なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

婦人科救急

2024年01月09日 | 産婦人科疾患

 1月3日の当直の時に、午前0時過ぎに下腹部痛の33歳女性が救急外来を受診した。バイタルは問題なく、発熱はない。

 午後10時ごろに突然下腹部痛が出現して、持続していた。身体を前に曲げてうずくまった格好で受診した。歩行すると同部に響く。

 12月1日に最終生理があり、間隔は規則的だった。そろそろ生理の時期だがまだ来ていないという。下腹部正中からやや左側に圧痛があるが、腹部自体は平坦・軟だった。

 腹部エコーで見ると、膀胱近傍にエコーフリースペースがある(ように見える)。尿の妊娠反応は陰性だった。

 腹部CTを行うと、右卵巣が40×45mmくらいに腫大して、内部に円形の低濃度域(20×23mm)がある。卵巣と子宮の境界がはっきりしない。子宮の周囲に液体があるようにも見える。矢状断・冠状断でみると婦人科臓器が一塊になっている?。

 時間外のMRIは頭部に限っているが、例外的に頼み込めば婦人科領域も撮像できなくはない。ただ当方は読影できる自信はない。婦人科救急は、子宮外妊娠(異所性妊娠)以外だと、卵巣出血と卵巣嚢腫茎捻転になる。

 とりあえずこれだけの情報で、産婦人科医もいる地域の基幹病院に連絡して相談することにした。病名は仮に卵巣出血疑いとしたが、CT所見を述べてよくわからないことも伝えた。ちょっと待ってくださいということで、数分待っていると(婦人科に連絡?)、受け入れてもらえた。

 夫が連れてきたが、いったん自宅に戻っていた。子供は寝かせてきたという(両親も同居しているので、頼める)。救急搬送は患者さんだけにして、夫は直接先方の病院に向かってもらうことにした。

 これは何だろうか。

 

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子宮留膿腫

2023年11月16日 | 産婦人科疾患

 11月14日(火)の午前の救急当番(発熱外来を兼ねる)に、施設入所中の87歳女性が前日からの発熱(37℃半ば)で受診した。

 内科の別の先生の外来に通院していて、8月に尿路感染症で入院していた。外来では1か月おきくらいに診ている。家族は当地にはいない、受診の時は東京から来ているそうだ。

 施設入中で、発熱だけの症状で呼吸器症状はないので、コロナやインフルエンザではないが、検査から入ることになっている。(両者陰性)

 一番は尿路感染症と思われたが、茶色の帯下や性器出血があった。尿カテーテルが留置されているので、尿検査では細菌尿・膿尿になる(除外診断しないと尿路感染症とはいえない)。

 婦人科の感染症が疑われていたが、子宮は前回より腫大して、内腔に液体貯留があった。肺炎はなく、腎臓周囲の炎症像(あっても有意な所見ではないが)もなかった。

 当院は産婦人科の常勤医は昨年中に辞めていなくなった。現在は主に健診の二次検査を見てもらうために、非常勤で来てもらっている。その日や来ていたので、診察をお願いした。

 処置中に出血と黒茶色の帯下と膿が出てきた。ただし膿の量は少ない。培養と細胞診が提出された。外来で抗菌薬の点滴を行って、内服薬で次の婦人科外来まで経過をみてもらうことになった。

 

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