なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺癌脊椎浸潤

2016年06月30日 | Weblog

 肺癌(扁平上肢癌)の83歳男性が緩和ケアで入院している。この方は昨年の11月に頸部痛~背部痛で整形外科クリニックを受診した。X線検査で肺癌が疑われて、がんセンター呼吸器科に紹介された。肺扁平上皮癌と診断されて、放射線治療が開始されたが、発熱をきたして中止になったそうだ。抗癌剤治療も年齢とCOPD合併ということで断念され、緩和ケアで経過観察となった。食欲もないので、今年の1月に直接当院に転院となった。酸素吸入が継続されていた。鎮痛薬はNSAIDのみで治まっていた。

 当院転院後は案外食欲も良く、元気になってきた。そのまま入院継続するのはもったいないので、家族と相談して退院して外来で診ることにした。5月になって、癌性疼痛(頸部痛~背部痛)が悪化して、オピオイド(オキシコンチン)内服を開始した。疼痛は軽減したが、食欲不振・倦怠感で今月入院となった。入院後に発熱もみられ、肺癌は進行して胸椎に浸潤していた。閉塞性肺炎を考慮して抗菌薬も使用したが、ステロイド(デカドロン)で解熱軽快した。腫瘍熱だったようだ。ステロイド投与で食欲不振・倦怠感もある程度回復してきた。オピオイドは増量して、オキシコンチン内服からフェントステープ(現在6mg/日)に切り替えた。

 今週は少し動いてみたいと希望されて、看護師さん見守りで歩行器でちょっとだけ歩いた。家族は病院に置いてもらって、毎日来るのが楽ですという。もう一度自宅退院させたいが、受け入れが難しいかもしれない。外出・外泊ならさせたいというが、脊椎浸潤をみると心配にはなる。

 

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高血糖高浸透圧症候群

2016年06月29日 | Weblog

 昨日89歳男性が高血糖で受診した。脳梗塞後遺症・嚥下障害で胃瘻造設による経管栄養を受けている。娘さんが血糖測定していて、ずっと食前血糖は100~150mg/dlだったが、1週間前から300mg/dlが続いていたそうだ(そこで受診してほしかった)。そのまま経過をみていたら、当日の朝は500mg/dlになり、昼はHighと出て、病院を受診するようにという表示が出た。連絡が来たので、すぐに受診してもらった。血糖720mg/dlだった。

 長年一人暮らしで、経口薬は処方しても内服せず、やっと導入したインスリンもしているかどうか不明という経過で、HbA1cが10~15%で推移していた。娘さんが連れて来るので仕方なく受診するが、病気に関心がなかった。娘さん宅に引き取られて、インスリン注射を娘さんがするようになり、血糖は改善し始めた。し始めたところで、脳梗塞が発症した。嚥下訓練で誤嚥性肺炎をきたして、何度かチャレンジしたがSTに経口摂取は無理と判断された。高齢ではあるが、家族の希望もあり、胃瘻造設を行って経管栄養を開始した。

 前回は感染を伴う糖尿病壊疽で外科に入院した。外科では膝上からの切断を考えて、麻酔科医と相談していたが、娘さんが拒否した。悪化すれば命に係わると説明されたが、同意しなかった。幸いに病状は進行せず、入院継続した後にいったん退院となっていた。

 ケトン体は陰性で血液ガスでもアシドーシスはなかった。血漿浸透圧333mOsm/Lで高血糖高浸透圧症候群だった。痰がからんで、吸引しようとしたら、経管栄養食が引けた。血糖がHighと出た後も、経管栄養を注入してから受診していた。てっきり誤嚥性肺炎があるのかと思ったが、胸部X線・CTで明らかな肺炎はなかった。尿混濁もない。炎症反応の上昇は感染を伴う糖尿病壊死と今回出た褥瘡によるものと判断された。

 点滴とインスリン点滴静注で入院後の血糖は600、300と低下して、3号輸液+インスリン混合に変更した。今朝は血糖180mg/dlと改善していた。今週は経管栄養は休止して、来週の状態をみて再開することにした。前回から診ている血管外科医が診察したが、壊疽は案外広がっていないということだった。抗菌薬も投与する。娘さんは思い込みが激しい傾向があり、泣いたり笑ったり忙しい人だ。

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めまい~メニエール?

