスタミンが蓄積

症状: 摂取して10~60分(数時間)後から・・・ ・味覚異常(ピリッと苦味を感じる)・口のしびれ ・顔面のほてり ・口・のどの灼熱感 ・口渇 ・中枢神経症状:頭痛・めまい・飲み込みにくさ・不安感 ・消化器症状:腹痛・嘔気・嘔吐・下痢など ・循環器症状:動悸・血圧低下 ・呼吸器症状:喘鳴を伴う呼吸困難 ・皮膚症状:蕁麻疹

ピットフォール ・ヒスタミン中毒を蕁麻疹+急性胃腸炎と診断したり、食物アレルギーと診断して食事制限しないこと

治療: ・鮮度の低い魚は食べない ・H1受容体拮抗薬 ・症状が強い場合→H2受容体拮抗薬を併用

経過: ・通常24時間以内に自然軽快する ・数日症状が続くこともある ヒスタミン中毒は加熱、冷凍では分解されない! いったんヒスタミンが築盛した魚は加工してもヒスタミン中毒を生じる

一発セオリー: ヒスチジンを多く含む魚を食べて、蕁麻疹が出たら・・・ ヒスタミン中毒

いわゆる「ひかりもの」でたまに膨疹が出るが、これもそう?。

Script illuness14

症例:74歳男性

現病歴: 関節リウマチで通院中 数日前からの左下腿の腫れ・痛みを訴えて受診 外傷なし 手術歴なし

身体所見: ・発熱なし ・左膝窩部~下腿にかけて腫脹し、下腿背側に圧痛を認める ・発赤なし ・左内果に三日月状の斑状出血(+) ・Homans'sign(+)

血液検査  血算・生化学に異常なし  Dダイマー13.0μg/ml 超音波検査で深部静脈内に血栓(-) CT検査で下腿深部に進展する嚢胞性病変

一発診断: ベーカー嚢腫の破裂

ベーカー嚢腫の破裂

ベーカー嚢腫・・膝裏にみられる嚢腫のこと

危険因子 ・関節に問題がある患者の5~32%でみられる ・変形性膝関節症 ・関節リウマチ ・半月板損傷 ・外傷の既往 ・膝の過度の使用

症状: ・深部静脈血栓症と類似(偽性血栓性静脈炎pseudothrombophlebitis) :発赤・熱感・疼痛・腫脹→深部静脈血栓症が疑われた患者の2~6%が本疾患 ・ベーカー嚢腫が破裂しても痛みを伴わず腫脹のみのことがある

身体所見: ・膝窩から足首にかけての斑状出血 とくに内果にみられる場合→三日月サイン ・Homan's sign陽性になることも

治療: ・保存的治療 安静・下肢拳上・消炎鎮痛薬の投与など ・効果が乏し場合→嚢腫摘出術・滑膜切除術

局所性(片側性)浮腫の場合 1)静脈性 深部静脈血栓症(DVT) 2)炎症性 蜂窩織炎 3)リンパ性 リンパ浮腫 4)外傷性 ベーカー嚢腫の破裂 5)その他 痛風・血管性浮腫など

一発セオリー: 膝関節症のある患者でみられた深部静脈血栓症に似た症状で超音波検査で静脈内に血栓を認めず、内果に三日月状の斑状出血があれば・・・ ベーカー嚢腫の破裂

これはさすがに内科外来は受診しないので、見たことはないが、内科通院中の高齢者から既往歴として聞いたことはある。


 さらに!一発診断100 (プライマリケアの現場で役立つ)

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

食べられない、動けない

2019年06月22日 | Weblog

 今日は内科の地方会に出席した。あまり参考になる内容ではなかったが、12単位(地方会5単位+教育セミナー2単位+教育講演会5単位)もらったので、それで良しとする。この週末は「ケースで学ぶ不明熱の診断学」を読み返すことにした。

 

 金曜日の昼前に汲々当番の外科医から連絡がきた。85歳女性が食べられない・動けないということで救急搬入されていた。患者さん本人の訴えはなく、発熱・疼痛・呼吸困難はない。救急搬入というよりは、移動手段として救急車を利用したことになる。

 8年前まで当方の外来に糖尿病で通院していたが、DPP4阻害薬のみでHbA1c6.2%と良好だが、最後のころはグラマリールを処方していた。認知症のBPSDで家族が困っていたのだろう。この後は通院をいやがってそのままになったらしい。現在はどこの医療機関にも行ってない。今日はHbA1c6.0%だった。やせたのもあり、糖尿病の治療は不要だった。

