なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

倉敷

2017年08月31日 | Weblog

  8月30日のNHKドクターGは林寛之先生で、症例は70歳代男性の腹部アンギーナだった。7年前から食後3~4時間での腹痛で、程度は激痛だが、ある程度時間がたつと自然に軽快していた。いくつかの病院で検査を受けたが(上下部消化管内視鏡検査・腹部エコー・腹部CT)、異常なしとされていた。 

 食事摂取後の消化管の通過時間は、胃が2~30分、十二指腸が1~2時間、小腸が3~4時間、大腸が8~12時間ということだ。食後どのくらいの時間で腹部症状が出現するかで、罹患した部位が推定される。

 治療は、PPIを中止して、消化酵素薬と大建中湯だった。この診断的治療で、目出度く症状が軽快したという経過だった。腹部アンギーナと診断したことはこれまでないが、見逃しているのかもしれない。腹部アンギーナは名前は知っているが、具体的に内容を詳しく記載されたものを見た記憶がない。

 今日から夏休みで旅行に出かけている。倉敷に着いて、大原美術館と倉敷美観地区を見てきた。 

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先生がけいれんした

2017年08月30日 | Weblog

 昨夜当直の先生(外科医)から電話が来た。病棟を回診していた先生が痙攣したという。ジアゼパムの静注を4回を行って、今は落ち着いたが、あとはどうすればいいかと聞かれた。先日パニック発作様になった先生なので、心因性非てんかん性発作かとは思ったが、イーケプラの点滴静注をしてもらうことにした。本来なら病院に行って診るべきだったが、かぜで熱があったので、当直医にお任せした。

 けいれんを直接見た当直医によると、眼球が固定して強直性の痙攣だったという。チアノーゼを呈していたので、てんかん発作と思ったようだ。ただ、その後に立ったまま痙攣していたという話もあり、どうも非てんかん性ではないかと思われる。素人だと頭を左右に振ったりしながら強直性痙攣を呈して心因性だとわかるが、医師だとそれらしい迫真の演技(意識的か無意識かはわからないが)になるのだろう。

 しばらく休んでもらうことになるが、外来や当番の手配、それにすでに入院している担当患者さんのことで、1日中あわただしく過ごしていた。やれやれ。精神科を受診する気にはなっていたが、薬が効くというものでもないので、対応が難しい。

 精神科医・春日武彦先生のファンで、著作はたいてい購入している。このたびは、「私家版 精神医学事典」河出書房新社と「よくわかる最新医学 統合失調症」主婦の友社が出た(後者は一般向けで監修のみ)。前者はなかなかの奇書。

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めまいで搬入~出血性胃潰瘍

2017年08月29日 | Weblog

 昨日の午後に、先週頻脈性心房細動で心臓血管センターに紹介した72歳女性が返事を持って受診した。結局、ビソノテープ8mg/日+ワソラン3錠/日+ジゴシン0.25mg/日でも頻脈が続いたので紹介していた。経食道心エコーで心房内に血栓がないことを確認して、電気的除細動が行われた。2回行って、正常洞調律に戻ったそうだ。

 胸骨と左側胸部(V5相当)に除細動の時の痕が付いていて、側胸部の方は軽いやけどになっていた。予防にタンボコール内服が処方されていた。リウマチ性多発筋痛症として処方したプレドニンは、まだ初期量の15mg/日のまま。歩行は普通にできて外来治療でもいいのだろうが、不整脈の治療が終わったら当院入院で診るという約束で転院していたので、約2週間くらい入院でみることにした(ひとり暮らしというのもあり)。もともとの軽度糖尿病がステロイド糖尿病として悪化するので、その治療もある。

 朝診療前に昨夜の当直医から、めまいで搬入された80歳代女性のことでで相談された。血圧は110くらいだたった。昨日もめまいで内科クリニックを受診している。今日はそれよりも悪化していた。便が黒いそうだという話もあって、外来に診に行った。外科の先生だが、めまいは頭の問題と思ったらしく、なぜか直腸指診はしてなかった。

 横臥していれば意識清明で普通に話ができる。直腸指診をするときれいな(?)タール便だった。この方はタケプロン30mgを内服しているが、それでもふだん胸やけがあった。ガストリンなど特殊な問題があるのだろうか。1か月前から便が黒いと思っていたそうだ。昨日は吐物がすす水様だという。

 昨日受診した内科医院で血液検査をしていてHb11g/dlだった。今日はHb9g/dl。ある程度慢性の胃病変があり、それが一気に悪化したと判断される。消化器科の若い先生に上部消化管内視鏡検査を依頼した。

