なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

新著が出た

2019年04月30日 | Weblog

  「ユキティのER画像Teaching File」の著者である熊坂由紀子先生の新著「ユキティのなぜ?からはじめる緊急MRI」が出たので、さっそく購入した。主に脳神経領域について記載していて、他の領域もプラスしているという構成になっている。これでMRIがちょっとわかった気になるかもしれない(内容ではなく理解力の問題)。

 当院の外科医2名は、著者の勤務する岩手県立中部病院から赴任してきたので、直接熊坂先生の院内でのレクチャーを聴いていた。直接聴く機会はまずないので、著書で勉強するしかない。

ユキティの「なぜ?」からはじめる救急MRI

 

 フィーバー國松こと國松淳和先生の新著も2冊出る予定で、アマゾンで予約している。これも楽しみだ。

 

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急性虫垂炎

2019年04月29日 | Weblog

 金曜日の早朝午前7時半に、前夜からの腹痛で48歳男性が救急外来を受診した。軽度の持続痛が続いて、時々強くなると訴えたようだ。嘔気もあったが下痢はない。

 当直の若い先生は、下腹部に軽度の圧痛があったが腹膜刺激症状はないことから、対症療法で経過観察とした。症状が継続したり、増悪した時には再受診するようにと伝えてカルテに記載していた。

 患者さんはその後午前中のうちに内科クリニックを受診した。血液検査で白血球増加(14800)を認めたことから、当院の消化器科に紹介となった。右下腹部に軽度デファンスと記載された。

 腹部造影CTでは腫大した虫垂と、糞石(入口部と先端との中間に)・壁肥厚・周囲脂肪織の炎症像(dirty fat sign)を認めて、明らかな急性虫垂炎だった。外科で緊急手術になって、無事に終了した。

 手術した外科の先生に訊くと、ちょうどいいタイミングで手術できたが、ちょっと遅れると穿孔して腹膜炎になるタイプだったと言っていた。

 いったん別のクリニックに行ったのが病院としてはちょっと格好悪い。患者さんは当院の病棟看護師長(男性)の友人で、結果的に医療機関を行き来したことになるので、不満を言っていたそうだ。

 早朝の受診の場合は、点滴と血液検査を出して、その日の診療が始まったら症状に相当する専門科を受診してもらうのがいいかもしれない。以前いた脳外科の先生は当直の時に早朝の受診があると、その日の診療が始まるのを待つように、と指示するだけだった(看護師さんが、専門の先生が来るまで待ちましょうと、患者さんを説得する)。

 

 

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連休の始まり

2019年04月28日 | Weblog

 連休前の金曜日は内科の当番だった。当直医は外部の先生で、当直医が自分の病院の勤務を終えて当院に来るまでの副当直にもなっていた。午後7時まで待機して、背部痛の高齢女性などを診察して、その後ちょっと調べ物をしてから午後9時に帰った。

 午後6時前に内科クリニックから連絡が来て、下部消化管出血(鮮赤色)が続いて検査でHb7g/dlに低下した患者さんの診察依頼だった。冠動脈にステントが入っていて、抗血小板薬が使用されている。当院では緊急の消化管出血に対応できないので、地域の基幹病院の消化器内科に連絡してもらうことにした。受け入れできない時はまた連絡します、と言われたが、その後電話は来なかった。うまく受け入れてもらえたようだ。

 自宅に着く直前に、当直医から連絡が来た。誤嚥性肺炎の92歳男性を入院させたいという。内科入院にして、翌朝までの抗菌薬と点滴を出してもらった。もうひとりいて、相談したいと言われた。

 内科医院から閉塞性黄疸の84歳男性が紹介されていた。まず基幹病院に連絡したが、内視鏡対応中で無理なので今日は当院で診るように、という返事だった。著明な肝機能障害を呈していて、入院してもその後の展望がなければ困ってしまう。

 例の下部消化管出血(たぶん大腸憩室出血)の対応で大変なのかもしれない、と思った。(紹介した内科医院の先生は、当院で対応できないのはよく知っているので、同様に断られて当院よこしたのかもしれない) とにかく、対応できる施設にお願いするしかない。