2016年06月28日 | Weblog

 昨日回転性めまいで53歳男性が救急搬入された。その日の午前中から回転性めまいが出現して、嘔気・嘔吐もあった。頭痛はない。休んでいると軽快したが、動くとまためまいがした。夕方結局仕事ができそうもないと判断して、帰宅のため妻に迎えを頼んだ。めまいがして、とても車に乗れそうもないので救急要請したのだった。搬入時、BPPVかと思ったが、経過は長かった。

 1か月前から発作的に回転性めまいが生じるようになった。めまいの持続時間は、患者さんの話では5分くらいというので、少なくとも長くは続かないようだ。その頃から耳鳴を感じるようになった。耳鳴については、左側だったり、右側だったり、頭の真ん中に生じたりと表現した。めまいが起きた時に、耳鳴が同時に出現・悪化するわけではないという。

 内科クリニックに高血圧症で通院していて、最初そこでめまいの処方をうけたが、めまい発作が続くので耳鼻科クリニックを受診した。自覚はしてないが、聴力検査で異常を指摘されたという。メニエールと言われたそうだ。めまいの処方を受けたが、症状が続いたので別の内科医院を受診した。当院の放射線科に頭部MRI検査が依頼されて、搬入された日の2日後に予約されていた。運送業に従事していて、その日も会社で出ていたくらいだから、めまい発作の時以外はそれほど症状はなかったのだろう。

 MRIが空いていたので、翌々日の予定を早めて頭部MRIを撮影することにした。耳鼻科の外来(大学病院から応援)が午後にあるので、検査後に紹介とした。頭部MRIでは小脳脳幹部を含めて脳血管障害はなく、聴神経腫瘍などの脳腫瘍もなかった。聴覚症状を伴っているし、他の神経症状はないので、内耳性のめまいということになる。

 耳鼻咽喉科の先生に診てもらうと、Frenzel眼鏡で検査して定方向性の眼振があり、潜時・疲労現象・方向交代性眼振がないということで、メニエールか前庭神経炎でしょうということだった。

 聴覚症状がめまい発作と一致していないようだが、聴覚症状もめまいと同時期から始まったのであれば、メニエールなのかもしれない。以前に診た前庭神経炎の患者さんは、回転性めまいと浮遊感が混じった症状がずっと数週間続いて治癒していた。この方は発症してからも仕事をしていたので、症状は発作的に生じていて、発作のない時には何でもないのだろう。

 内科に入院して経過をみて、2日後耳鼻科外来で再診(その時は聴力検査も施行)となった。メイロンは効いた気がしなかった。

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いつもの腹痛~好酸球性胃腸炎

2016年06月27日 | Weblog

 今日の外来に先週腹痛で入院していた53歳男性が受診した。糖尿病・高血圧症がある。腹痛は若干残っているというが、そう苦になるほどではないそうだ。そういえば、好酸球性胃腸炎で診るようになってけっこう経つ。

 11年前に腹痛で入院した。一部の小腸壁が全周性に肥厚して、腹水貯留もあった。原因は不明だったが、感染性腸炎として抗菌薬で経過をみて症状が軽快した。その後も症状は断続的にあった。

 その2年後にまた腹痛で入院した。その頃、医療センター消化器科から診療応援に来ていた。相談したところ好酸球性胃腸炎が疑われる、と言われた。以前に同様の症例があったらしい。血清IgEが増加していて、アレルゲン検査でも多くの食物に陽性反応が出た。プレドニン30mg/日から開始して、症状が軽快した。精査のため、医療センターに入院してもらった。小腸内視鏡検査などが行われて、好酸球性胃腸炎と診断された。

 抗アレルギー薬3種類を組み合わせて処方された。症状が軽快して、幸いにプレドニンを漸減して中止できた。IgEは最大値の1/10に低下していた。そこの研修医の先生が地方会で症例報告として発表した(名前を入れますかと訊かれたが丁重に辞退)。その後1年半くらい通院したが、遠方で通院が大変ということで、当院へ戻ってきた。

