なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

膀胱癌?

2018年04月30日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ていた。小児科内科医院の先生が91歳女性を直接連れてきた。深部静脈血栓症(予防?)ということで、他院からワーファリンが処方をされて、それを継続していたそうだ。両側下腿と左側腹部の皮下出血(腹部は筋肉内)があり、貧血になったという。

 患者さん自身は年齢の割に元気だったが、PT10秒・PT-INR6.31だった。確かに両側下腿はまだらに皮下出血があった。左側腹部はとつ痛があったが、それから数日して治まっているという。2年前に当院で検査したことがあり、Hb9.7~10.4g/dくらいだった。今日はHb7.7g/dl。今日は輸血しないで経過をみて、進行する時に考慮することにした。一人暮らしでもあり、入院してもらった。l

 2~3か月前から血尿がある76歳男性が下腹部痛で受診した。血尿は症状(痛み)がないんでそんままにしていたそうだ。下腹部ぶ腫瘤を触れたが腫大した膀胱だった。膀胱壁全体が不整に肥厚している。

 この方は3年前に胆嚢結石による腹痛で受診して短期間消化器科に入院した。その時の腹部CTで膀胱内の結節(腫瘍)を指摘されて地域の基幹病院泌尿器科に紹介された既往がある。膀胱鏡で治療を受けて、その後は終了になったようなことを言っていたが、中断かもしれない。同時期に糖尿病で消化器科の外来に通院して中断しているから。

 これはがんセンターへの紹介かとも思ったが、これまでの経緯もあり、前に治療した基幹病院泌尿器科へまず紹介することにした。

 その他にもインフルエンザの患者さんもまだいて、ヒトメタニューモウイルスの小児など、朝からずっと受診が続いた。今日は施設入所中の90歳女性の心肺停止から始まった。心肺蘇生にまったく反応なく、死亡確認した。AIで肺炎を認めた。

 

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胆管癌ではない?

2018年04月29日 | Weblog

 内科クリニックからMRCPの画像検査だけ依頼された89歳男性は、胆管疑いと診断された。その後に改めて当院消化器科外来に紹介されてきた。閉塞性黄疸は当院では基本的に受けていないので、対応できる他院紹介を勧めているが、今回は消化器科医が受けた。

 腹部造影CTが行われて、総胆管中部に造影される腫瘤を認めた。これは胆管癌でいいと思っていたが、黄疸が改善しているという。MRCPで見るともっと黄疸がひどそうだが、実際は総ビリルビンが3.2mg/dlだった。それが再検して1.4mg/dlまで下がっていた。

 さらに腹部エコーで総胆管を見ると、腫瘍があると思われた部位はdebrisエコーのように描出された。そしてそこにはドップラーで血流がなかった。総胆管内に腫瘤様にdebrisがたまる病態なんてあるのか?。予想外の結果でわからなくなってきたが、やはりERCP(+内視鏡処置)が必要な気がする。

 

 「ケースで学ぶ不明熱の診断学」は興味深かった。最後の2症例が典型的な伝染性単核球症(EBV)・偽痛風で、症例の順序はちょっと変かもしれない。

 ケースで学ぶ 不明熱の診断学

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頸部リンパ節炎

2018年04月28日 | Weblog

 早朝に32歳女性が40℃の高熱と頭痛で救急搬入された。当直はここ2年くらい来てもらっている他の病院の先生(バイト)で、かなりの頭痛を訴えたので髄膜炎かと思いました、と言っていた。頭部CTは異常がなく、鎮痛薬を使用すると頭痛は軽減した。意識清明で髄膜刺激症状もないので髄膜炎ではないようです、という申し送りだった。頸部リンパ節の腫脹と疼痛・圧痛があり、頸部~胸部のCTも施行していたが、リンパ節腫脹だけだった。咽頭痛はない。

 4日前の火曜日から右頸部痛を自覚していた。水曜日には最初37℃台の発熱で、夜間には38℃台になった。頸部痛と高熱が続き、金曜日に内科クリニックを受診して抗菌薬(ジェニナック)NSAID(ロキソプロフェン)を処方されていた。咽頭・扁桃はまったく異常がない。右頸部リンパ節が腫脹して圧痛がある。甲状腺は腫脹も結節もなかった。咳・痰はなく、胸部CTで肺炎像はなかった。頭痛は治まっていて、ふだんから時々頭痛があるそうで、発熱で増悪したらしい。