 遠方にはなるが、まず消化器病センターのある専門病院と、ダメならさらに遠方だが胆膵の治療で提供のある病院に連絡してもらうことにした。自宅に着いた後に連絡がきて、前者の病院から「明日来てもらえれば入院対応できる」と言ってもらえたという。一晩当院入院にして、胆管炎の抗菌薬投与をして、翌日に転院の予定とした。

 土曜日は日直なので、病院に着いてすぐに病棟に診にいった。閉塞性黄疸の患者さんは認知症もなくしっかりした方で、右季肋部痛は軽減していた(黄疸で黄色いが)。家族の車で出発してもらった。

 金曜日の当直の先生は、その他に急性アルコール中毒の48歳男性と25歳女性を入院させていた。律儀な申し送りをしてから帰って行った。

 男性の方は朝食をとれていて、もう両親が迎えに来るので退院するという(家庭のことでもめているという情報があった)。女性の方はまだ気持ちが悪いので朝食はとれなかった。退院希望だったので、点滴2本を午後までして、水分摂取を確認してから退院とした。

 土曜日の日直は受診数が比較的少なくて助かったが、高齢女性3名が内科入院になった。

 

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血液培養でStreptococcus pyogenes

2019年04月27日 | Weblog

 感染管理ナースから、血液培養2セットからStreptococcus pyogenesが検出された症例があった、と報告がきた。50歳女性が、今週の火曜日に右足の痛みで整形外科外来を受診していた。

 先月東南アジアに滞在している時から、靴擦れがあったが治療できずに放置していたという(本人の話なので、本当に靴擦れでいいかどうか不明)。38℃台の高熱もある。血液検査で白血球20200・CRP40.7と著明な上昇を認めた。血清クレアチニン1.38、AST・ALTが100台と肝腎機能障害も伴っていた。血液培養2セットが提出された。

 担当した整形外科の若い先生は、入院治療を勧めたが、子供の世話があるので入院できないと言われた。絶対的な入院適応であり、外来治療の危険性を説明して、同意書もとっていた。

 点滴静注に翌日・翌々日と通院したが、発熱が続いて腎機能障害が悪化してきた(血清クレアチニン4.53)。血液培養からグラム陽性球菌が検出されて、Streptpcoccus pyogenesと判明した。外来治療での対応は到底不可能で、致死的な経過になりかけている。県内有数の総合病院に紹介された。感染症がコントロールできないと、足切断になるのだろうか。

 届出感染症5類の劇症型溶血性レンサ球菌感染症相当で、保健所に届け出る必要がある。今時の若い先生はきちんと血液培養を採取しているものだと感心した。当院の血液培養は、以前よりは増えてきたが、月20件くらいでまだまだ少ない。

 

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肝性脳症の悪化

2019年04月26日 | Weblog

 一昨日アルコール性肝硬変の54歳男性が、山間の町の診療所から肝性脳症の悪化で救急搬送された。当直の外科医が対応して、血清アンモニア高値(195μmol/L、正常値は<75)を認めて、肝性脳症の悪化で入院にした。

 肝不全用アミノ酸輸液製剤(アミノレバンのジェネリク)が1回入って、翌日にはほとんど普通(患者さんとしては)に戻っていた。肝機能検査をみると、γ-GTPは正常域で患者さんの言う通り飲酒はしていないようだ。感染症の併発もない。増悪した原因がわからなかった。

 今年の1月に自宅で動けなくなっているところを知人が発見して、救急要請した。県境の町で、他県の総合病院(自治体病院の併合でできた大病院)に救急搬送された。

 患者さんは母親と二人暮らしで、急遽呼ばれた姉が、入院は県内の病院を希望したので、当地域の基幹病院消化器内科に転送された。もともとアルコールん多飲があるが、仕事がうまくいかなり、自宅にこもって飲酒を続いていた。アルコール性肝硬変からの肝性脳症が一気に悪化した。肺炎の併発や低ナトリウム血症(111だった)もあり、危険な状態だったが、何とか救命された。

 約1か月の入院で、すっかり筋力低下して、アルコール性神経障害(感覚障害)もあって歩行できなかったので、2月にリハビリ目的で当院に転院してきた。約40日の入院で自力歩行可能となって退院した。退院後の通院は、自力で通院できる地元の診療所に依頼した。

