なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

帰ってきた糖尿病

2012年10月31日 | Weblog

 50歳男性が紹介状を持って受診してきた。2年前前当院に内科外来に通院していたが、首都圏に転居するため、当時担当していた内科医(ちょうどその後に転勤)が紹介状を書いていた。そのころと比べて当院の内科医はさらに減少して、なるべく外来通院患者を近くの開業医に紹介するなどして、ひとりでも減らしたいと思っているところなので、実は歓迎できない状況にある。まったくこちらの問題で、以前の病院に戻っただけの患者さんにはもちろん何の責任もない。

 慢性C型肝炎もあり、インスリン強化療法なので、なかなか開業医には紹介しにくいので、とりあえずは当院に通院したもらうことにした。ただし、毎月診ている余裕はないので、今日は2か月の処方をしたが、今後は診きれないと3か月分くらい処方するかもしれない。今日も再来予約患者さんたちを診た後になったので、だいぶ待たせてしまった。

 私が診るのは初めてなので、今までのことを少し聞いてみた。30歳台後半に睾丸炎を起こして、その時に糖尿病が発症したという。当時の記録もなく、記録もないので詳細は分からないが、ムンプスの合併症として発症したということになるのだろうか。両親同胞に糖尿病の人はいないという。1型糖尿病になるようだ。

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ごはんとひじきが詰まっていた

2012年10月30日 | Weblog

 昨日食べられなくなって入院した85歳女性の内視鏡検査を行った。中部から下部食道にごはん粒とひじきが固まってへばりついていた。消化器科医が勢いよく水を注入して洗うと、食道癌はなかった。食道粘膜は全周性に白濁してびらんが散在していて、もともと逆流性食道炎はあるのだろうが、食物が停滞したために二次的に悪化したもののようだ。胃から十二指腸球部にも異常はなく、食残もなかった。

 食道の動きが悪いのだろうが、歯がないのに食事を丸飲みしていると思われる。食道自体の蠕動運動が悪いのかもしれない。消化器科医から強皮症はありませんかと聞かれたが、少なくとも臨床的な症状はない。抗核抗体など調べるべきなのか。

 とりあえず、今日は水分のみにして、明日からはソフト食(ほとんどムースのようなもの)を試してみることにする。処方はネキシウム20mg分1とガスモチン3錠分3にした。食事を工夫して、水分を多く取らせる、食後すぐには横臥させないなどで改善する見込みがある。

 救急外来当番の外科医か連絡が来た。内科外来に高血圧症で通院している79歳男性が、1週間下痢が続いて食事もとれず救急搬入されたという。血清Kが3.1と低カリウム血症になっていた。妻が長年多発性骨髄腫で入退院を繰り返していたが、結局亡くなってしまった。その後、うつ状態になって食欲低下・倦怠感があり、外来で抗うつ剤を投与していたのだった。

 血液検査でCRPが8と上昇していて、肺炎など他に炎症反応が上がる疾患はないことから、感染性腸炎によるものと思われた。血便ではないが、何だろう。ウイルス性腸炎はまだ流行していない。何らかの細菌性腸炎だろうか。便培養をし提出した。入院して点滴を継続することにした。

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食べられない高齢者

2012年10月29日 | Weblog

 外来(内科再来)を診ていると、内科医院から電話が来た。認知症でグループホームに入所している85歳女性が1週間前から食べられなくなっているので診てほしいという。施設の職員と家族(嫁)といっしょに受診した。食べられないというよりは、食べると吐くそうだ。胸腹部CTでみると中部食道から下部食道にかけて内腔が拡張して食残がある。食道壁の一部が肥厚しているようにも見える。内視鏡検査をするかどうか、消化器科医と相談したが、1日待って食残が流れるのを待ってから行うことになった。食道癌が見つかっても、単なる食道裂孔ヘルニアだけだとしても、あまり処置はないような気もするが、まず見てから考えることにする。

 救急外来を診ていた循環器科医から電話が来て、脳梗塞で神経内科に入院して退院したばかりの88歳男性が搬入されたという。脱水症から急性腎前性腎不全をきたしていた。自宅に帰ってからあっという間に褥瘡ができていた。もともとアルコール性肝硬変があり、おそらく統合失調症と思われる患者さんだった。点滴で脱水症と電解質異常(高ナトリウム血症)を補正してみるが、経口摂取は難しいと思われる。同居の娘さんも、無理な治療は望まないということで、点滴だけで最期まで経過をみることになりそうだ。