 後で結果を聞くと、胃前庭部に多発性胃潰瘍があって、そのうち一つに露出血管があった。内視鏡的止血術が行われて入院になった。正面視できる部位なので、消化器科としては「治療しやすい症例」なのだろう。

 救急当番の先生から肺炎の80歳男性の治療を依頼された。今週は夏休みになるので、新規入院を引き受けない方がいのだが、この方は酸素吸入がいらない程度だったので主治医になって入院にした。

 なぜか続々入院が続いて、 ベット稼働率は良好(すぎるくらい)になってきた。事務長さんは喜んでいると思うが、病棟の看護師さんは大変だ。

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搬送拒否・入院拒否

2017年08月28日 | Weblog

 今日は脱水症(+急性腎前性腎不全)の高齢者が2名入院した。

 一人暮らしの96歳男性は先週道路で倒れて、近所の人が救急要請した。救急隊が来たが、搬送拒否で搬入はされなかった。その後が先週金曜日で、この時は病院に搬入された。搬入されたが、今度は入院拒否だった。仕方がないので、外来で2本点滴をすることにした。遠方の息子さんに連絡したが、行かないとダメですがと言われた。それでも、夜になってからでよければ行きますと、しぶしぶだが来てくれることになった。翌日外来に来てもらって点滴をすることにしたが(入院でもよい)結局来なかった。

 そして今日も道路で倒れて近所の人が救急要請した。脱水症・腎前性腎不全になっているが、明らかな感染症はなかった。今日は前回よりも弱っていて、入院が必要というと、うなずいた。点滴してある程度良くなると帰ると言い出すのだろうが、とりあえず入院になった。息子さんに連絡したが、来るかどうかはわからない。

 もう一人は妻とふたり暮らしだが、数日に1回様子を見に行っている娘が倒れているのを発見して救急要請した。この方も脱水症・腎前性腎不全だった。しばらく倒れたままだったのか、筋原性酵素も上昇していた。救急隊からの連絡では、本人は搬送拒否だが、家族は搬送を希望しているというので来てもらった。

 前立腺癌で骨転移もあったらしい。地域の基幹病院泌尿器科で治療を受けていたが、通院が大変なので町内の診療所で処方していもらうことになっていた。ただそれも1年前から中断していた。PSAを測定すると3ケタだった。

 入院はしたくないというが、娘さんから付き添ってもいいので入院させてくださいと言われて、入院にした。どうしても帰るという時は、自宅に戻ってそこで亡くなっても仕方ないですという。散々受診か入院を勧めても承諾しなかった経緯があるのだろう。

 専門医の診療では考えないような問題があって、そんな診療ばかりしている当方はどうなんだろうかと思うが、まあこれも地域医療だ。

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心房細動の抗凝固療法

2017年08月27日 | Weblog

 「もう怖くない!心房細動の抗凝固療法」小田倉弘典著(文光堂)を購入した。高齢者の抗凝固療法の考え方として、自立した高齢者には原則投与、虚弱高齢者にはなるべく投与、要介護高齢者(要介護4、5)には原則非投与とある。確かに、そのあたりが妥当なのだろう。治療のコツが詳しく記載されているので、読み込んで理解したい。昨年あるセミナーに行った時に、参加されている先生の中に、小田倉先生がいらしていた(ネームプレートを見て気づいただけ)。

 日本には140~150万人の心房細動の患者さんがいるので、専門医だけでは対応できず、プライマリケア医も治療するようになる。診断がついた時点で一度は循環器科で評価してもらうのがいいと思うが。

 心臓血管センターのある病院に転送した心不全増悪の60歳代後半の女性は、軽快・増悪を繰り返して、結局亡くなったと返事が来ていた。冠動脈造影で描出されるレベルではインターベンションの適応となる有意な狭窄はない方だった。おそらく微小血管の問題なのだろう。糖尿病歴が長く、脳梗塞後遺症・認知症でインスリン強化療法と内服薬の管理は夫がしていた。最期は、NPPVから気管挿管に移行するかどうか家族に相談して、もう苦しませたくないということになったそうだ。限界だったと思う。残念な結果で申し訳ありませんという文面だが、これまで心不全増悪時に何度も助けてもらって感謝してます。