 インフルエンザ迅速試験は陰性で、血液検査で白血球数は正常域でCRPは軽度に上昇している。肝機能・腎機能は正常。菊池病だろうか。急性の経過で結核性やリンパ腫は考えにくい。NSAIDで経過をみるのも考えたが、内科クリニックからロキソプロフェンが処方される前から、自分で市販の同じものを飲んでいたが効かないという。今日から連休に入り(明後日の30日に日直で病院に行くが)、緊急でなければ通常は5月1日に再検査になる。プレドニン30mg/日を3日間使用して、その結果をみることにした。

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退院前に既往歴

2018年04月27日 | Weblog

 先週の土曜日に98歳女性が高熱で救急外来を受診した。尿路感染症(旧姓腎盂腎炎)の診断で入院した。当直の外科医が抗菌薬(セフトリアキソン)を出して、週明けにあとは内科でよろしくと言われた時には、順調に解熱軽快していた。

 後は抗菌薬の投与期間をどうするかという問題だけなので、あまり気にしていなかった(何しろ忙しい)。連休中の退院が決まったので、入院サマリーを書き始めた。すると、昨年は複数の病気で受診・入院していた。

 1月に慢性硬膜下血腫で受診している。地域の基幹病院脳外科に紹介されて、これは予想通り保存的治療になった。治療内容は記載されていないが、多分五苓散なのだろう。

 3月には急性胆管炎で受診している。総胆管末端に総胆管結石を認め(胆嚢結石も)、著明な肝機能障害があった。消化器センターのある専門病院に救急搬送された。内視鏡的に総胆管結石が摘出されて、超高齢者であることから、胆嚢結石は経過観察となった(ERCPは送られてきた画像)。4月に急性胆嚢炎で当院に入院したが、保存的に治癒した(担当は別の内科医)。

 しばらく無事だったが、今回は急性腎盂腎炎で1年ぶりの入院になった。腎臓辺縁がケバ立っているが、これは特異的な所見とはされていないようだ(以前は腎盂腎炎の根拠にしていた時期がある)。

 なるほどそんな既往があったのかと、退院直前に確認するという雑な診療ではある。入院サマリー記載だけは早く、退院日が決まるとすぐ記載している。数日経つと、何の患者さんだったがまったく忘れてしまうから。

 

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透析患者の肝膿瘍

2018年04月26日 | Weblog

 AST(抗菌薬適正使用チーム)で週1回院内の抗菌薬使用で問題になる症例を検討している。血液培養陽性例、特定抗菌薬使用例(カルバペネム・抗MRSA薬)、抗菌薬長期使用例(2週間を越える)が対象になる。ほとんどICN(感染管理認定看護師、正確にはCNIC)と細菌検査室の検査技師さんに任せていて、当方は感想を述べるだけ。それを週1回来ている感染症専門医の先生に診てもらってコメントをいただいている。

 今週は血液培養陽性例で、血液透析を受けている78歳男性の症例が上がってきた。血液培養2セットから大腸菌が検出されていた。肺炎はなく、尿路感染症かと思われたので、透析患者さんの尿路感染症は診断が難しいとか、de-escalationできそうという話になったが、違った。

 7年前に血液透析導入になっている。一人暮らしで、子供はいるがあまり関わり合いになりたくない様子だ。生活が乱れていて、暴言・暴力もあるらしい。透析はいやだと言い出してもめたりしている。

 今回は透析日に来院せず、自宅に連絡したり兄弟に連絡したりした。その後ふらふらしながら病院の駐車場まで車を運転してきたらしいが、そこから動けなくなっていた。その日は透析をして入院になった。

 入院後に発熱があり、炎症反応上昇と若干の肝機能障害もあった。胸腹部CTで肝臓内に膿瘍と判断される陰影があった(もともと多発性肝嚢胞もある)。血液培養を提出して、抗菌薬(メロペネム)が開始された。その後解熱して、炎症反応も改善してきた。

 腹腔内感染症だと培養で検出されなくても嫌気性菌カバーになるので、抗菌薬は変更し難い。

 透析患者さんだと、1日1回メロペネム0.5gのみの投与なので、DPC的には助かると、変なことを思ってしまった。入院すると透析費用は別会計だった?。むしろ、治療は長くかかるし、果たして自宅退院できるかどうかもわからない。

 

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関節炎で悪寒戦慄?