 4月初めに診療所を受診しているが、退院時には処方になかった(当院転院時点でもなかった)利尿薬が2剤追加されていた。今回確かにわずかに下肢浮腫があるが、その時はもっと目立ったのだろうか。末梢血や血清蛋白の値からは、血液濃縮を来していると判断される。おそらく利尿薬処方が肝性脳症悪化の原因になったのだろう。薬の残薬が合わないこともあったので、分岐鎖アミノ酸製剤(リーバクト)をきちんと続けていなかったことも可能性としてはあるが(ずっとやめていたわけではない)。

 前回の入院よりは短い入院で済むと見込まれる。連休中に何度か、肝機能検査と血清アンモニア値を測定して経過をみることにした。連休中は日直で2回出て、内科当番が4回あるので、飛び飛びには病院に出てくる予定だ。

 

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胆管癌

2019年04月25日 | Weblog

 今日は地域の基幹病院から2名の患者さんが転院していた。

 一人は今月初めにクリニックから腹痛で紹介されてきた71歳女性で、閉塞性黄疸・胆管炎・胆管癌疑いで、胆道系の内視鏡治療のできる先方の病院に救急搬送された。

 通常胆管癌だとすぐに内腔が狭窄して診断がつくため、それほど大きな腫瘤は呈さない。この患者さんでは、外側に向かった進行だったのか、かなりの腫瘤になっている。腹水が貯留して、膵尾部と脾臓の間の腫瘤形成もあった(播種からの進展だろう)。

 胆管ステントが挿入されて、黄疸は軽快していた。抗癌剤治療を勧めれれたが、希望しなかったため(主治医は頑なに拒否sれたと言っていた)、緩和ケアのみの方針になっていた。

 先週末に転院依頼が来た時には、退院は難しいという話だったが、その後食べられる様になったそうだ。連休明けまで経過をみるが、いったんは退院できそうなので、それを目指すことにした。

 

 もう一人は81歳男性で、昨日の午後に呼吸器内科の先生から転院依頼の連絡がきた。「いつものお願い~」で始まり、30秒くらいの簡単な経過説明の後、「診療情報を来るからよろしく」ということだった。連休になるので空きベットを確保しておきたいのだろうと忖度して、翌日の今日転院にした。

 先月大腸癌の腹腔鏡下手術を受けて退院したが、退院後すぐに嘔吐を繰り返して、誤嚥性肺炎になったらしい。癒着性腸閉塞だったか、特に何も言われていないようだ。本人は元気だった。歯が1本しかなく、入れ歯を作る途中で入院になったという。かなりの炎症で3週間の肺炎治療のため筋力が低下している。自宅退院までのリハビリ目的の入院だが、途中で嘔吐・肺炎再発がなければ長くならずに自宅に帰れそうだ。

 

 今日の午前中に急遽集められた会議に出た。経営コンサルト会社といっしょに経営立て直しを図る会議だった。ある程度長く入院できる中規模病院としては、急性期治療が終わった患者さんを紹介してもらって(転院)、在宅療養への調整やリハビリ(時には癌終末期の看取りも)を行うのが、稼働率向上にいい。

 当内科は基幹病院との関係が良好で、手に負えない患者さんは紹介させてもらって、急性期の治療が終了した患者さんを次々に引き取っている。科によっては関係が良くなくて、他の病院に回されてしまうこともあるそうだ。

 

 

 

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戻ってきて、すぐけいれん

2019年04月24日 | Weblog

 先週けいれん重積状態で地域の基幹病院脳神経内科に送った48歳男性が、けいれんが治まって戻ってきた。

 抗てんかん薬を調整していて、これで継続してくださいと診療情報提供書にあった。当院に搬入された時からあった仙骨部褥瘡が悪化したため、処置治療が必要だった。また精神遅滞があってこれまで自宅で兄弟が世話していたが、今後の福祉サービスの調整もつける必要があった。

 介護タクシーで来た時はしっかり開眼していて、(おそらく)ふだんの状態に戻っていた。もっとも、転院前は意識障害で救急搬入されて、非けいれん性てんかん発作が疑われて、一時的に意識がある程度戻った後はけいれん重積状態になったため、ふだんの状態は初めて見る。

