なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

全身浮腫

2024年04月19日 | 腎疾患

 4月17日(水)の午後に救急室で発熱外来をみていた。すると、救急担当の看護師さんたちが、今から腎臓内科の先生が緊急透析になる患者さんのカテーテルを入れる、と慌てていた。

 患者さんは48歳女性で糖尿病で市内の内科医院に通院していた。4月3日に風邪症状があり、医院から処方を受けていた。その10日後から身体のむくみが出現して、同院で利尿薬の処方を受けたが効かなかった。

 その日は息苦しさもあり、当院を受診した。全身の浮腫があった。胸腹部CTで肺うっ血・胸水・腹水貯留を認めた。皮下の浮腫も目立つ。血清クレアチニンが9.19mg/dLと著明に上昇していた。

 外来で診た内科の先生が、腎臓内科の若い先生に診療を依頼して、緊急透析となった。

 

 10年前に流産で産婦人科に入院した際に、糖尿病を指摘された。HbA1c10.6%で、内科に糖尿病治療が依頼されて当方が担当した。当時はHbA1cの表記が、JDSとNGSPの両者でされていて、過渡期だったようだ。(懐かしい)

 DPP4阻害薬から開始して、メトホルミンの追加、SU薬の少量追加(グリクラジド20mg)で、いったんHbAc1は6.7%まで改善した。そこから、HbA1cが7.2→7.8→8.1%と上昇していた。(当時はSGLT2阻害薬・GLP1受容体作動薬はなく、この3種が標準治療)

 インスリンの話などをしたのかもしれないが、当院の電子カルテは2016年からなのでわからない。(検査のオーダリングだけできた)1年ちょっと通院して中断していた。(市内の開業医の先生に紹介はしていない)

 こちらの診療が気に入らなかったのか、現在通院している内科医院は定評のある先生なので(最近代替わりした)、そちらがいいと思って通院先を替えたのかもしれない。

 2019年にたまたま尿管結石で当院を受診した時は血清クレアチニン0.73mg/dLで、2023年10月医院での血清クレアチニンは0.97mg/dLで尿蛋白(3+)だった。糖尿病性腎症はしだいに進行していたが、今回は急激に悪化している。

 腎臓内科の先生はacute on chronicと表現していた。急激な悪化の引き金は何だろう。回復の可能性はあるのだろうか。

 

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