2018年04月25日 | Weblog

 先々週85歳女性が不明熱として内科クリニックから紹介されてきた。認知症で総合病院の脳外科に通院しているそうだ。夫はしっかりしていて在宅で介護している。3月25日・29日、4月2日・6日に痙攣したと夫が表現したが、発熱があり悪寒戦慄と判断されると紹介状に記載されていた。

 4月7日に内科クリニックを受診した。気道症状がなく、尿路感染症としてニューキノロン(グレースビット)が処方されている(嫌気性菌カバーはいらないと思うが)。検査では白血球数8300・CRP10.9だった。9日に、症状が続くと同クリニックを再受診している。

 4月11日紹介で当院を受診した。夫の話では熱が出てぶるぶる震えるという。悪寒程度か悪寒戦慄か判定しがたい。寒い寒いと騒ぐらしいが、患者さん本人は今現在のことしかわからない。診察して有意な所見に乏しかったが、左足関節の熱感・腫脹があった。いつからあるのか聞いてみると、4月7日にその左足関節の痛みで整形外科クリニックを受診していた。NSAID(セレコックス)が処方されている。

 4月11日の検査では、白血球5300・CRP1.1と軽快していた。尿検査は異常なし。感染症に対して抗菌薬が効いたというより、関節炎に対してNSAIDが効いたと判断される。化膿性関節炎でもないだろう。念のため血液培養2セットを提出した(結果は陰性)。心エコー(経胸壁だが)で疣贅なし。

 NSAIDのみで経過をみてもらうことにした。4月23日予約日前に再受診した。まだ熱(微熱)が出没して、がたがた震えるという。足関節炎は軽快していた。検査では、白血球数6600・CRP0.0(!)になっていた。

 病気自体が治癒したとは言わないが、検査上は治癒の結果と説明したが、夫は震えるのが心配という。NSAID継続にアセトアミノフェンも追加して、もう2週間経過をみてもらうことにした。

 化膿性以外の関節炎で悪寒戦慄はあるのだろうか。CRP医者といわれそうだが、CRPの特性を知って重視する忽那先生派だ。

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肝硬変、胆管癌

2018年04月24日 | Weblog

 68歳女性が肝臓の精査依頼で内科小児科医院から消化器科に紹介されていた。HBs抗原・HCV抗体は陰性で、抗核抗体・抗ミトコンドリア抗体も陰性だった。アルコール性でもない。肝機能としてはAST37・ALT16・ALP268・γ-GTP61・総ビリルビン1.8と大人しい値だった。

 腹部造影CTでは肝表面の凹凸・左葉肥大・脾腫があり、肝硬変で違いない。この時点では非代償性になる。肥満があり、これまでの経過が不明だが、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)からの肝硬変と推定された。現在、大学の肝臓専門医が毎週来ているので相談することになった。これだと特別な治療はなさそうだが、高血圧症と脂質異常症の治療は継続するとして、肥満症の治療はどれだけ効くのだろう。

 内科クリニックから閉塞性黄疸でMRCPの検査依頼があった。患者さんは89歳男性。いったんクリニックに戻って改めて当院の消化器外来へ紹介したいと、地域医療連携室に依頼がきた。たまたまひとり消化器科医がいなかったので、連携室の職員から相談された(後で報告しておいた)。MRI/MRCPを見ると、中部胆管に腫瘤があり、上流の総胆管から肝内胆管が拡張している。まさしく胆管癌・閉塞性黄疸だった。

 通常は直接外来に紹介になるが、疼痛や発熱がなかったので、クリニックの先生はまず画像を見てからと思ったらしい。当院では胆膵の治療はできないので、胆膵の専門医のいる地域の基幹病院消化器内科に直接紹介してもらうことにした。

 クリニックと病院の違いは、Dr.CTとDr.MRIがいるかいないかの差だと思う(一応それだけでもないけど)。

 

 國松淳和先生の著書を全部購入している。昨年東京でのスキルアップセミナーに、國松先生が出る回があったので行きたかったが(一度本物を見たいというだけ)、都合がつかず行けなかった。CareNeTVの大手町病院のセミナーで「ステロイドの効く病気」を講演されている。所属が南多摩病院というところにかわっていてちょっと驚いた。

 

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肝膿瘍?