 慢性B型肝炎の40歳台後半の女性に肝細胞癌が見つかって、がんセンターに紹介することにした。症状はないが、フォローの腹部エコーで腫瘤が見つかり、腹部造影CTで確認された。もっと小さいうちに見つけたかった。手術できるだろうか。

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認知症の不眠

2012年10月28日 | Weblog

 金曜日は内科新患を診ていた。内科医院に認知症で通院している80歳台前半女性が不眠を訴えて受診してきた。紹介ではないので、これまでの経過はよくわからない。アリセプト5mgが処方されていた。その内科医は自分で認知症の治療を開始することはあまりない先生だった。おそらく精神科を受診して、投与開始されたアリセプトを継続処方していると思われた。

 「お薬手帳」を診ると、レンドルミンD0.25mg1錠就寝前が処方されていた。入眠障害でも中途覚醒でもなく、とにかく一晩中眠れないのだという。連れてきた家族(孫)に聞いてみたが、日中に寝ているわけでもないそうだ。夜もごそごそと何かしているという。周辺症状としての、不穏というほどではない。時間があれば、認知症の評価として、頭部MRIと長谷川式をするところだが、その日は忙しくて余裕がなかった。

 印象としては、若いことから心気症・うつ状態の傾向があったのではないかと思われる患者さんだった。グラマリールなどよりは、四環系抗うつ剤が合うようだ。テトラミド10mgを試してみることにした。1週間後に、連れてくるのが大変でなければ患者さん本人といっしょに、難しければ家族だけでもいいので、薬の効果がどうだったか教えてもらうことにした。

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そっと帰ってもらう患者さん

2012年10月27日 | Weblog

 一昨日、当直は大学の応援医師だった。大学からすぐには病院に来れないので、午後7時まで常勤医が遅番として残っていた。その日は循環器科の若い先生だった。救急隊から受け入れ依頼があって、中年男性が酒に酔って倒れているという。まあ、外来で点滴をして家族に迎えに来てもらえばいいかと思って、受け入れた。ところが、搬入されて点滴をいるうちに元気になってというか、暴れだしたそうだ。

 この患者さんは、隣の県で同じように酒に酔って倒れているところを発見されて、病院に救急搬入された。病院で治療を受けているうちに暴れだして警察に連れて行かれた。警察で電車代をもらって、当市にたどり着いたが、また酒を飲んで倒れたいう経過だった。

 当院でも結局警察に連絡して連れて行ってもらったという。もともとの住所は当市ではないので、また警察で電車代をもらって、そちらに向かってもらうことになるらしい。

 このような他の地域から流れてくる患者さん(病気なのかというと、問題はあるが)が年にひとりくらい病院に運ばれてくる。今回の人は暴れたので警察の扱いになったが、お金もなく飲み食いできないで倒れたり、お金がなくなると自分で具合が悪いと救急車を呼んで病院に連れて行ってもらう人たちがいる。病院で治療をしても、通常はかかった費用は病院の持ち出しになる。病院で食事を出して、体調が良くなったところで、自宅までの電車代を渡してそっと帰ってもらうしかない。

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胃瘻になじまなかった90歳

2012年10月26日 | Weblog

 施設の嘱託医から誤嚥性肺炎の90歳男性の紹介があった。小脳梗塞で神経内科に入院して、嚥下障害による誤嚥性肺炎を繰り返して、高カロリー輸液にしていたが、消化器科に依頼して胃瘻造設を行った。確か、造設の時に手伝った記憶がある。結局10か月入院して一週間前から施設に入所したが、入所してすぐに発熱・痰のからみがあり、施設内で治療をしていた。要するに退院できる状態ではなかったが、一瞬病状が落ち着いた時に、退院にしたらしい。

 神経内科あての紹介状だったが、内科に回された。胸部X線・CTで両側肺の嚥下性肺炎があった。90歳寝たきりで、食事をしていなくても痰がからんで吸引を継続しないと生きていけない状態になっていたので、胃瘻造設の適応はなかったと思う。なんとかして長期入院をさけるために施設入所を目指して行った処置だった。しかし造設してもすぐに肺炎になってしまい、結局意味はなかった。

 ますは肺炎の治療を開始したが、つい2週間前まで病院で散々抗菌薬を投与され、施設に入所してからも経口抗菌薬を投与されてきたので、NHCAPとうよりHAPそのもので、治癒は厳しいと予想される。うまくいったん肺炎を鎮静化させても、経管栄養を再開したとたんに肺炎が起こるだろう。最期まで点滴だけで行くしかない。