 その後も時々腹痛を訴えることがあった。腹部CTで確認しても(他の疾患との鑑別で検査)、小腸壁の肥厚や腹水はなかった。もともとCRPは軽度にしか上昇しないが、症状がある時は確かに若干上がるので、たぶんこの病気のためなのだろうと推定された。あまりいい処方がなくて、アタラックスP(安定剤+アレルギーに効果?として)を使用したり、アセトアミノフェンを使ったりした。今回はアセトアミノフェンで腹痛は軽減した。プレドニンはまったく使用していない。好酸球性胃腸炎(腸炎)はこの方だけなので貴重な症例ではある。

 

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高齢者は手間がかかる

2016年06月26日 | Weblog

 先々週の金曜日の夜間に高熱で88歳の男性が入院した。当直は外部の先生で、自宅に連絡が来た。胸部X線・CTで肺炎はなく、腹部症状や肝機能障害もなく、心エコーで疣贅はありませんということだった。循環器が専門で、血液培養2セットを提出していた。「尿路感染でしょうか」と言うと、「あっそうですね」と言われた。翌土曜日に日直で病院にいくので、尿培養の提出とセフトリアキソンの投与を1回分お願いした。

 翌日には解熱傾向となり、翌々日は平熱となった。後日、尿培養で感受性良好な大腸菌が検出された。血液培養は陰性。抗菌薬は点滴静注から内服薬(ST合剤)に変更した。これで10日~2週間治療して退院としたいが、そう単純にはいかない。

 認知症で内科医院から認知症薬(リバスタッチ)が処方されていた。家の中を杖歩行している程度だが、家族からはトイレまで歩けるようにしてから退院にして下さいと言われた。これはリハビリで入ってもらう。高齢だがなかなかの巨漢で、介助は大変そうだ

 この方は糖尿病で治療を受けていたが、血糖コントロールはよくない。今回はHbA1cが9.2%で、昨年神経内科に顔面神経麻痺で紹介された時は9.8%だった。処方はDPP4阻害薬とSU薬のグリメピリドが6mg/日と最大量だった。かかりつけ医は糖尿病も詳しいが、認知症もあり、インスリンは無理と判断しているのだろう。毎食前の血糖を測定すると200台の前半から300になる。家族(孫だった)に来てもらって、家族が注射できるかどうか、看護師さんの注射手技を見せた。何とか1日1回ならできそうなので、持効型インスリンを開始した。「高齢糖尿病の認知機能とADL評価」によれは、目標8.5%未満でいいことになるが。

 入院時のCTで見ると、膀胱壁が均等に肥厚している。自尿はあるが、残尿があるのだろう。PSAが24と上昇している。尿所見ははっきり混濁していたが、前立腺炎だった可能性もある。泌尿器科で評価してもらうが、88歳認知症ということで、尿路感染が治まってからのPSA再検になりそうだ。

 この程度ならたいしたことではないと言われそうだが、高齢者はけっこう手間がかかる。

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アレルギー性紫斑病

2016年06月25日 | Weblog

 先週、80歳代後半の男性が紫斑病で皮膚科を受診して、内科にも回ってきた。患者さんは元気で関節痛・腹痛・発熱がないので、外来で経過をみていた。昨日、朝に腹痛があったと受診した。30分くらいで治まったという。腹部全体に軽度に圧痛があるようだが、軽度に認知症があり、評価が難しい。朝検査があると思って食事抜きできたので、空腹を訴えていた。

 先週に比べて炎症反応が軽度に上昇していた。凝固系の検査でDダイマーの上昇が目立つが、血小板・PT・aPTTは正常域。紫斑自体は変わらないように思うが、以前に当院にいた皮膚科医のようにちゃんと全身の写真を撮っていないので、ざっと見てということになってしまう。直腸指診で血便はないが、もともと便秘なので便が出てみないとわからない。入院してステロイドを使用して経過をみることにした。糖尿病で治療しているが(DPP4阻害薬+SU薬少量)、HbA1cは6.0%と良好だった。ここ3か月で3回尿路感染症で入院しているので、入院中の食事療法の効果なのだろう。泌尿器科で間欠自己導尿になっていたが、尿カテーテル留置になっていた。

 これまでアレルギー性紫斑病で入院治療した記憶がない。貴重な症例だが、さてどういう経過になるか。

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平和な当番日

2016年06月24日 | Weblog

 昨日は内科の当番だった。当直は外科医で、内科系の入院があっても一晩分の指示は出してもらえる。内科入院の時は連絡が来るはずだが、まったく来なかった。一昨日も内科の当番だったが、受診数自体が少なく入院はなかった。