2018年04月23日 | Weblog

 昨日の日曜日に68歳女性が救急搬入された。発熱と上腹部痛で内科医院を受診して、アデノウイルスと診断されたそうだ。たまたま検査したら陽性に出ただけだと思うが。外科の先生が対応して、血液培養2セットと尿培養を提出していたが、発熱の原因は不明とされていた。

 今朝内科の先生に診療依頼があったらしい。CT画像を見ていると、隣にいたその先生に、S1がおかしいですよね、と言われた。単純CTだが、S1に嚢胞様に陰影があり、胆嚢壁も肥厚しているように見えた。入院時には39℃の発熱があり、炎症反応は白血球数7700・CRP11.5だった。肝機能は正常域で、そこは合わない。

 造影してCTを再検するという。胆嚢の評価に腹部エコーもしましょうか、と言った。腹部エコーで胆嚢内に結石はないが、壁肥厚がある。S1の病変はエコーではよくわからない、造影CTでは、肝臓のS1に多房性の腫瘤があり、放射線科の読影レポートは嚢胞性腫瘍か肝膿瘍かとあった。発熱があり、臨床的には肝膿瘍と判断される。部位的に穿刺はできないので、抗菌薬で治療するしかない。入院後はゾシンが開始されて、今日は解熱していた。何とかなりそうだ。直接つながってはいないが、胆嚢炎からの波及なのだろうか。

 学会出張の時に、東野圭吾さんの「加賀恭一郎シリーズ 新参者」を読み返していた。改めてうまく作るものだと思った。テレビドラマも良かった。原作本を読んでいるだけで、主演の阿部寛さんの顔が浮かんでくる。

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消化器病学会

2018年04月22日 | Weblog

 4月19日~21日は消化器病学会(京王プラザホテル)に行っていた。「慢性便秘症診療ガイドライン」が出たことで、便秘症のシンポジウムやセミナーが目立った。今回は主に「便秘」と「肝疾患(自己免疫性肝疾患と薬剤性肝障害)」を聴いてきた。

 自己免疫性肝疾患(AIH・PBC・PSC

 急性肝不全の原因は、ウイルス性が減少傾向にあり、自己免疫性と原因不明が増加している。自己免疫性急性肝不全では、ステロイド(副腎皮質ホルモン)使用までの日数が長いほど予後が悪い(PT低下を待ちすぎる)。

 自己免疫性肝炎(AIH)の診断はsimplified AIHG scoreで行うが、できるだけ肝生検を行って診断を確定する(肝臓専門医へ紹介になる)。AIHとPBCのoverlapやAIHと薬剤性との鑑別のあるので肝生検が必要で、肝障害の悪化や肝障害の遷延時は経時的肝生検が必要(やはり紹介になる)。治療にとして、亜鉛は線維化を抑制する(鉄は線維化を促進。フェリチン/亜鉛比が上昇すると線維化抑制)。

 AIHの17%にNAFLDが併発する。その場合、治療はステロイド投与が少なく、ウルソ使用が多くなる傾向がある。肝酵素の上昇は少ないが、線維化が多い。

 原発性硬化性胆管炎(PSC)は4割に潰瘍性大腸炎(UC)が合併する(PSC-UC)。若年者に多く、肝内胆管狭窄が強く胆道癌の合併が多いが、UCの活動性は低く右側結腸難型・全結腸型が多い。

 薬剤性肝障害(DILI)

 薬剤性肝障害は、ウイルス性よりトランスアミナーゼ価は低い傾向がある。劇症型は2.5%でウイルス性より高い。(国際的にはトランスアミナーゼが正常値の5倍以上を薬剤性肝障害とする)原因薬剤としては、抗菌薬・NSAIDが多いが、最近は抗癌剤や分子標的薬の比率が増加している(原因薬剤の変化)。抗核抗体陽性薬物性肝障害があり、最近は34%で抗核抗体陽性。AIHとの鑑別としては、組織学的にAIHの特徴に乏しく、無治療で軽快する。また経過をみると、抗核抗体値・IgG価が低下してくる。鑑別は肝生検。