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結腸癌の穿孔でしたか

2012年10月25日 | Weblog

 今日消化器科医に、昨日内科クリニックから紹介されてきた51歳女性の話を聞いた。

 一昨日の夕方に内科クリニックから明日の外来に紹介したいとFAXが届いた。地域医療連携室の係は、派遣の事務員なので病気についてはほとんどわからない。翌日の診察依頼なので、そのまま翌日の外来予約をとったのだった。消化器科医がFAXの内容を確認した時は時間外になっていた。記載された病状を見ると、下腹部痛があって、炎症反応高値だった。今すぐ紹介しますでもおかしくない病状と思われた。しかしその内科医は上部下部内視鏡検査も行っている先生で、腹膜炎を見逃すとは思えなかった。4日前に排尿痛で発症したとも書いてあったので、尿路感染も疑われた。

 それで、患者さんは翌日(昨日)消化器科の外来を受診した。腹部単純X線で、左右の横隔膜下にフリーエアーがあり、穿孔性腹膜炎とすぐに分かった。腹部造影CTでS状結腸癌があり、癌の一部が穿孔して腹膜腔に膿瘍を形成していた。肝転移もあった。すぐに外科コンサルトとなり、緊急手術が行われた。S状結腸切除・人工肛門造設となったそうだ。癌の潰瘍底が穿孔したが、腸間膜に被覆されて、腸液が少し腹腔内に漏れて数日かけて膿瘍を形成したのだろうと推定された。もし一気に糞便が腹腔内に漏れれば、激痛・板状硬となり、その日のうちに受診したのだろうが、幸いにと言うべきか不幸にもと言うべきか、そうはならなかった。

 もし自分が最初に診察したとして、きちん診断できただろうか。まあ病院なので、すぐに腹部CTを撮影したとすれば診断はできるだろうとは思うが、実際に当たってみないとわからない。

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とび込みの喘息発作

2012年10月24日 | Weblog

 今日は内科再来があり、糖尿病の患者さんを中心に診ていた。昼前に外来の看護師がひどい喘息の患者さんが来てますと、診察室に入ってきた。今日の内科新患担当が応援医師で頼みにくいので、私のほうにきたのだった。39歳の男性で、内科医院に喘息で通院していて、定期でシムビコート吸入(1日2回1回1吸入)、発作時はベロテック吸入をしていた。今日は、その内科医院がたまたま休診だった。

 横臥できず、会話も困難だった。中等度から重症の発作だった。酸素吸入3L/分を開始して、ベロテックを何度か吸入してきているので、すぐにネブライザー吸入をするのは危険と判断した(吸入の刺激で気管支が一気に攣縮する可能性がある)。ステロイドの点滴静注は、それまでの既往がわからないため、ソルコーテフは使わず、デカドロン8mgを2A使用した。喘息のガイドラインに準じてステロイドを時間ごとにちまちま入れるのは好ましくない。一気に1日分入れるデカドロンがいい。30分もすると喘鳴はまだ大分あるが、呼吸が楽になってきたという。ネブライザー(べネトリン)を行って、ネオフィリン点滴静注を追加した。4時間後には喘鳴がほとんど消失した。デカドロンの使用量については、異論があるところだろう。4mg使うか、8mg使うか、16mg使うかは重症度とその時受ける印象で決めている。この患者さんでは、窒息を覚悟するような印象を受けたので、最大量の16mgにした。実際は多すぎたのかもしれないが。

 発作の程度からは、短期間の入院が好ましいが、仕事があって入院はできないという。帰宅を希望した。それも仕事場に戻って、指示だけ出して帰宅するという。数日は自宅静養を勧めた。シムビコートは1日2回1回2吸入に増量とした。明日からプレドニン30mg/日を3日分内服としてもらう。さらに吸入ステロイドとの相乗効果を期待して、テオドール400mg/日とシングレア10mg/日を追加した。その後は、かかりつけの内科医院で相談してもらうことにした。

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外科はペントシリンが好き

2012年10月23日 | Weblog

 昨日の当直医は外科医だった。98歳女性が発熱で受診して、胸部CTで右下肺野の肺炎だった。内科系の当番だったので、その外科医から電話が来た。とりあえず入院時の指示を出すので、明日からの診察をお願いするということだった。病院に行って診るほどではないので、一晩の指示はおまかせした。今日患者さんを診にいくと、認知症があり、ベット上でもそもそと動いていた。家族によると発語はほとんどないそうだ。

 抗菌薬はペントシリンが出ていた。当院の外科医はペントシリンを頻用している。ペントシリンが発売されて数年後に医師になった世代が多いせいかもしれない。私も同じ世代で、かつて(25年以上前)はペントシリンは画期的な抗菌薬だった。今考えると、保険で認められた使用量は少なすぎるし、重症では8gまで使えるので1回2gを1日4回にできるはずだが、当時は1回2gを1日2回投与が多かった。ゾシン4.5g(ペントシリンとして4g)を1日4回投与と比較すると、昔はよくそんな投与で治ったものだと思う。海外ではペントシリンは販売されなくなってきたという話も聞く。日本でも消えていくのかもしれない。