 朝病院に来てコンピュターの画面を開くと、夜間~早朝の受診数は少なかったが、大変な症例が受診していた。時間外の最初に、心房細動からの急性下肢動脈血栓塞栓症の患者さん(70歳代後半の男性)が入院していた。これは夕方に他の病院から紹介されている。心房細動でワーファリンを内服していたが、肺胞出血で中止していたらしい。呼吸器科からプレドニンが処方されていた。Forgatyカテーテルで無事血栓を除去できたそうだ。

 その後にけいれん発作で50歳半ばの男性が救急搬入されていた。この方は3年前にけいれん重積発作で、医療センター神経内科へ転送された方だった。大酒家で、アルコール性肝障害で消化器科に入院したが、入院後にけいれんが頻発したのだった。転院後に人工呼吸管理になり、気管切開されていた。当院の神経内科に戻ってきたが、その後に大学病院のてんかん専門医へ紹介されていた。抗てんかん薬3剤が処方されている。外来で抗けいれん薬の静注・点滴静注が3剤使用されて、けいれんは治まり、神経内科に入院になっていた。

 早朝には30歳代半ばの女性が、2階から飛び降りて、右足関節破砕骨折をきたしていた。統合失調症で精神科病院に通院していて、先月には病状の悪化で入院していたらしい。1週間前に2階から飛び降りて、左前腕の遠位端骨折と左足関節粉砕骨折をきたした。整形外科クリニックでギプス固定されたが、自分で外してしまった。幸いでそれぞれ開放骨折ではない。患者さんは痛みをあまり感じてないそうだ。この患者さんは整形外科医に引き継がれた。通院している精神科病院に連絡して、そちらに入院になるらしい。そこは単科病院なので、整形外科的な処置が必要であれば、精神科のある総合病院に回されるのだろう。県によっては、精神科のある総合病院を多くもっているところもあるが、当県にはあまりない。

 大変な当直で本当にお疲れ様だ。内科の入院はまったくなく、暢気に過ごしていた。

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SGLT2阻害薬使ってますか?

2016年06月23日 | Weblog

 来月の糖尿病の講演会のテーマがSGLT2阻害薬。例によって長期処方ができる様になってから使用するので、SGLT2阻害薬も今年になってからやっと処方し始めた。6種類(スーグラ、フォシーガ、ルセフィ、デベルザorアプルウェイ、カナグル、ジャディアンス)一気で出ているが、臨床的な差や使い分けについては、ほぼ同等とされているようだ。

 一番の適応はメタボの中年だのだろうが、当初考えられていたよりも高齢者でも使用できる。発売以来高齢者にも使用されてきたが、副作用などは、治験中と変わらない(中年者と同じ)ということで、Recommendationの2回目の改訂では、もっと使えますよという内容になっている。

 高齢者だとDPP4阻害薬がまず処方されるが、次にメトホルミンは使えず(すでに使用していれば慎重に継続)、SU薬も使いずらい。少なくとも元気な高齢者では、SGLT2阻害薬が案外使えるのかもしれない。

 カナグル以外の5種類を処方していて、ルセフィは他の先生の処方継続で、あとは自分で処方を開始した。ただ1~3例ずつではしょうがない。どれか一つに決めて、しばらくそれだけにする方が、感触がつかめていいのかもしれない。あのRecommendationはもっと使ってほしいメーカーの意向が入っている?(勘ぐり過ぎか)。アクトス、グリニド、α-GIの処方は随分少なくなってしまった。

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アレルギー性紫斑病、気胸で転院搬送

2016年06月22日 | Weblog

 昨日皮膚科の先生(大学病院からの非常勤医師)から連絡が来た。87歳男性が両側下肢の紫斑(主に下腿で大腿遠位にも若干ある)で受診して、アレルギー性紫斑病と診断された。発熱・腹痛・腎機能障害がないことから、今のところは経過観察とするが、ステロイドを使用することになると、治療中の糖尿病の問題があるので、どうなりますがということだった。

 ステロイドを投与するとインスリン注射が必要になるので、その時は内科入院で診ますと答えた。皮膚科が終わった後に内科外来にきてもらったが、ご本人は元気だった。両下肢に確かにpalpable purpuraがあった。皮膚科の外来予約日に合わせて内科外来の予約も入れて、いっしょに経過をみることにした。

