なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

自宅で看取りは無理

2014年05月31日 | Weblog

 昨日午後6時ごろに内科クリニックから両側肺炎の98歳女性が救急搬入された。寝たきり状態で、最近はヤクルトや経管栄養食を少しずつ飲んでいたそうだ。上下肢が拘縮しているが、幸いに末梢血管は見えて、点滴ラインを確保できた。弱くうなるだけで発語はない。点滴量も絞らないと、かえって心不全になる可能性がある。少なめの補液と抗菌薬で経過をみるしかない。息子さん(といっても高齢)には、できる範囲で治療するが、悪化時の心肺蘇生術はしないことを伝えて了解してもらった。

 紹介状には、自宅で看取ってもいいとは思いますが、家族の希望で入院治療をお願いしますとあった。実際には、そのまま自宅に置いておくことはできないだろう。亡くなるまでの手続きとしての入院は必要だ。回復する可能性もゼロとはいえないし。

 今時だと、自宅で亡くなると、お家族がどうしていいかわからなくなる。病院での死亡時の処置、さらには病院を出るところから葬儀社がすべてやってくれる。病院のベットで亡くなったところから火葬してお骨になるまで、自動的にことが進む。

 隣の市にある公立総合病院の精神科外来に通院している70歳代の女性が救急搬入された。救急当番は外科医で、検査は一通り出して、あと手術にはいるのでよろしくと連絡がきた。この方は2週間前にも、今回と同様に倦怠感・食欲不振を訴えて救急搬入された。検査で異常がなく、アタラックスPの点滴静注で落ち着いたので帰宅としていた。今回は同じ薬でも落ち着かず、入院となった。通院している精神科は外来治療だけて(精神科医はひとりだけ)、入院はとっていない。処方はりフレックスなどの、いかにも心気症・うつ状態の薬だった。とりあえず、点滴して来週まで経過をみるが、入院したことで気持ちが落ち着くのを期待するしかない。

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リウマチ性多発筋痛症でしょう

2014年05月29日 | Weblog

 内科医院からの紹介で、78歳女性が発熱と関節痛?で受診した。20日くらい前から発熱(微熱)と後頭部・肩・上腕の疼痛が出現して、その2-3日後に腰から大腿部の疼痛もあった。一定の症状が出そろっからは程度は同じだという。歩行はできるが、しゃがんで起き上がるのがつらいという。疼痛のある部位に把握痛がある。頭痛はなく、触診で側頭動脈の拍動は正常に触れて圧痛はなかった。顎跛行もないようだ。肘・手・手指・膝・足関節痛はない。リウマチ性多発筋痛症と判断される。白血球数は7800、CRPが22、血沈は1時間値84mmだった。凝固系の異常が軽度にあるが、その他は異常なかった。プレドニン15mg/日内服を開始して、1週間後に再受診とした。

 ずっと忙しくて、月曜日に終わるはずの内科学会生涯教育講演会の出張報告をやっと書いた。昨日は医学書院から出た「神経症状の診かた・考え方」を購入した。まだ拾い読み程度だが、すぐに役立つ良書のようだ。今日は外科医の送別会と腎臓内科医の歓迎会を兼ねた歓送迎会。

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高血糖で嘔気嘔吐

2014年05月28日 | Weblog

 糖尿病外来に通院している56歳男性が嘔気嘔吐が続いて受診した。担当医(大学病院からの応援医師)から入院治療を依頼された。HbA1cは8%で、これは以前と変わりない。血糖が560と高値だった。左下肢痛で3日前に市販の鎮痛剤を飲んで、その後から?嘔気嘔吐が続いて、食べられなくなった。水分は少しとっていたらしい。食べないのでインスリン注射をやめていたという。

