蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

お高き、社長令夫人

2008-07-20 | 仕事
以前、営業で地域を回っていた時のこと。
大阪府下の、町はずれの小さな会社に、飛び込み営業。
社長と奥さん、営業、兼、作業者が2名ほどの小さな会社だ。


飛び込み営業は、勇気がいる。
嫌われ撃沈するのがわかって、飛び込む。
神風特攻隊みたいなものだ。
相撲取り組み前の高見盛みたいに、入る前に、、バシッ、バシッと気合が必要。
叩かれても痛くないように、身体中の筋肉をぎゅっと固く締めて、いざ出陣!!


その小さな会社へは、シャッター横の暗い通りを入って行く。
決して立派とはお世辞にもいえないような、超零細企業。
一通り、我々の仕事のPRをして
「一度お試しに起用してみてください」とお願いした。
社長と営業マンは、まあ、好意的に話に耳を傾けてくれたのだが、
問題は、社長令夫人。

あからさまに、うんと上の方から人を見下ろす態度が、ありあり。
「おたくたち、うちとこみたいな小さいところまで、
そうやって、一軒一軒、訪ねてきてるわけ?」
と言われた。

その表情や言い方、態度から、
「へぇ~、一軒、一軒、頭下げて、こんな人里離れたところにまで、ドサまわり、
ほぉ~んと、ご苦労なことね。」とうい意味合いを感じた。

さらに、こういうニュアンスも読み取れた。
「こんなウダツの上がらない亭主の会社で、
毎日毎日大した利益にもならないのに振り回され、うんざりしてたけど、
こんな惨めな人々もいるのね。
世の中、下には下があるんだ。
私なんか、うんとマシだわぁ。ああ、よかった」

場末の(→失礼でしょうか)、
パサパサに乾ききってしまった潤いのない(→失礼かも、でしょうか)、
品性のかけらもないオバチャン(→失礼、ですね、きっと)から、
哀れみならまだしも、見下(みくだ)され、蔑(さげす)まれた私だった。

女性特有の勝ち誇ったような態度。
鼻につく、なんてナマやさしいもんじゃない。

何を言う?!オババ!
あんたみたいなオバハンに、そんな態度を取られる筋合いは、
ぬあぁ~い!!
と思ったが、やはり、仕事でお伺いしているので、
そういう筋合いは、あるわけだ。

「ご挨拶です」と、お米や、商品券のひとつでも持参していれば、
もう少し対応が変わっていたかも知れない。
(オシャレなお菓子ではなく、ここは、あえて、お米!!)
「あら、悪いわね。」と、
ねずみ男のような、笑顔を見せてくれたかも知れない。


私は好きで仕事をしているのだ。
いちいち細かいことを気に病んでいたら、やっていられない。
しかし、人の足元を見て、
ここぞとばかりに日ごろの鬱憤をぶつけてこられると、きついものがある。
だが、そういう人は、所詮、そういう人なのだ。

残された人生を社会貢献に軸足をシフトさせる、ビル・ゲイツのようになれ、
と言っても無理がある。
気の毒な人生を送ってきた結果が、ああいう態度なわけだ。
本人は何も気付いてないところに、
質(たち)の悪さ、救いようのなさを感じる。

仕事での、その場限りのお付き合いで、よかった。
もし、ああいった人が同じ職場にいたら・・・ぞっとする。
(別の職場に、そういうオバサンがいたが、
見事、首を切られた。あっぱれ、社長に、一票!!)

世の中、
お金をいただくか、払うか、で、人間の立場はこんなにも違う。
仕事とは、厳しいものだ。