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電気的除細動

2017年08月26日 | Weblog

 循環器科の常勤医が不在になって、循環器科外来は専門病院から来てもらっている。重症心不全の患者さんは、当院担当の先生に直接電話連絡して受けていただけるので助かっている。外来カルテを見ると、PCIに対するステントのことが書いてあるが、内容(ステントの種類とPCI手技の詳細)はさっぱりわからない。心疾患の患者さんへの対応が何となくわかるので、時々閲覧させてもらうことにした。

 外来看護師長から、先週循環器科に来ていた先生が電気的除細動をして、と事後報告がきた。そんなことがあったとは。めったのない機会なので、ぜひ見学させてほしかった(できれば参加)。当院に循環器科の常勤医が複数いる時には、上室性頻拍に対する除細動もしていた。

 その前日に発作性頻拍で当院を受診していた。内科医が発作性上室性頻拍として、ワソラン静注をして洞調律に戻っていた。この患者さんはもともと完全右脚ブロックがあるので、頻拍になると気持ち悪い形になる。幸い以前受診した時の洞調律・完全右脚ブロックの心電図が残っていた。ワソラン内服が処方された。

 次の日にまた頻拍となって再受診した。その日はちょうど循環器科外来があったので、そちらに回された。心電図を見ると、前日とは違って頻脈性心房細動だった。その後、4:1伝導の心房粗動になったと記載していたが、12誘導心電図の記録はなかった。前日の発作性上室性頻拍とされたものも、2:1伝導の心房粗動の可能性がある(PSVTと思うが、1枚の心電図だけでは正確にはわからないと言われた)。

 シベノール静注で効果がなく、電気的除細動を行われて洞調律に戻っていた。次週までサンリズム内服でみて、カテーテルアブレーションのため所属病院へ紹介とある。今週は受診していないので、治まっているのだろう。

 自分ひとりの時に、上室性頻拍に対して除細動する気はないが、1:1伝導の心房粗動(血行動態破綻)だとやらざるを得ないか。

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CPFE

2017年08月25日 | Weblog

 先週末に咳・痰・発熱で入院した84歳男性は、抗菌薬投与で改善した。30年前まで喫煙歴があるそうだ。両肺の上葉には気腫性変化(LAA)があり、下葉背側には間質性肺炎像(牽引性気管支拡張)があった。両方あるので、Combined Pulmonary Fibrosis and Emphysema(CPFE)相当になる。2年前に軽度の気管支肺炎で受診した時のCTと比べると、間質性陰影が増加していた。

 前日の食事の時にむせってから症状が出たという話だった。誤嚥性肺炎の併発かと思われるが、もともとの肺疾患の悪化も否定できない。放射線科の読影は、間質性肺炎の増悪となっていた(画像上は確かにそうだ)。

 普通に抗菌薬(ゾシン)投与を行って症状は改善して元気になった。喀痰のグラム染色は誤嚥性肺炎のパターンだったが、培養ではインフルエンザ桿菌が検出された。今回は細菌性(化学性?)肺炎の併発と判断される。

 この方は健診で異常を指摘されて、がんセンターに紹介されていた。終末期になった時どうするかという話も出たそうだが、そもそも病名は何と言われたか聞くと、よくわからないという。もう来なくてもいいとも言われたが、フォローを希望して次回は来月に入っていた。間質性肺炎のことだと思うが、それなら地域の基幹病院呼吸器科の方がいいでしょうと伝えた(当院の呼吸器科は非常勤)。

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肺癌

2017年08月24日 | Weblog

 85歳男性は2か月前の6月に、右肺癌疑いで内科クリニックから当院呼吸器科(当院の呼吸器科は非常勤のみ)に紹介された。この患者さんは、4年前にがんセンターで喉頭癌の手術を受けている(永久気管瘻)。今年の4月に受診した際には再発はないとされたそうだ(胸部の画像はとってない?)。当院では胸部CT検査を行っただけで、そのままがんセンターへ紹介になった。

 がんセンターの呼吸器内科は受診したが、PSが悪く治療は困難と判断されて経過観察になった。細胞診はclassⅢで確診はついていないが、そこまで検査するまでもないということだろう。

 その後、当院の呼吸器内科外来を受診したが、診断を確定させる必要がある、食欲不振は他に原因も疑われるので精査すべき、といわれたそうだ。家族の希望は積極的な検査・治療ではなく、病状が悪化した時に入院させてほしいというものだった。それで内科に話が回ってきた。食事がとれなくなっているというので、特に入院してもらうことに問題はない。もともと痩せているというが、一層るいそうが目立つ。認知症で、点滴を自己抜去しそうだ。