 肝疾患それぞれにガイド(ライン)があって全部揃えるのも大変だ。研修医向けの本だが、これ一冊あれば、肝疾患に関しては充分なのでお勧めだ。

 改訂4版 必ず役立つ! 肝炎診療バイブル: 研修医・レジデント必携

 慢性便秘

 ROMEⅣが発表されて、機能性便秘症の定義がわかりやすくなった。排便時のいきみ・残便感・便が固いなどもあるが、実臨床としては排便回数が週3回以下というのが理解しやすい。排便障害に腹痛と伴うのが過敏性腸症候群(IBS)になるので、過敏性腸症候群便秘型は便秘+腹痛になる。逆に腹痛がほとんどないのが機能性便秘症。全人口の10%が便秘(実際はもっと多い?)。便秘は、排便回数減少型(大腸通過遅延型と大腸通過正常型)と排便困難型(硬便と軟便)に分類される。

 便秘薬としては、大腸刺激性はなるべく使用しないで頓用で用いる。日本でよく処方される酸化マグネシウムは高齢者・腎障害者で高マグネシウム血症に注意を要する。新規の便秘薬としては、すでによく処方されているアミティーザと、現在は過敏性腸症候群便秘型のみの適応だが近日中に機能性便秘症にも適応が広がるリンゼスがある。さらにPEGやラクツロースも形態を変更して便秘に適応が広がるそうだ。

 「慢性便秘症診療ガイドライン」は面白みがないので、臨床消化器内科2018年4月号「慢性便秘」の方がいいようだ。

 学会期間中、病院から全く連絡が来なかった。それなりの指示は出していたが、全く来ないのは珍しい。5月の糖尿病学会に行くのはやめたので、今年は10月の化学療法学会と来年2月の臨床微生物学会に行く予定。

 

 

 

 

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器質化肺炎でしょうと

2018年04月21日 | Weblog

 先月末に肺炎で入院した91歳女性は入院時から画像に奇異な印象を受けていた。夜間の受診で当直の外科医が「何かパラパラした陰影がありました」と言っていた。酸素飽和度の低下も目立たず、セフトリアキソンを1回点滴静注して、入院にしていた。

 そのままセフトリアキソンを継続していたが、発熱が続いていた。3日後の土曜日に酸素飽和度が低下して、胸部X線・CTで肺陰影が一気に広がっていた。分布と経過の速さにやはり奇異な印象を受けた。

 

 家族に呼吸器内科のある病院への転送を勧めたが、当院に愛着がある?のと、山間部の自宅から自分の車でお見舞いに来るのは当院までが限界という理由で、当院での治療継続を希望された。通常この年齢だと、認知症があったり元々のADLが悪かったりして、当院でできる範囲で治療して、それで増悪する時はDNRの方針とすることが多い。ただこの患者さんは認知症はなく、ADL自立なので、最良の治療をうけさせたかった。

 やむなく、抗菌薬を変更して、間質性肺炎疑いでステロイドパスル併用とした。すぐに解熱して、酸素飽和度の改善してきた。抗菌薬はカルバペネムだったが、薬疹が出て途中でニューキノロンに変更した。改善は抗菌薬変更前で、効いたのはステロイドだったと判断された。

 ステロイドパルスからプレドニン0.5mg/Kgにして点滴静注から内服に切り替えた。みるみる元気になって酸素吸入も中止になった。現在、リハビリ室まで車いすで行って歩行訓練中だ。

 大学病院から呼吸器外来に来てもらっている先生に相談したが、器質化肺炎でしょうという。特徴のないのが特徴だからと言われてしまうが、やはり特徴的陰影はあるようだ。「手引き」の記載によると、1~10mmの結節影というのが多発しているところや、CTの三次元画像で見ると、隣接する正常境域との境界が陰影側に凹というのも特徴的だ。

 初期量を1か月継続して漸減を開始するが、外来は呼吸器外来で診てくれるそうだ。

 

 

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