 独身だったので、兄とその娘(姪)と生活していた。失明しているが、家の中は何とか歩行していた。先月の連休明けに転倒したが、その後も歩行はしていた(骨折はない)が、しだいに自力では歩行しなくなった。姪の介助でトイレまで行っていたが、それも難しくなって、寝たきりになった。食事量もしだいに減少して、1週間前からはまったく食べなくなったそうだ。

 検査では肺炎はなく、特に脱水を示唆する所見もなかった。頭部CT・胸腹部CTで異常がなかったが、頭部MRIを追加すると新鮮な小さなラクナ梗塞がひとつあった。それで説明できる病状でもない。

 呼びかけると返事して少し喋るが、すぐに目を閉じてしまう。とても食べられそうもない。週明けまで点滴を継続して、ST介入で嚥下訓練を下肢するが、STさんも困ってしまいそうだ。

 表現としては全身衰弱か老衰になる。このまま食べられないかもしれませんと姪ごさんに伝えたが、「自然な形でいいです」ということだった。もっと早く連れて来るべきでしたと言っていたが、結果は同じでしょうと伝えた。父親とその姉(伯母)まで介護しているのだから立派なものだ。この姪御さんには見覚えがあり、親戚の高齢者が入院した時も責任者として来てきたはずだ。病状悪化時はDN(A)Rとさせてもらった。

 

 次に救急搬入された高齢男性は右胸膜炎で、別の内科の先生が呼ばれていた。胸腔穿刺で検体を提出していたが、6か月前の検査では肺病変はなく、肺癌・肺結核は否定的か。通常の肺炎・胸膜炎でいいかもしれないが、こちらは大変そうだ。

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

発熱が続く

2019年06月21日 | Weblog

 内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)に相談された。先週入院した76歳女性が入院後も発熱が断続的に続いているという。

 この方は一人暮らしでて、近くには息子夫婦がそうだ。家庭菜園で作業をしている時に、意識消失はないが、ふらつき・脱力で倒れてしまった。近くの人が気づいて救急要請した。

 午後6時過ぎに当院に搬入されて、当直医だった外科医が対応した。胸腹部CTでは肺炎などの異常を指摘できなかった。炎症反応上昇と軽度の尿混濁があり、昨年出血性膀胱炎で入院した既往もあり、尿路感染症(急性腎盂腎炎)疑いとして入院になった。

 セフトリアキソン点滴静注を継続していたが、炎症反応は不変だった(白血球数は正常域で、CRPが20前後で横ばい)。入院時に提出された尿培養では有意な菌は検出されず、血液培養2セットも陰性だった。

 末梢静脈からの点滴が漏れてしまい、点滴できそうな静脈がない方で、PICCを挿入していた。一昨日はスパイク状の高熱が出たこともあり、血液培養再検の結果を待ってからの抜去もあったが、カテーテル関連血流感染疑いでPICCのカテーテルを抜去した。昨日今日と解熱傾向には見える。

 食事摂取できるので、500mlの点滴は不要だった。セフトリアキソンが効かないカテーテル関連血流感染だと、MRSA・MRSE疑いなので、教科書的にはバンコマイシン点滴静注で血液培養の結果待ちになる。しかし末梢静脈ほ確保が難しい。他の部位からのCVカテーテル再挿入もちょっと(必要なら行うが)。

 感染症ではなかった可能性も考えた。入院直後には発熱以外に症状の訴えがなかったようだが、入院後は頭痛を訴えて、アセトアミノフェンを内服していた。病室に行って詳しく話を訊いてみると、痛いのは右側頭動脈だった。拍動は触れて、索状硬結というほどではない。話をしながら何度か触知したが、やはり右側頭動脈に圧痛がある。左側頭動脈にはまったく所見がなかった。

 顎跛行の症状は自覚していなかった。視力障害も自覚していない。リウマチ性多発筋痛症様の症状はなかった。巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)の可能性があるが、これだけでは確定しがたい。

 月曜日に血液検査を入れていたので、血沈と入院時からある凝固異常の再検を追加した。困った時は、内科専攻医が所属するホスト病院に連れて行ってもらう?。

 

 

 

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする