続・知青の丘

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柳本々々氏の「フシギな短詩82」より

2017-02-07 17:21:22 | 俳句
        BLOG俳句新空間
          ~柳本々々のフシギな短詩82
              「新宿歌舞伎町俳句一家屍派」より

最近、柳本々々氏のこのコラムにはまっている。
同氏の味付けで色んな短歌や俳句を読ませてくれる。

今日は、
北大路翼氏の歌舞伎町俳句が紹介してあるのを読ませてもらった。
いくつかの北大路翼句を挙げての考察も勿論面白かったのだが、
北大路氏の俳句を読んで一瞬、
もう、わたし、俳句書けないな
と思わせられてしまった。

なぜなら、歌舞伎町の風俗店に勤務する人たちと無縁の生活の中、
ぬるく生きていることを自覚させられたから。

それは、東北大震災時の経験者の俳句に対しても言えることだが、
現場の力には負ける。
(想望俳句というのはあるにせよ・・・。)

たとえば、こんな句
  風俗店を貫くエレベーターの寒  北大路翼
  新宿公園ぶらんこも砂場もない     〃

  キャバ嬢と見てゐるライバル店の火事  〃
  さつきまで遺体が乗つてゐたタンポポ  〃

  紙雛にふれつつデリヘル嬢待機     〃 
  蝶になる職務質問すり抜けて      〃
  浅春の早番遅番すれ違ふ        〃

  春の闇どこへも繋がらない通路     〃

私、ちょうど「春の闇」で拙句を書いたところだった。
春闇のときに十九のままであり  加藤知子

私などは、大学2年の頃へ時々繋がっては
懐かしめる青春(良くも悪くも)がある。
通路がある。
もし私に、
希望のないような閉塞感に覆われた春闇があったとしても、
きっとそう長くは続かないだろう。

この歌舞伎町俳句には、
そんな甘い人生を送ってきたのかと笑いとばされそう。
やや恥ずかしい気持ちにもさせられる。

でも、私は私、こんな句しか書けない。

それにしても、この柳本々々氏、刺激的で面白いことを教えてくれる。
お名前の読みは、やぎもともともと、 
さんらしいです。

柳の下にいつも泥鰌がいるとはかぎらない
というような諺がありますが、
このお名前を見た時
いつも泥鰌が2~3匹はいるように
感じました・・・・








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