 転院してきてすぐから、ミオクローヌスのような四肢のピクッという動きがあって気になっていたが、昼食後から四肢のけいれん・口唇の不規則な動き・眼球の偏移が始まり、意識消失していた。ちょうど外来診察の終わった神経内科医に連絡して、診てもらった。

 緊急で脳波検査を入力して、検査後は内科病棟から神経内科病棟に移ることになった。今日もまた意識が戻ったとは言えない状態らしいい。転院前に起きれば、転院は延期になったはずだが、何ともタイミングが悪かった。

 

 昨日内科クリニックから、84歳男性が心不全の悪化で紹介されてきた。1週間前から肺炎のため連日外来で抗菌薬を投与していたそうだ。解熱して炎症反応も陰性化したが、胸部X線で左胸水(右も少量)が出てきた。もともと心房細動があるが、その日の心電図ではnarrow QRSが規則的に出現して、P波もf波もなかった。心拍数は44/分の徐脈を呈していた。

 バイタルは問題なく、酸素飽和度は97%(室内気)と良好だった。食事摂取もできる。BNPは以前と比べて倍に増加していた(200から400)。循環器科医に相談すると、その日循環器科で5名の入院があり(そんなに多いのは初めてだろう)、明日の入院にしてほしいという。

 最初は「徐脈ですね~」ということだったが、後で「完全房室ブロックです」と言われた。房室結節より上部(心房内)でブロックがあり、補充調律として房室結節リズムが出ていると読むらしい。

 

 

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よくわかりません

2019年04月23日 | Weblog

 内科医院からの紹介で75歳男性が内科外来を受診した。主訴は右鎖骨窩が発作的に痛くなるというものだった。受診した時は症状がなく、同部には圧痛もなにもない。

 2週間前から発症していた。夜間に寝ている時には症状はない。朝起きて5分くらいしてから起き始めるという。持続時間は20~30分だった。胸やけや呑酸の症状はない(逆流性食道炎としてPPIが処方されていた)。労作時ではなく、安静時の症状だった。寝たり、上を向くと症状が改善するという。上肢の症状はなく、胸郭出口ではない。

 整形外科クリニックで、同部に麻酔薬の局注をしてもらったり、NSAIDの内服が処方されたがまったく良くならないそうだ。昨日は当院の整形外科外来を受診したが、外来で診た先生(大学病院からバイト)は、「整形外科でみるような症状ではなく、内科疾患の精査をすべき」、と内科医院に報告書を書いていた。精査と言われても胸部X線・心電図は異常がないので、内科医院でも困ったらしく、昨日の夕方に当院内科外来の予約依頼がきた。

 胸部X線・心電図を確認したが、異常はない。左側腹部も時々痛いということで、頸~腹部CTをみたが、痛みのある部位を含めて異常はなかった。血液検査でも糖尿病であること以外は異常がない。

 検査の結果待ちをしている間にも、6回症状が出ては治まったという。心電図室の前で待ってもらって、症状が出たらすぐに心電図をとってもらうことにしたが、待っていると意外に症状は出なかった。痛みの出る状況に少し違和感があるが、心疾患の放散痛の可能性があり、循環器科と相談して冠動脈CTを行うことにした。

 結果は、冠動脈石灰化は数か所にあるが内腔は保たれており、心カテまでする必要はないようだ。冠動脈攣縮は否定できないので、心臓ではないともいえないが。

 症状が出た時用に、ミオコールスプレーを出して、サインバルタ(20mg)1Capを開始することにした(薬の説明をしたら希望したので)。連休明けの2週間後に予約を入れて、症状が続くときは休み中でも受診するよう伝えた。さて、どういう経過になるか。

 

 

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無難に終わった日曜日

2019年04月22日 | Weblog

 昨日の内科日直は外部の先生だった。通常は大学病院などからのバイトだが、昨日の先生はなんど開業医。

 当院からの依頼ではない。この若い先生は市内で開業している泌尿器科クリニックの先生の息子さんで、ご自身も泌尿器科医だった。この度市内に別のクリニックを建てて開業する。奥さんも内科のドクターで、父親もそのクリニックでいっしょに診療するらしい。

 その先生から当院の院長先生宛てにメールが来て、「地域医療に貢献したいので、月1回日曜日に内科の日当直に入りたい」、と申し出があった。その後直接院長先生に面会に来られた。今月からなので、昨日が初回だった。

