癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

レトロ建築・「大手町ハウス」 & 「ひし伊」

2016年04月16日 | レトロ建築・古民家カフェ
「大手町ハウス」がゴーフレット専門店として開店


 ニチロビルの裏手ある「函館大手町ハウス」(旧浅野セメント函館営業所)が、新幹線開業日の3月26日に、バターゴーフレット専門店として開店したということを知った。中を覗けるチャンスなので、訪ねてみた。

 歴史を調べてみると、この大手町ハウスは、1918(大正7)年に浅野セメント函館営業所として建造。この建物は、旧函館区公会堂など多くの建築に携わった名大工村木甚三郎に手による『擬洋風建築』である。

 正面両脇の搭状の構造やアーチが連なる玄関など、函館でもあまり他に例を見ない独特の意匠が印象的で、ずっと気になって建物だった。

 当時、セメントがまだとても高価な時代に、多量のモルタル、ブロックを巧妙に駆使した石造り風に作られ、重厚感と階高があり、とてもスタイルが良く、屋根の形や塔屋、窓の上下の飾りに現代では見られない意匠が施されている。

 しかし、1954年(昭和29年)「(株)北海道漁業公社」へと移譲され、第二の人生を歩むが、1988年(昭和63年)に同社が破たん、その後、10年以上もの間、閉鎖されたままだった。
 朽ち果てる寸前だったこの建物を、2003年に写真などを元に、北斗市の澤田建設が、約6ヶ月の工期を経て、見事に甦えらせたとのこと。

 建築当時の姿に復元されたあとは、一時期はカフェとして営業していたらしいが、再び長い間閉鎖されたままだった。歴史的に価値ある建物が再び日の目を見ることとなるのはうれしいことだ。2階部分は、物置状態で開放の予定はないとのこと。


玄関


1階部分の店と工房


玄関の左横にあるサロン

 
1階部分の西側の壁     「登録有形文化財指定」と「函館市都市景観賞」の章

 新しい店舗名は「BEURRE(ブール)函館本店」。七飯町大沼で観光牧場を運営する企業「どさんこミュゼ」が運営者らしい。

 
店の前の看板     一個ずつ手づくりが特徴


1個200円だが、8個では1200円でお得。
買ってきた3種類(メープル、カフェショコラ、ハスカップ)のゴーフレット。もちもちして美味しかった。


茶房「ひし伊」(ランパス13軒目)


 レトロな建築物ついでに、外からはいつも眺めているが、中には入ったことがなかった「ランパス」参加店である宝来町の「茶房ひし伊」へ。 

 この純和風の建物は、明治40年、大正10年、昭和9年の3つの大火をかいくぐってきた函館唯一の建築物として有名である。中に火が入らないように用心土で全ての隙間を塞ぐ工夫がされたことによるらしい。
 左から、茶房「ひし伊」(石造り・大正10年)、中は、玄関とアンティークショップ(土蔵造り・明治38年)、右が、母屋(全国でもかなり早い鉄筋コンクリート・明治38年)
 

玄関を入ったところ


左は質蔵を利用した茶房の入口。右はアンティークショップ


1階は洋風


2階は和風


太い梁には「大正十年九月十七日上棟 入村富吉建立」と記されている



提供メニューはトーストセット。
ボリューム的には物足りないが、建物や店内の雰囲気を味わえるだけでも大満足

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
さすが函館… (田舎おじさん)
2016-04-16 20:22:23
 さすが北海道では歴史のある函館です。
 いろいろと歴史的建造物があるようですね。
 特にレポにもあるように「大手町ハウス」の外観は重量感があって素晴らしいですね。
 そういえば、以前函館を訪れた時に立ち寄った高田屋嘉兵衛資料館のことを思い出していました。ここの建物、そして展示されている物品も興味深いですね。
田舎おじさんへ (sakag )
2016-04-16 20:40:55
西部方面には、和洋折衷や洋風の建物は、またまだたくさんあります。
高田屋嘉兵衛関係の資料館は2軒あるのですが、直系の子孫が営業していた方は、現在閉館しています。

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