 整形外科に紹介した。椎間板ヘルニアによる神経根障害疑いと診断され、あとは鎮痛剤(ロキソニン・リリカ内服とボルタレン坐薬)で経過をみるようにという返事だった。内服はできないので、坐薬の頓用でいくしなかい。点滴を比較的急速に開始して、インスリン(ヒューマリンR)皮下注を行った。ふだんはヒューマログとランラスを使用している。1型ではない。ヒューマログのカートリッジタイプを使っていて久しぶりにみた。何でもプレフィルド(使い捨て)タイプに変えたら、具合が悪くなって?カートリッジに戻したという。

 点滴500mlが入って(インスリン皮下注の前)、血糖は490だった。明日まで点滴を継続して、どの程度良くなるか。腹部CTでみると、肝胆道系と膵臓に問題なしだった。胃もCT上だが特に異常はなさそうだ。鎮痛剤(市販のバファリン)は1回飲んだだけというので、その影響とも言い難い。高血糖による症状なのだろうか。

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卵巣に腫瘤はないがCA125高値

2014年05月27日 | Weblog

 64歳女性が整形外科医院から紹介されてきた。その医院の院長夫人だった。もともと体重100Kg超の肥満があるが、1か月前からさらに腹部膨満が進んだ。なんだか甲状腺機能低下症のようにも思えたが、受け答えは全く問題がなかった。実際甲状腺機能は正常だった。あとは悪性疾患だが、腫瘍マーカーの検査でCA125が3500と高値だった。卵巣癌が疑われる。

 腹部エコーでは見えないと思い、腹部造影CTを行った。腹水が中等度にあった。卵巣癌といえる腫瘤はなかった。膵臓癌でもない。わかりにくいが明らかな結腸癌もなかった。すくなくとも腸管閉塞による近位腸管の拡張はまったくない。体格的に大腸内視鏡は施行困難と思われた。消化器科医に相談すると、胃だけは診ておくことになった。ひどい逆流性食道炎を認めたが、胃癌はなかった。逆流は腹部膨満の結果だろう。腹壁が厚く穿刺しての細胞診もできるかどうか。

 婦人科医に相談するとMRIの方がわかるということだったが、MRIの撮影台に納まらない体格だった。以前MRI検査を受けたことがあるそうで、その時もぎりぎりだったという。その時よりも膨満しているので無理かもしれないと患者さん自身が言っていた。

 結局、消化器科医・産婦人科医・放射線科医と相談の上、原発巣の小さい卵巣癌の可能性が考えられるということになった。PET-CTが撮影できる(ダグラス窩からの穿刺細胞診も?)県立がんセンター婦人科に紹介することになった。

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膵炎の原因は?

2014年05月25日 | Weblog

 日曜日は内科学会生涯教育講演会Aセッションに行ってきた。H.ピロリ感染胃炎、IgG関連疾患、糖尿病、治療抵抗性高血圧症、頭痛、多発性硬化症、抗リン脂質症候群、関節リウマチ、高齢者救急医療。びっくりするような内容はないと思うが、ざっと話を聞いておくと、それぞれの疾患を勉強しやすくはなる。

 腹痛の75歳男性が隣町の病院から紹介された。先週の木曜日に嘔吐と腹痛で発症した。嘔気は消失したが、腹痛(心窩部痛)が続いて、高血圧症などでかかりつけの病院を受診した。CRPが21と上昇していたので、びっくりして紹介したようだ。普通に歩いて侵奪室に入ってきた。重症感はない。昨日よりは腹痛は軽減しているそうだ。心窩部に圧痛があるが、腹膜刺激症状はなさそうだ。腹部エコーで胆嚢が腫大しているが緊満感はない。debrisがあるが結石はない。エコーでは膵臓は異常なしとなっていた。

 造影腹部CTを行うと膵臓がやや腫れていた。膵臓周囲に浸出液が認められる。肝機能検査と血清アミラーゼは正常域だった。アルコールとしてはふだん日本酒1合/日で腹痛が出てからは飲んでいない。乳頭部の総胆管に空気像がある。総胆管結石が乳頭部に一時的に陥頓して、その後うまく排石した可能性がある。ピークを過ぎた?急性膵炎として入院治療とした。