 当方としては、病棟の患者さんが土曜日に高熱を来したので診察に来る必要はあったが、日曜日の内科当番に入っていたので、前から病院で待機するつもりだった。

 外科の日当直が常勤医だったので、腹部疾患については相談できる体制だったこともあり、またたまたま肺炎の入院がなかったので、内科入院依頼はなかった。

 その先生は連休中にも内科日当直として入ってくれる予定になっている。開業医生活が実際に始まると、当院での診療にいつまで入るかはわからないが。診療自体は無難にこなしていたようだが、日曜日の救急にしては受診が少なく重症がいなかったので助かった。救急搬入が続けて入るとかなり大変なので、常勤医の待機は必要だろう。

 

 金曜日、土曜日そして日曜日と、3日連続で救急搬入された82歳男性は、日曜日にやっと入院した。金曜日に上腹部痛で受診した時に、救急当番の外科医が総胆管結石・胆嚢結石の診断を付けていたが、入院や他病院への紹介は拒否して帰ってしまった。

 土曜日はろれつが回らないと周囲の人が救急要請したが、脳血管障害はなく、単に飲酒の影響だった。その日も入院拒否で帰宅した。日曜日上腹部痛で搬入された時には、東海地方に住んでいる娘さんが(たぶん親戚から連絡がいって)来ていて、その説得に応じて入院した。外科当直は金曜日に診断した先生だった。

 今日地域の基幹病院消化器内科に連絡して、総胆管結石の内視鏡治療のため転院していった。外科医は、(向こうの先生は)丁寧な対応だった、と喜んでいた。

 

 土曜日に高熱を出した69歳男性は、日曜日に病室に診に行くと、全身に発疹(紅斑)を認めた。尿路感染症で投与していたバクタの副作用(薬疹)と判断された。今日胸部X線・血液尿検査をしたが、感染症は否定的だった。皮膚科で診察してもらったが、スティーブンス-ジョンソン症候群・TENなどのような重症ではないということだった。

 バクタの皮疹は有名で3~4%に起きるらしい。院内でバクタを使っているのは当方くらいで、地味な(渋い?不適正な?)使い方になる。

 

 

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胆石性胆管炎

2019年04月21日 | Weblog

 3月21日(春分の日)の日直の時に、発熱・腹痛の91歳男性が救急搬入された。血液検査と画像検査で総胆管結石・胆管炎の診断は容易だったが、当院では対応できない。CTで総胆管の中部に結石2個を認め、末端には結石1個が嵌頓していた。鎮痛薬でも腹痛がとれない。

 総胆管結石・胆管炎の紹介先としては、一番近い地域の基幹病院・消化器病センターのある病院・胆膵疾患で定評のある病院の3か所が候補に挙がる。

 その日別の総胆管結石・胆管炎の患者さんもきていた。その患者さんを診ていた外科の先生が、先に連絡して、まず地域の病院は受け入れできず、その後連絡した消化器病センターのある病院に搬送となった。あとは最後の病院しか残されていない。かなり遠方になり、ここしばらくは搬送していなかった。どうなるかと思いながら、連絡すると快く引き受けてもらえて、ありがたくすぐに搬送した。

 

 そちらの病院から返事の診療情報提供書がきていたが、かなりすごいことになっていた。搬送時にはバイタルは保っていたが、先方に到着した時には敗血症性ショックとなり、血圧が低下していた。ノルアドレナリン投与の病状で総胆管結石の内視鏡治療はできず、緊急避難的にPTGBD(胆嚢ドレナージ)を行ったそうだ。

 その後に内視鏡治療を行ったが、全身状態から乳頭切開・総胆管結石切石術まで行う余裕はなく、胆管ステント挿入にとどまった。もともと慢性心不全(相当な心拡大)と慢性腎不全があり、胆管炎をきっかけに悪化していた。

 腎センターのある病院に相談したところ、そちらで治療してもらえることになり、転院になったという経緯だった。引き続き紹介先の病院と連携して治療を行って参ります、と記載されていて、すごく立派な対応なのだった。大変なお手数をおかけして、申し訳ありません。

 外科の先生が搬送した患者さん(93歳男性)はバイタルが安定していて、次の日には内視鏡的治療を受けて、数日で退院になったという報告がきていた。

 

 

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