続・知青の丘

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「白牡丹といふといへども紅ほのか  虚子」について

2016-10-10 14:52:46 | 俳句
俳人・鳴戸奈菜氏が、
平成28年7月18日水戸市での
「日本語と俳句」と題する講演の中で次のようなことをおっしゃったらしい。
茨城県現代俳句協会会報No.121(5ページ)から一部抜粋

“俳句における言葉の機能について
白牡丹といふといへども紅ほのか   虚子
はくぼたんと読む。私はしろぼたんとは読めない。わかりますね。「はひふへほ」です。
「紅ほのか」によって、白を際出させているんだね“
                                                   
有名な高浜虚子の句です。
私が、最初この句に出会ったときには、内容に感激した覚えがあります。

鳴戸氏の仰ることが、私には、一読後すぐにはわかりませんでした。
今はわかっていますよ。
日本語の運びをうまく仕掛けた句ということでしょうか。
「と」「と」「ど」もありますね。
他に頭韻を踏む句などもそういうことになるのでしょうか。

『現代俳句の世界1 高濱虚子集』(朝日文庫、昭和59年)によれば、
この句には、難読と思われるということか、ルビがふってあって
「白」には「はく」、「紅」には「かう」とあります。

さて、鑑賞ですが、
これは、この自然界のことを凝視したような句だと思いました。
大変説得力があります。
虚子自身は単に物の存在を謳っただけであとは沈黙ということで、
深読みなど嫌う人のようですが、
次のように読むこともできそうです。

例えば、合理主義を普段強く唱える者が、
或ることについては義理人情にほだされて不合理なことをついしてしまうようなことかなと。
そして、そこが何ともいとおしいような・・・・
この白牡丹に見習って、窮屈な生き方をする必要はないのかもしれません。

人生は得てしてそんなものだから~なあんて言っちゃって、
ああ、そんなことをいったら、
なめらかで、あっさりとしたなまめかしさが損なわれてしまいそう。
止めましょう~。









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