 その後救急車で発熱・嘔吐の87歳男性が搬入された。S状結腸に多数の憩室があり、同部に圧痛がある。数日前に血便が出たらしい。憩室出血・憩室炎と思われる。肺炎、尿路感染症はなさそうで、胆道系も問題ない。Hb10の貧血があるが、便は正常で血便ではない。憩室炎として入院治療とした。

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抗酸菌鏡検陽性

2014年05月23日 | Weblog

 皮膚科で類天疱瘡の治療が開始された98歳女性が肺炎で入院していた。入院した1か月前は胸部X線・CTで誤嚥性?肺炎の浸潤影としていい陰影だった。入院後に、顔に天疱瘡というより、帯状疱疹と思われる水疱疹が出たりした(皮膚科医の診断は確定しがたい、だった)。炎症反応は横ばいで推移していた。経口摂取も困難で嚥下障害用の食事を出しても飲み込みは悪かった。入院後1か月経過したこともあって、担当の若い先生が胸部CTを撮り直してみると、両側肺の胸膜直下に空洞性の病変が散在していた。1か月で出現したのは早いような気がするが、いかにも抗酸菌らしい像だった。喀痰を提出するとガフキー陽性。1回だけだし、PCR・培養の結果をみないとわからないが、やっぱり出たかと思った。もともと希望で個室入院(この方はいつもそう)なので、助かった。来週初めにはPCRの結果が出るので、それを待つことになった。

 当地の基幹病院呼吸器科からいつもの転院依頼が来た。当院から紹介した80歳代女性は、胸水検査で肺癌(腺癌)と判明した。胸腔ドレナージと胸膜癒着術行われて、あとは緩和ケアになったとある。コンピュータの画面で、紹介した時の画像を見ると、左肺全体に浸潤影と胸水がある。確かにこの画像では、即転送が呼吸器科のない当院の常識的判断だ。診断と適切な治療をしてもらったので、あとは当院でおそらく最期までみることになるだろう。食事がとれない状態と記載してあるから、どれだけの治療ができるかわからないが、来週月曜日に転院可能と連絡した。

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慢性リンパ性白血病

2014年05月22日 | Weblog

 高血圧症・糖尿病で当院内科に通院している80歳女性は、4年前に慢性リンパ性白血病(CLL)と診断された。白血球数は15000前後でリンパ球が70~80%を占めていた。検査で異常があるが、自覚症状はなかった。慢性リンパ性白血病疑いで県立がんセンター血液科に紹介した。詳細な返事が返ってきて、CLLだが経過観察して治療の時期を決めるとあった。それから2か月に1回通院していた。患者さんは自覚症状がまったくなくて、受診しても検査だけで特に治療はしてないため、行くのを嫌がっていた。行くたびに病名を自覚せざるを得ないのがイヤなのだろう。病気になったことの愚痴をこぼしている、というのが正確なところだ。

 白血球数が3万、4万、5万となり、今月は約8万となった。抗がん剤治療を開始するかもしれないので、1か月おきの通院になったそうだ。抗がん剤を使われるなら家で死んだほうがいいとも言う。ここで治療を拒否すれば、4年間通院した意味がない。抗がん剤と言われて、感覚的に治療がイヤだと思うだけで、死にたくはないはずだ。治療する余地があると判断されているのだから、ちゃんと通院して治療が必要な時は受けた方がいいと伝えた。

 抗がん剤治療を自分で行ったことはほとんどない。前の病院にいた時、大学病院から本態性血小板血症の高齢女性が紹介されて、血小板数が100万を越えたらハイドロキシウレアと投与して下さいという指示で行っていたのを思い出した。