 肺線維症(IPF)の77歳男性は、基幹病院呼吸器科から気胸の治療後に当院に転院していた。左気胸で胸腔ドレーンを挿入して治療していたが、なかなか改善しなかったらしい。紹介状に奇跡的に肺が広がってドレーンを抜去できたと記載されていた。ただ左胸腔内の空気が若干残っていて、その後に軽度だが右気胸も起こしていた。両側気胸でドレーンの適応なし(軽度だから?)ともあった。

 当院に転院して翌日に胸部X線・CTで確認すると、左気胸が再発していた。患者さんは特に症状を訴えず、1日経過をみて胸腔ドレーン挿入を検討しようと思ったが(弱気だった)、その夜に呼吸困難・冷汗が出現した。左胸の呼吸音が消失して、緊張性気胸として午前2時に胸腔ドレーンを挿入した。症状は軽快したが、翌日の胸部X線では、肺は半分しか広がらなかった。10cmの圧で吸引して十分に引いてはいたが、やはり広がらない。

 この方の肺は胸膜側全体にブラ(表現としてブラでいいのか?)がある。どこから漏れてもおかしくないし、一か所だけかどうかもわからない。今週になってさすがにこのままでは無理と判断した。呼吸器センター(呼吸器外科も充実)のある病院の先生が呼吸器外来の診察に来ていたので、相談した。病室に来てもらって、間違いなく充分に引けていることを確認してもらうと、転院でみてもらえることになった。とりあえずもう1本胸腔ドレーンを挿入するらしいが、それでダメならまた考えますということだった。呼吸器外科で胸腔鏡下に処置できるのだろうか。

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過換気症候群で紹介~これは違うのでは

2016年06月21日 | Weblog

 29歳女性が過換気症候群・心臓神経症として開業医の先生から紹介された。今まさに過換気のなっているわけでもない。紹介状は簡単なもので、紹介目的がよくわからない。数回過換気の発作を起こすので、予防するような治療を依頼しているのかと思った。

 4月から仕事を開始して1時間くらいすると息が苦しくるという。最初は急に息が苦しくなって、別の内科クリニックを受診した。治療の内容はわからないが、点滴をして帰されたという。その後も息苦しさは続いていたが、仕事は続けていた。また同様に苦しくなって、別の病院に救急搬入された。過換気症候群といわれたそうだ。その後、紹介先のクリニックを受診して、安定剤が処方されたが、症状は変わらなかった。

  夜間~朝方にかけて、特に症状が悪化するということはない。咳が出やすいのはあるというが、会話中特に咳はしなかった。しつこく喘鳴の有無を訊いたが、ないそうだ。これまで苦しくてクリニックや病院を受診した時に、喘鳴があれば喘息発作と診断されるだろうから、なかったのだろうか。息が苦しいと、手指がしびれるという。後頭部の重苦感もある。若い女性が(結果としての症状かもしれないが)過換気で手指がしびれると言えば過換気症候群とされるだろう。 

 この方は食品工場(冷凍食品)に10年以上勤務している。ずっと粉チーズを扱う部署で仕事をしていたが、特に症状はなかったという。それが今年の4月から別の粉を扱う部署に替わった。その後から症状が出始めている。毎日息苦しい感じが続いていて、急に増悪することが数回あったという。粉とだけ表現して、小麦粉かと訊いてもよくわからないらしい。休みは不定期だが、休みの日は症状がない。5月の連休中は、ラインを止めるので数日医仕事が休みになったが、調子が良かったそうだ。

 受診時に聴診で異常音はなかったが、息苦しい感じは少しあるという。バイタルは正常で、酸素飽和度は99%(室内気)。胸部X線・心電図・スパイロは異常なし。アレルギーの検査をセットで提出した(外注)。

 仕事に関しては休みたくないと思っているようで、ストレスが多いということでもない。これは食品(扱っている粉)によるアレルギーの症状が疑われた。前の粉チーズの部署は機械化されてしまい、戻れないという。食品(食材)のアレルギーが疑われるので、今の部署以外の部署に替われないか、職場の上司と相談することを勧めた。当地域の基幹病院の呼吸器科の先生は、過敏性肺炎や喘息・COPDに詳しから、紹介した方がいいのかもしれない。

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