なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

癌性胸膜炎、後縦隔膿瘍?・心嚢液貯留

2014年09月12日 | Weblog

 4日前の夜に当直帯で入院した85歳男性は左胸水が大量に貯留して、心臓・右肺を圧排していた。胸腔穿刺を行うと、淡血性の胸水が引けた。胸水細胞診を提出すると、小細胞癌が検出された。喀痰細胞診でも小細胞癌と診断された。手術適応はないし、年齢的に抗癌剤治療の対象にはならないと思われた。

 5月に外出して倒れ、当院に搬入された既往がある。検査してこれといった異常はなく、暑い日に歩き回った結果ということで、熱中症のようなもの?という結論で退院していた。その時の胸部X線を癌はあるはずという目で見た。左肺に数ミリの陰影があり、ひょっとしたらこれが原発かと思われるが、確定はできない。それにしても、進行が速い。やるとすれば、胸腔トレーンを挿入して、胸水をできるだけ排出して胸膜癒着術だろう。主治医になった内科の先生が家族と相談すると、専門医に診てもらいたいという希望があり、地域の基幹病院呼吸器科に転送した。そちらでは胸膜癒着術にどんな薬を使うのだろうか。自分がこれまで行った数少ない胸膜癒着術では、ピシバニールとミノマイシンだった。

 

 3日前に食欲不振で入院した86歳男性は、入院したからはそれなりに食欲はあった。入院時の胸腹部CTで後縦隔に腫瘤様の病変があった。また心嚢液も貯留していた。炎症反応が上昇していて、微熱がある。最初単純CTだったので、改めて造影CTをとると、外側が造影されて、内部は液体化していた。放射線科医の読みでは膿瘍ではないかという。膿瘍が心嚢に穿破したのではというが、確定はできない。2年前にCTで後縦隔に石灰化したリンパ節があり(腫瘤はない)、結核の既往が疑われた(治療の既往はなし)。食道に近接しているが、上部内視鏡検査では食道は異常なしだった。今のところ、穿刺して吸引できるほどの心嚢液ではない。

 当院でこれ以上の検索はできない。いつも急性心筋梗塞の患者さんを紹介している心臓センターのある病院には、心臓血管外科・呼吸器外科もそろっているので、そちらに紹介することにした。当院の循環器科医が、以前来ていたその病院の循環器科の先生に電話するとすぐに送ってほしいと快く引き受けてくれた。その先生は経食道エコーの資格をもっているそうで、さっそく行うそうだ。他の可能性としてはリンパ腫だが、表在も深部も含めて他の部位にリンパ節腫脹はない。結核なのだろうか。

 

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1 コメント

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小細胞癌 (とおりすがり)
2014-09-12 18:07:43
全身状態次第とは思いますが、ご本人や家族が強い希望があれば化学療法を行うかもしれません。小細胞癌は化学療法によく反応し、QOLも改善の可能性があるからです。

もちろん自分が主治医ならそれとなく緩和治療を推奨しますが。

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