 ちなみに内科系では今ペントシリンはほとんど使用していない。市中感染としての誤嚥性肺炎ならばユナシンを使用することが多い。重症例やNHCAPと判断された時は、ゾシンかカルバペネムで治療開始となる。

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昨夜は当直

2012年10月22日 | Weblog

 #喘息性気管支炎

 昨日の日曜日は当直だった。循環器科医が日直をしていて、発熱・咳で受診した81歳女性が外来点滴を受けていた。4-5日前から発熱・咳が続き、かかりつけの内科医院でジスロマックの処方などを受けていた。胸部X線・CTで肺炎を示す浸潤影はなかった。CRPが5と軽度に上昇していた。聴診すると喘鳴を肺全体に認めた。気道感染によって、喘息発作様の症状を呈したものだ。喘息の既往はない。細菌性というよりウイルス性かと思われる。喘息に準じて気管支拡張剤とステロイド、さらに抗菌薬も併用して入院で経過をみることにした。

 #めまい

 引き継ぎの時間に、透析で通院している82歳男性がめまいで受診していた。午前中からめまいを自覚していたが、夕方になって歩行困難になったという。意識清明で難聴があるため、こちらの話を聞かずに自分が思ったことだけ喋りまくっていた。少なくとも構語障害はないわけだが、頭部MRIの拡散強調画像で小脳の一部が梗塞様に写っていた。こんな元気な小脳梗塞もないと思われたが、透析患者さんということもあり、入院で経過をみることにした。今日神経内科医にMRIを診てもらうと、なんらかのアーチファクトではないかと言われた。実際、頭部MRIを再検すると異常はなかった。明日透析が終わったら退院の予定とした。

 #餅で腹痛

 今年の1月に基幹病院の呼吸器科から、慢性閉塞性肺疾患の増悪で入院した84歳男性を、3月まで入院させてほしいと依頼があり、引き受けた。在宅酸素の患者さんだが、特に問題はなく、寒い間病院においてほしいという家族の希望だった。3月初めまで入院して、退院後はかかりつけの内科医院へ戻していた。その患者さんが腹痛で救急搬入されてきた。COPDの増悪ではなく、腹痛だった。午前11時にあんこの入った餅を4個食べて、午後2時から上腹部痛が始まったそうだ。心窩部から右季肋部にかけて圧痛がある。腹部CTで見ると、胃前庭部から十二指腸球部~下行脚にかけて食物が連なっていた。どうも餅らしい。短期入院でとりあえず点滴をして、餅がこなれて流れていくのを待つことにした。今日は腹痛も治まって、昼から食事を出したら全部食べてしまった。腹ぐらいをみて、少し食べてみてと言ったのに。明日まで経過をみて退院にしよう。

 #心肺停止

 84歳男性が、入浴中に心肺停止となって救急搬入されてきた。ひとりで入浴していたが、なかなか上がってこないので妻が見に行くと、意識がなかった。家族(近くの親戚も)が確認すると、息をしていない、脈が触れなかった。救急要請して、救急隊がさっそく心肺蘇生を開始したが、まったく反応はしなかった。病院搬入後も心肺蘇生を続けたが、結局家族に反応しないことを伝えて、蘇生術を中止した。高血圧症・慢性腎不全で外来通院していた患者さんだった。AIを行うと、慢性硬膜下血腫があったが、程度からみてそれで亡くなったわけではないようだ。冠動脈にそって石灰化が目立ち、虚血性心疾患と推定された。

 #肺炎・胸膜炎、けいれん

 脳梗塞後遺症で寝たきり・胃瘻による経管栄養の73歳男性が発熱とけいれんで救急搬入された。もともと症候性てんかんで抗てんかん薬は内服(というより注入だが)していた。神経因性膀胱で尿カテーテルが留置されていて、尿路感染症かと思われたが、右肺に広範な浸潤影と液体貯留があり、肺炎・胸膜炎(膿胸?)による発熱だった。喀痰を吸引しようすると経管栄養食が引けてくる。喀痰培養は断念して尿培養と血液培養2セットを提出した。セルシン静注とホストイン点滴静注でけいれんは治まった。入院の指示出しが終わって午前1時になっていた。

 1名外来で看取って、4名入院となった。幸いに、深夜帯での救急外来受診がなかったので助かった。

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