 胸部X線・CTを再検すると、2か月の間隔だが、思ったより進行していた。空洞を形成する肺腫瘍で、喫煙者(喉頭癌の手術まで)なので、普通に考えて扁平上皮癌だろう。喀痰細胞診の再検くらいはできそうだ。気になって検査した抗酸菌塗抹は陰性だった。肺真菌症なども鑑別になるのだろうか。

 白血球数20400・CRP11.6と上昇していて肺炎も伴っているようだ。喀痰培養を提出して、肺炎に対する抗菌薬と点滴で経過をみることにした。胸腹部CTで明らかな転移巣(癌であれば)はなかった。

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「ぽやぽやした陰影」

2017年08月23日 | Weblog

 昨日は内科当番で、宿直医(外科)から午前1時に連絡が来た。63歳男性が呼吸苦・息切れで受診したそうだ。血液ガスで低酸素血症があった(Pa2 53.0・PaCO2 40.8・pH 7.425)。胸部X線・CTで両側上葉末梢に「ぽやぽやした陰影」があるという。発熱はない。白血球数8600・CRP0.3と大した上昇はではなく、BNPは正常域だった。Dダイマー1.5と有意ではない。

 「通常の細菌性肺炎ではないようですが、どうしたものでしょうか」、という。1週間前から咳・痰があって、呼吸が苦しくなっての救急外来受診だった。その陰影というのが、よくわからない。間質性ですがと訊くと、そのようでもあるという。入院して酸素吸入で経過をみて、朝になってから検討してもいいのかもしれないが、何だか気持ちが悪い。間質性肺炎は当院では診れないので、すぐ紹介している。

 地域の基幹病院(呼吸器内科常勤医3名)に連絡して、受け入れ可能であれば、紹介して下さいと伝えた。ベット事情が厳しい病院だが、受けてくれた。

 朝病院に来てから、その画像を確認した。心陰影が少し拡大しているが、それほどではない。肺動脈が目立ち、肺野末梢まで追えるようだ。その「ほやほやした陰影」というのは、両側上葉に淡くあったが、急性間質性肺炎の像ではない。肺血栓塞栓症かどうかわからないが、造影CTを見たかった。

 この方は喫煙者で、ふだんから少し労作時の息切れがあるらしい。ということは、もともと酸素分圧は少し低下しているのか。気腫像はないが、気管支壁の拡張からは、COPD(慢性気管支炎)?。副鼻腔炎で手術を受けていて、現在も耳鼻咽喉科からクラリスなどの処方を受けている。呼吸音は異常なしで、少なくとも喘鳴はなかったようだ。

 案外コモンなCOPD+感染(細菌性かウイルス性か)なのだろうか。当院で治療するとして、酸素吸入をして、抗菌薬はとりあえずセフトリアキソン?。肺炎球菌尿中抗原は陰性で、喘息発作のようなRSウイルス感染ではなさそうだが、ヒトメタニューモウイルスなども検査すべきなのか。実力のなさを感じてしまうが、ぜひ正解を知りたい。

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特発性器質化肺炎

2017年08月22日 | Weblog

 地域の基幹病院呼吸器内科から、81歳男性が転院してきた。この方は3年前に当院に急性肺炎(右上葉)で入院した。「抗菌薬に反応しない肺炎」として、内科の担当医がそちらの病院に紹介していた。その時の画像。

 転院後、特発性器質化肺炎と診断されて、ステロイドが投与された。初期量に反応して改善するものの、漸減して再燃を繰り返していたそうだ。ステロイド減量のために免疫抑制剤を併用していたが、効果はなくかえって副作用で中止になった。

 直近の病状としては、プレドニン12.5mg/日で再燃して、30mg/日に増量して改善している。現在プレドニン20mg/日になっていて、漸減しても15mg/日で留めるようにと紹介状にあった。1週間前の画像がCDで送られてきた。右上葉と左下葉に浸潤影と肺の縮小による直線的な陰影がある。

 教科書的には、「臨床症状と画像所見が、細菌性肺炎と類似しており、抗菌薬治療に反応が乏しい肺炎として呼吸器内科に紹介されることが多い。非区域性の浸潤影と周囲のスリガラス影を呈し、この画像パターンをOPパターンと呼ぶ」、とある。

 今回はリハビリ目的の転院になっている。何とかトイレまでは歩けるらしいので、そのまま自宅退院でもよかったのだろうが、家族が承諾しなかったので当院転院でワンクッションという、いつものパターンだ。当院入院中はプレドニン漸減はしないことにした。それにしても患者さんの貧血が気になる。消化管に何かありそうだ(検査値は送って来なかった)。

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