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誤嚥性肺炎

2014年05月21日 | Weblog

 先週金曜日に内科医院からの紹介で入院していた85歳男性が午後に心肺停止となった。ちょうど奥さんが病院に来ていて、立ち会った。そもそもは昨年8月に肺炎として紹介された。右肺全体にスリガラス状陰影が広がり、浸潤影もあった。通常の細菌性肺炎ではないと思われ、さらに基幹病院呼吸器科に紹介した。入院して肺膿瘍・肺アスペルギルス症と診断された。その後、入院による廃用症候群と食事摂取が進まないということで当院に転院した。約1か月入院して、幸いに全粥刻み食を食べられるようになった。介助で車いす移動はできるようになって自宅に退院した。

 今回は6日前にチアノーゼで救急搬入された。その日いつものように施設へデイサービスに行って、そこで四肢のチアノーゼを指摘された。かかりつけの内科医院に連れて行かれて、そのまま当院へ救急搬入された。発熱は37℃台で、頻呼吸だが呼吸困難の訴えはなかった(実際は症状を訴えられない)。胸部X線・CTで左肺に浸潤影があり、誤嚥性肺炎と診断した。何だか骨と皮状態になっていた。今月初めから嚥下困難が進行してほとんど食べられなくなっていた。よくデイサービスに出していたものだと思う。入院して、肺炎の治療を開始したが、思わしくなかった。ほとんど動かず発語もなかった。ところが。昨日一時的に急にしゃべり出して、動きが活発になった。酸素飽和度に変化はなかった。せん妄状態と思われた。今日は昨日のような動きはなく、昼過ぎに心肺停止となり、そのまま死亡確認となった。

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菌がまだ同定できない

2014年05月20日 | Weblog

 昨日も書いたが、先週土曜日に発熱(39℃近い)・下痢で入院した86歳男性は、次の日には少し熱が下がって(37℃台)、応答もよくなったので、そのまま抗菌薬なしで経過をみることにした。ところが、3日目の昨日は熱が38℃以上に上がって、そのうち40℃を超えてしまった。細菌検査室から、サルモネラ菌がでそうですと連絡が入った。昨夕からセフトリアキソンを点滴静注を開始して、今日は36~37℃になった(クラビットも併用するかとおもったが、1日様子を見た)。熱が下がると患者さんも楽そうだった。ただ、この患者さんは以前から飲み込みが悪かった。入院してからも、腎臓内科の降圧剤などを継続していたが、痰がからむと病棟看護師さんから毎日報告が来る。今日ノミコミ(嚥下障害の有無)をみるためにゼリー食出してみたが、やはり痰がからんでくる。そこから食事を上げていく予定だったが、明日まではそのままにした。今日1日待っていたが、細菌検査室から連絡はなかった。

 

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帰るなら今だが

2014年05月19日 | Weblog

 肺癌と膀胱癌の78歳男性が、緩和ケアで入院している。鎮痛剤をオピオイドにして、ステロイドも投与した。入院時の倦怠感・食欲不振はほとんど消失して調子がいい。せっかく良くなったので、いったん退院して悪化時に再入院としたいところだ。ところが、家族はずっと入院継続を希望して、ご本人も退院する気はない。癌であることは診断時から知らされている。

 現在の処方は、オキシコンチン30mg/日、デカドロン2mg/日、ガスモチン3錠・マグラックス(330mg)3錠分3、ラキソベロン液頓用。このくらいで良くなれば緩和ケアとしては楽な方だろう。

 用事があって外出を2回したが、その後は勧めても外出も外泊もしていない。身体的に緩和されれば、あとはスピリチュアルな問題なのかもしれないが、そこまではできない。そういう問題で悩んでいるようには見えないが、実際はどうなのだろうか。

 一昨日入院した感染性胃腸炎の86歳男性は発熱・下痢が続いている。今朝細菌検査室から、サルモネラの可能性がありますと連絡がはいったが、夕方になっても確定はされていない。結果は明日のようだ。

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